ビジネスわかったランド (お役立便覧)

各種手当 職務関連・生活関連の支給相場と実態

住宅手当
下図は、住宅手当の支給の有無。支給する企業が45.1%と、しない企業を下回った。

◆住宅手当の支給企業

回答社数:244社
下表は、支給企業の割合を業種別に見たもの。

◆住宅手当の業種別支給割合

  回答社数 支給企業 支給企業
の割合
2012年調査
の支給割合
2009年調査
の支給割合
製造業 61社 30社 49.2% 55.7% 45.2%
建設業 20社 6社 30.0% 42.9% 56.3%
卸・小売業 66社 36社 54.5% 50.0% 61.2%
サービス業 49社 20社 40.8% 37.5% 55.9%
その他 43社 14社 32.6% 50.0% 51.4%
業種未記入 5社 4社 80.0%
合計 244社 110社 45.1% 50.5% 53.7%
下表は、東京、愛知、大阪の3大都市に本社を置く企業での住宅手当の支給割合。住居費が高くつく都会地でも特に支給企業が多いわけではないようである。

◆3大都市に本社を置く企業での住宅手当の支給割合

  回答社数 支給企業 支給企業の割合
東京都 69社 32社 46.4%
愛知県 26社 13社 50.0%
大阪府 37社 19社 51.4%

支給要件は「世帯主」が多い

下図は、住宅手当の支給要件(複数回答)である。

◆住宅手当の支給要件

99社(複数回答)
全社員に支給するという企業もあるが、何らかの条件を設けている企業のほうが多い。
最も多い要件が「世帯主」で、回答企業99社の半数近くの42社が挙げている。これらの企業では、親元から通う若手社員や、配偶者が世帯主である既婚社員には支給されないことになる。
次に多いのが「借家」だが、借家に限定しているのは、住宅手当の起源が、社宅や独身寮に入居できなかった社員に対する「家賃補助」にあったからだろう。
「その他」の要件では、「結婚していること」「独身で30歳未満、入社3年目まで」「課長以下」「東京勤務者のみ」などが挙げられていた。

社宅や寮の自己負担

下表は、「社宅・寮入居者の本人負担額」である。負担額を金額で決める企業と、家賃に対する負担率で定める企業があり、ここでは、「負担額を一律」にしている場合と「負担率で定める」場合を集計した。

◆社宅・寮入居者の本人負担額

  一律定額負担の場合 本人負担率を定めている場合
回答社数 32社 30社
最高額(率) 40,000円 60.0%
最低額(率) 3,000円 5.0%
中位額(率) 10,000円 25.0%
平均額(率) 12,313円 27.4%
2012年調査平均額(率) 17,735円 34.2%
2009年調査平均額(率) 16,969円 39.0%
一律定額負担の場合は独身寮・家族寮が多いためか、金額も低めで平均額は12,313円。一方、負担率で決める場合は借上社宅がほとんどと思われ、平均負担率は27.4%だった。

住宅手当の支給額

下表は、住宅手当の支給額を見たもの。
「世帯主で扶養家族あり」「世帯主で扶養家族なし」「非世帯主」の、一般社員と役職者への支給額を、持ち家と借家の場合で、それぞれ記入してもらった。役職や勤務する事業所の地域、勤続年数などによって「10,000~20,000円」というように支給額に幅がある回答は、その中間値で集計している。

◆住宅手当の支給額(月額)

(1)持ち家
  世帯主で扶養家族あり 世帯主で扶養家族なし 非世帯主
一般社員 役職者 一般社員 役職者 一般社員 役職者
回答社数 70社 52社 61社 46社 41社 32社
最高額 50,000円 64,600円 50,000円 64,600円 40,000円 64,600円
最低額 5,000円 5,000円 3,500円 3,500円 2,000円 2,000円
中位額 15,000円 15,000円 15,000円 15,000円 12,000円 14,500円
最多回答額 (14社)
10,000円
(各9社)
10,000円
20,000円
(11社)
15,000円
(8社)
15,000円
(各5社)
5,000円
10,000円
15,000円
(6社)
10,000円
平均額 18,907円 21,708円 16,959円 19,757円 14,278円 17,163円
2012年
調査平均額
16,612円 16,902円 12,810円 12,832円 10,089円 9,527円
2009年
調査平均額
15,370円 15,974円 12,422円 13,235円





東京圏 23社 19社 21社 18社 17社 14社
24,609円 26,737円 21,905円 23,472円 14,265円 16,429円
名古屋圏 14社 10社 11社 8社 8社 5社
14,286円 17,700円 11,909円 14,000円 12,000円 14,200円
大阪圏 13社 12社 11社 10社 7社 7社
18,531円 21,267円 18,900円 22,720円 21,271円 26,171円
(2)借家
  世帯主で扶養家族あり 世帯主で扶養家族なし 非世帯主
一般社員 役職者 一般社員 役職者 一般社員 役職者
回答社数 75社 59社 71社 54社 43社 34社
最高額 150,000円 150,000円 100,000円 100,000円 40,000円 64,600円
最低額 4,000円 5,000円 3,500円 3,500円 2,000円 2,000円
中位額 18,000円 20,000円 15,000円 19,500円 12,000円 15,000円
最多回答額 (11社)
10,000円
(9社)
10,000円
(13社)
15,000円
(8社)
15,000円
(7社)
10,000円
(6社)
10,000円
平均額 21,467円 25,386円 18,451円 22,330円 14,823円 21,155円
2012年
調査平均額
17,941円 18,200円 13,900円 14,817円 11,031円 10,277円
2009年
調査平均額
18,056円 19,267円 14,792円 15,665円





東京圏 25社 22社 23社 21社 17社 14社
32,580円 35,864円 27,348円 29,595円 14,853円 16,929円
名古屋圏 12社 10社 13社 9社 7社 5社
15,250円 19,400円 13,962円 16,000円 11,714円 14,400円
大阪圏 14社 11社 13社 10社 7社 6社
17,993円 21,837円 17,608円 22,220円 21,414円 29,700円

注1)「東京圏」は東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県を集計。「名古屋圏」は愛知県、静岡県、岐阜県、三重県を集計。「大阪圏」は大阪府、京都府、兵庫県、奈良県を集計

注2)2009年調査では「非世帯主」は集計しなかった

「世帯主で扶養家族あり」が最も高く、「世帯主で扶養家族なし」はその1~2割減、「非世帯主」はそこからさらに1~2割減という結果である。
一方、一般社員と役職者、持ち家と借家の差も1割程度だった。
相場は、それぞれの中位額ないし平均額の周辺と考えられる。
また、住宅にかかる費用は地域によって差が大きい。そこで、「東京圏」1都3県、「名古屋圏」4県、「大阪圏」2府2県に本社を置く企業の平均額も出してみた。世帯主に限って言うと、「東京圏」が抜きん出ていた。