ビジネスわかったランド (営業・販売)
実践テクニック
アプローチをうまくやるには
アプローチとは、情報と相談と便利のサービスを通して、相手に満足と貢献を与えることで、心を開いてもらうためのステップである。心を開いてもらい、的確な情報収集ができれば、次回訪問で成約までのゴールインが保証される。
ゴールに到達するには、アプローチは用件に入る前の雑談ではないこと、アプローチには5つの目的があること、相手に満足を与えるアプローチの話題とは何か、といったことについて知らなければならない。
そして、費用をかけずに相手を満足させるものをお土産代わりに持参すると、アプローチの効果が高まる。さらに、相手の関心や興味に話題を絞り、相手の話を熱心に聞くことが、何よりも大切である。
<< 彼女を口説くには >>
女子大生の初体験場所は
女子大生の初体験場所の筆頭は、彼の部屋43.9%。自分の部屋22%、ラブホテル15.9%で、車の中4.9%、野外2.4%と室内派が比較して圧倒している。
このデータの室内派は、彼女の口説きに成功してからの行為で、野外派は強引な一方的行為と推定できる。営業も一方的やり方ではお客の心を開けない。自分の部屋へきてもらえない、彼女の部屋へ招かれないという女性にモテない男のワースト5は、
1.男らしさを誇示
2.取柄が真面目なだけ
3.女はちやほやすればよいと思い込む
4.すぐ結婚を迫る
5.身の回りのこともできない男
である。
営業マンで成功しないアプローチ方法とは
営業マンの根性ぶりや、板についた話術で迫るのは、ワースト1の男らしさの誇示と同じように、営業マンらしさの誇示である。完璧なマナーや敬語だけで、こちこちになって汗を流しながらの延々続く商品説明は、真面目だけが取柄、ペラペラ見え透いたお世辞を並べてゴマすりに徹するのは、お客にちやほやすればよいとの思い込み、すぐ買え買えと迫るのは、すぐ結婚を迫るのと、それぞれよく共通している。
月並みな台詞なら警戒度は高い
彼女との最初の出会いで、男のほうから声をかけると、大抵は警戒される。「どこの会社?」とか、「お茶飲みませんか」など、月並みな台詞なら警戒度は高い。
最初の一言で彼女の心の扉を自動オープンさせるには
最初の一言で、彼女の心の扉を自動オープンさせることが上策である。「その本、赤川次郎ですか。ボクも大好きなんです」「テニス焼けしてますね、どこのコートでしているの?」という第一声は、相手の関心事にズバリ矢を射込んでいる。自分の関心事を話題にされて、不快感を持つ人はいない。
<< 心の扉へ“ヒラケゴマ” >>
アプローチの前に挨拶がある
営業の第1ステップはアプローチといわれているが、その前に“挨拶の段階”があることを見落としてはならない。心の扉への最初のノックは、この挨拶である。ノックの仕方に合格しなければ、ドアは開かない。ドアの中に入って面談できてこそ、アプローチの段階に入れるのである。
相手の心のドアが開かれる台詞とは
「おはようございます」とか、「ごめんください○○会社です」とかの挨拶は、馬鹿にもできる。これではダサい。おはようございますの慣用文句の後に、「おばあさんの風邪はお治りになりましたか」「坊ちゃん高校ご入学おめでとうございます」「奥さんの母校○○高校は県バレーボール大会優勝ですよ」というような台詞を付け足すと、相手の心に響いてドアが開かれる。
相手の家庭の最近の出来事や関心事を挨拶文句に取り入れる
すなわち、相手の家庭の最近の出来事や関心事を、挨拶文句に取り入れるのである。これで相手は好感をもつから、人情に訴えられる。いつもうちのおばあちゃんの体を気遣ってきてくれる、という義理が発生する。
<< 重要なアプローチ >>
アプローチは用件に入る前の雑談ではない
アプローチは、用件に入る前の雑談の段階と思っている人が多い。しかし、下手な雑談や一方的な世間話を聞かされても、お客の警戒心はほぐれない。時間の無駄にいらいらするだけである。お客をいらつかせては失格である。
アプローチの目的とは
アプローチの目的は、次の図表に掲げるように5つある。
情報収集により成約までのゴールインが保証される
前掲の図表の4と5は共通しており、要は顧客を満足させるアプローチである。満足を相手に与える代わりに、こちらの戦果は、まず3の情報収集である。その情報戦果により、次回訪問で成約までのゴールインが保証される。
<< 切出し話法の展開だけでは心の扉は開けない >>
相手に満足を与えるアプローチの話題とは
相手に満足を与えるアプローチの話題は、相手の関心事や出来事である。おばあさんの病気のこと、看病の大変なこと、他所で聞いてきた看護の秘訣や苦労話、評判のよい医者や薬の話などはその一例である。受験勉強中の子供がいる家庭なら、受験戦線の話、塾の評判、学校の評判、栄養価の高い夜食のつくり方、健康管理などを話題にできる。
費用をかけずに相手を満足させるものをお土産代わりに持参する
このようなときに、その話題の参考資料のコピーを提供するか、シートを作ってデモブックのファイルに収録しておくと効果的である。
中高年のお客を相手にする営業マンが、食品中のコレステロール一覧表を作り、お土産代わりに持参して大好評を博した、と雑誌で読んだことがある。やはり他所を訪問するには手土産が必要だ。ただし、この事例のように、費用をかけずに相手を満足させるものが好適品である。
話題は「きどにたちかけせし衣食住」から
昔からアプローチの話題として、「きどにたちかけせし衣食住、たかいまどよりゆうけしき」の言葉が有名で、これは切出し話法といわれている。これは、話題にとりあげたらよいと思われる事柄の頭文字を並べたものである。次に、「きどにたちかけせし衣食住…」の内容を図表にまとめてみた。
これを知っていると、雑談の話題を次々に展開できるので便利である。お見合いやデートにも役に立つし、あまり親しくない人との会話にも好適である。
初回訪問用には使えるが、再訪以降では心の扉を開く工夫を
しかし、この切出し話法を意識的に展開している間は、相手と、差障りのない、うわべだけの交わりで、決して魅力や信頼を築くことはできないことに留意しなければならない。したがって、相手の関心事をキャッチするレーダーの役割をもった手法で、初回訪問用ともいえる。再訪以降にもこれでは、心の扉を開かせることはできない。
<< アプローチで心得るべきこと >>
相手が関心を持つことを言えるように事前に準備する
時々訪問して顔馴染みになっていても、「きょうは何の用」と客からいきなり聞かれることが多い。この時に自分の要件を言うと断わられるから、「坊ちゃんのご進学の参考データを持ってきました」とか、「奥さんのご趣味の俳句を、ボクも初めてつくりましたので、見ていただこうと思って参りました」というような、相手が関心を持つことを言わなければならない。それを言える事前の準備が必要である。
早合点して自分のペースで話を進めるな
次に、なるべく相手に喋らせ、自分は熱心に聞くほうに回り、自分の話をしすぎないよう注意する。あるゴルフ嫌いの人が、友達から勧められてもどうしても気が向かず、もらった道具を玄関に放置してあった。そこへ訪ねてきた営業マンが、ゴルフの話に熱中し、それからは訪問のたびにゴルフの話、しかも自分の自慢話をぺらぺら喋りまくるので、さすがに我慢強いその男も、遂に怒り狂ったという。早合点の上に立った自分のペースで話を進めると、このような大エラーとなる。
相手の関心や興味に話題を絞り、相手の話を熱心に聞く
相手の求めていること、関心や興味を持っていることに話題のピントを合わせ、かつそれを相手に十分に喋らせ,熱心に聞くということは、彼女のハートを射止める必勝法である。
アプローチは相手に満足を与え、心を開いてもらうステップ
結論的にいうと、アプローチは、情報と相談と便利のサービスを通して、相手に満足と貢献を与えることで、心を開いてもらうステップである。
著者
藤森 悠紀男(株式会社経営開発研究所社長)
2010年6月末現在の法令等に基づいています。
ゴールに到達するには、アプローチは用件に入る前の雑談ではないこと、アプローチには5つの目的があること、相手に満足を与えるアプローチの話題とは何か、といったことについて知らなければならない。
そして、費用をかけずに相手を満足させるものをお土産代わりに持参すると、アプローチの効果が高まる。さらに、相手の関心や興味に話題を絞り、相手の話を熱心に聞くことが、何よりも大切である。
<< 彼女を口説くには >>
女子大生の初体験場所は
女子大生の初体験場所の筆頭は、彼の部屋43.9%。自分の部屋22%、ラブホテル15.9%で、車の中4.9%、野外2.4%と室内派が比較して圧倒している。
このデータの室内派は、彼女の口説きに成功してからの行為で、野外派は強引な一方的行為と推定できる。営業も一方的やり方ではお客の心を開けない。自分の部屋へきてもらえない、彼女の部屋へ招かれないという女性にモテない男のワースト5は、
1.男らしさを誇示
2.取柄が真面目なだけ
3.女はちやほやすればよいと思い込む
4.すぐ結婚を迫る
5.身の回りのこともできない男
である。
営業マンで成功しないアプローチ方法とは
営業マンの根性ぶりや、板についた話術で迫るのは、ワースト1の男らしさの誇示と同じように、営業マンらしさの誇示である。完璧なマナーや敬語だけで、こちこちになって汗を流しながらの延々続く商品説明は、真面目だけが取柄、ペラペラ見え透いたお世辞を並べてゴマすりに徹するのは、お客にちやほやすればよいとの思い込み、すぐ買え買えと迫るのは、すぐ結婚を迫るのと、それぞれよく共通している。
月並みな台詞なら警戒度は高い
彼女との最初の出会いで、男のほうから声をかけると、大抵は警戒される。「どこの会社?」とか、「お茶飲みませんか」など、月並みな台詞なら警戒度は高い。
最初の一言で彼女の心の扉を自動オープンさせるには
最初の一言で、彼女の心の扉を自動オープンさせることが上策である。「その本、赤川次郎ですか。ボクも大好きなんです」「テニス焼けしてますね、どこのコートでしているの?」という第一声は、相手の関心事にズバリ矢を射込んでいる。自分の関心事を話題にされて、不快感を持つ人はいない。
<< 心の扉へ“ヒラケゴマ” >>
アプローチの前に挨拶がある
営業の第1ステップはアプローチといわれているが、その前に“挨拶の段階”があることを見落としてはならない。心の扉への最初のノックは、この挨拶である。ノックの仕方に合格しなければ、ドアは開かない。ドアの中に入って面談できてこそ、アプローチの段階に入れるのである。
相手の心のドアが開かれる台詞とは
「おはようございます」とか、「ごめんください○○会社です」とかの挨拶は、馬鹿にもできる。これではダサい。おはようございますの慣用文句の後に、「おばあさんの風邪はお治りになりましたか」「坊ちゃん高校ご入学おめでとうございます」「奥さんの母校○○高校は県バレーボール大会優勝ですよ」というような台詞を付け足すと、相手の心に響いてドアが開かれる。
相手の家庭の最近の出来事や関心事を挨拶文句に取り入れる
すなわち、相手の家庭の最近の出来事や関心事を、挨拶文句に取り入れるのである。これで相手は好感をもつから、人情に訴えられる。いつもうちのおばあちゃんの体を気遣ってきてくれる、という義理が発生する。
<< 重要なアプローチ >>
アプローチは用件に入る前の雑談ではない
アプローチは、用件に入る前の雑談の段階と思っている人が多い。しかし、下手な雑談や一方的な世間話を聞かされても、お客の警戒心はほぐれない。時間の無駄にいらいらするだけである。お客をいらつかせては失格である。
アプローチの目的とは
アプローチの目的は、次の図表に掲げるように5つある。
情報収集により成約までのゴールインが保証される
前掲の図表の4と5は共通しており、要は顧客を満足させるアプローチである。満足を相手に与える代わりに、こちらの戦果は、まず3の情報収集である。その情報戦果により、次回訪問で成約までのゴールインが保証される。
<< 切出し話法の展開だけでは心の扉は開けない >>
相手に満足を与えるアプローチの話題とは
相手に満足を与えるアプローチの話題は、相手の関心事や出来事である。おばあさんの病気のこと、看病の大変なこと、他所で聞いてきた看護の秘訣や苦労話、評判のよい医者や薬の話などはその一例である。受験勉強中の子供がいる家庭なら、受験戦線の話、塾の評判、学校の評判、栄養価の高い夜食のつくり方、健康管理などを話題にできる。
費用をかけずに相手を満足させるものをお土産代わりに持参する
このようなときに、その話題の参考資料のコピーを提供するか、シートを作ってデモブックのファイルに収録しておくと効果的である。
中高年のお客を相手にする営業マンが、食品中のコレステロール一覧表を作り、お土産代わりに持参して大好評を博した、と雑誌で読んだことがある。やはり他所を訪問するには手土産が必要だ。ただし、この事例のように、費用をかけずに相手を満足させるものが好適品である。
話題は「きどにたちかけせし衣食住」から
昔からアプローチの話題として、「きどにたちかけせし衣食住、たかいまどよりゆうけしき」の言葉が有名で、これは切出し話法といわれている。これは、話題にとりあげたらよいと思われる事柄の頭文字を並べたものである。次に、「きどにたちかけせし衣食住…」の内容を図表にまとめてみた。
これを知っていると、雑談の話題を次々に展開できるので便利である。お見合いやデートにも役に立つし、あまり親しくない人との会話にも好適である。
初回訪問用には使えるが、再訪以降では心の扉を開く工夫を
しかし、この切出し話法を意識的に展開している間は、相手と、差障りのない、うわべだけの交わりで、決して魅力や信頼を築くことはできないことに留意しなければならない。したがって、相手の関心事をキャッチするレーダーの役割をもった手法で、初回訪問用ともいえる。再訪以降にもこれでは、心の扉を開かせることはできない。
<< アプローチで心得るべきこと >>
相手が関心を持つことを言えるように事前に準備する
時々訪問して顔馴染みになっていても、「きょうは何の用」と客からいきなり聞かれることが多い。この時に自分の要件を言うと断わられるから、「坊ちゃんのご進学の参考データを持ってきました」とか、「奥さんのご趣味の俳句を、ボクも初めてつくりましたので、見ていただこうと思って参りました」というような、相手が関心を持つことを言わなければならない。それを言える事前の準備が必要である。
早合点して自分のペースで話を進めるな
次に、なるべく相手に喋らせ、自分は熱心に聞くほうに回り、自分の話をしすぎないよう注意する。あるゴルフ嫌いの人が、友達から勧められてもどうしても気が向かず、もらった道具を玄関に放置してあった。そこへ訪ねてきた営業マンが、ゴルフの話に熱中し、それからは訪問のたびにゴルフの話、しかも自分の自慢話をぺらぺら喋りまくるので、さすがに我慢強いその男も、遂に怒り狂ったという。早合点の上に立った自分のペースで話を進めると、このような大エラーとなる。
相手の関心や興味に話題を絞り、相手の話を熱心に聞く
相手の求めていること、関心や興味を持っていることに話題のピントを合わせ、かつそれを相手に十分に喋らせ,熱心に聞くということは、彼女のハートを射止める必勝法である。
アプローチは相手に満足を与え、心を開いてもらうステップ
結論的にいうと、アプローチは、情報と相談と便利のサービスを通して、相手に満足と貢献を与えることで、心を開いてもらうステップである。
著者
藤森 悠紀男(株式会社経営開発研究所社長)
2010年6月末現在の法令等に基づいています。
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