ビジネスわかったランド (お役立便覧)

各種手当 職務関連・生活関連の支給相場と実態

精勤・皆勤手当
出勤状況が良好な社員に対して支給する精勤・皆勤手当も、代表的な職務関連手当である。
図1はその支給の有無、表1は業種別の支給割合、図2は支給対象部門、図3は支給対象者について回答してもらった結果である。
精勤・皆勤手当は、かつて現業部門で多く支給されていたが、労働者のモラル向上に伴い、最近は廃止される傾向にあると言われる。今回は、約2割の企業で支給しているとの回答があった。
その運用に関しては、特定の部門に限定せず、全社員を対象とした制度としている企業が多い。業種別にみると、製造業での支給企業が多かった。

◆図1 精勤・皆勤手当の支給企業

回答社数:242社

◆表1 精勤・皆勤手当の業種別支給割合

  回答社数 支給企業 支給企業の
割合
2012年調査
の支給割合
2009年調査
の支給割合
製造業 61社 21社 34.4% 34.9% 38.1%
建設業 20社 1社 5.0% 25.9% 12.5%
卸・小売業 65社 11社 16.9% 35.4% 14.3%
サービス業 49社 7社 14.3% 25.0% 11.8%
その他 42社 8社 19.0% 29.4% 14.3%
業種未記入 5社 0社 0.0%
全体 242社 48社 19.8% 32.2% 20.6%

◆図2 精勤・皆勤手当の支給対象部門

回答社数:48社

◆図3 精勤・皆勤手当の支給対象者

回答社数:39社(複数回答)

月5,000円程度が多い

下表は、精勤・皆勤手当の金額である。企業によっては、「完全な無遅刻・無欠勤」のほか、多少の遅刻や有給休暇の取得は容認し、2段階で支給する場合があるが、今回は無遅刻・無欠勤の皆勤者を集計している。

◆精勤・皆勤手当の支給額(月額)

  皆勤者(完全な無遅刻・無欠勤者)への支給額
回答社数 31社
最高額 20,000円
最低額 1,000円
中位額 5,000円
最多回答額 (7社)5,000円
平均額 6,048円
2012年調査平均額 5,685円
2009年調査平均額 6,119円
皆勤手当の最高額は20,000円だが、総じて支給額は高くなく、相場は皆勤者で5,000~6,000円といったところだろう。
精勤・皆勤手当は、企業によって取扱いの差が大きい。そこで、下表に、回答企業の精勤・皆勤手当の支給要件等を列挙した。
  • ●精勤2,000円、欠勤1日1,000円、欠勤2日500円、欠勤3日なし(新潟・サービス業)
  • ●5,000~20,000円を基本給に応じて支給。欠勤があれば日割計算(富山・製造業)
  • ●年20,000円。年間で1回のみ遅刻・早退可(愛知・製造業)
  • ●1か月間で不就労時間30分以内の者に月2,000円を支給(大阪・製造業)
  • ●皆勤者に基本給の24分の1を支給(兵庫・製造業)
  • ●皆勤10,000円、欠勤1日5,000円、欠勤2日3,000円。遅刻・早退3回で欠勤1日として扱う(大阪・サービス業)
  • ●無欠勤者5,000円、1日欠勤者2,000円(山口・卸小売業)
  • ●基本給の7~8%を支給(福岡・製造業)
  • ●皆勤者3,000円、有給休暇取得者は1,000円(福岡・製造業)
有給休暇を取得した際の取扱いのほか、手当額を基本給等を基準に決める企業、月単位ではなく年間で支給する企業など、様々であることがわかる。 また、パートタイマー等の非正規雇用社員に精勤・皆勤手当を支給する場合も、社員と同様に扱うとする企業が多かった。