ビジネスわかったランド (営業・販売)

コミュニケーション等

接待世話役を命じられた際の心得とコツは
 接待の世話役を命じられたときは、限られた経費で最大の効果を上げることが必要である。そして、何よりもお客様に喜んでもらい、将来の取引関係が円滑にいくように努力することである。
そのためには、接待の準備やお膳立てを綿密に行ない、お客様に対する気配りを忘れないことである。

お客の接待はビジネス運営上欠かせないセレモニー
万事経費節減を心掛ける低成長時代でも、客を接待することはビジネス運営上欠かせないセレモニーである。とするなら、限られた経費で最大の効果を上げることが必要とされる。

お客に喜ばれない接待の原因は
ところが、接待した割には顧客に喜ばれないことがある。これは、1つには接待の準備やお膳立てを疎かにするからである。会議でもこれらが必要なのに、接待はただ相手を呼べばよいという安易な考えがあるからではないか。もう1つは、接待中のこちらの気配りがまずいからである。

<< 開始から終了までのスケジュールを立てておく >>

相手の都合のよい日時を中心に接待日を選ぶ
どうしても相手の都合のよい日時がこちらの都合で選べなければ、こちらの都合を中心にせざるを得ないが、この場合はくれぐれもその理由を誠意をもって先方に告げ、何とかやりくりしてもらうことである。

相手に合わせて会場を選ぶ
相手の好みに合わせることも重要だが、相手の帰宅も考えて交通便利な場所を選ぶ。あるいは、迎車、帰途の配車を手抜かりなくすることである。

どういうふうにもてなすか考える
相手の好みや嗜好を考えることが大切である。
・しんみりした雰囲気を好むか(料亭派か)、賑やかなほうか(クラブやキャバレー派か)
・1箇所でよいか、2次会・3次会も必要か
・カラオケの必要はあるか、ないか
・ 和食か、洋食か、中華か

日頃の世間話や商談の合間にそれとなく情報を収集しておくこと
もっとも、これらのことをいざ接待というときになってから「率直にお伺いしますが……」と切り出しても、相手は率直に答えるものではない。日頃の世間話や商談の合間にそれとなく情報を収集しておくことがポイントである。

招く人員、人柄、相互の人間関係を知っておく
初対面か、取引きの密度はどうか、招待客の中にこちらの接待者と初対面の人がいるかどうかなどである。

会場(料亭、クラブなど)と打合せをしておく
あらかじめ会場側に、予算、スケジュール、客の内容や好みなどについて知らせておく。これらが詳しければ詳しいほど、仲居さんやホステスもプロだから万事心得て接待してくれるものである。

時間を相手に知らせておく
大体の時間、その後の予定(二次会等)、帰宅時の車などそれとなく相手に知らせて、不安のないようにしておきたい。

<< 接待の気配りを効果的に >>

時間に遅れないように出席する
客よりも遅く指定の場所に到着(入室)するのは失礼である。同時に客よりも早く帰宅するのも、それに輪をかけた非礼になる。どうしても中座したり、他に先約があったり、他の会合に出席しなければならないときは、事前に会場へ行って出迎えるとか、客よりも地位の高い自社の人間に相手をさせるかして、失礼をカバーするように努めたい。

話題に注意する
仕事が趣味という人、あまりくだけた話は苦手という人を接待するのはむずかしいものだが、事前に客の性格、出身地、出身校、趣味、スポーツを知っておくと案外、突破口が開ける。そうでない人の場合は遥かに楽だが、それでも政治・宗教・思想的な話題はそれぞれ信条や見解の相違があるから注意したい。

万事、相手中心で進める
世間話は相手中心で進め、こちらは聞き役になる。アルコールも無理強いをしないなどのことが大切である。この点は、客扱いに慣れた仲居さんやホステスを選んでおけば、こちらの不備・不足を補ってくれるものである。

著者
坂川 山輝夫(現代コミュニケーションセンター所長)
2010年6月末現在の法令等に基づいています。