ビジネスわかったランド (人事・労務)
非正規雇用者の採用・雇用・退職等
パートタイム・有期雇用労働法の基礎知識
ここでは、非正規雇用者を雇用する会社が必ず押さえておくべきパートタイム・有期雇用労働法について説明する。
注意点!
2020年4月1日より「パートタイム労働法」は「パートタイム・有期雇用労働法」となっており、有期雇用労働者も法の対象に含まれている。
(1)パートタイム・有期雇用労働法の適用対象
パートタイム・有期雇用労働法は、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者に比べて短い者」に適用される。
したがって、通常の労働者の週所定労働時間が40時間の会社では、「パート」「嘱託」等の名称にかかわらず、週40時間より短い所定労働時間(例:週30時間)が設定されている従業員が適用対象となる。
なお、通常の労働者と同じ所定労働時間の非正規雇用者は適用対象とならないが、パートタイム・有期雇用労働法の趣旨をふまえて取り扱うことが望ましいとされている。
したがって、通常の労働者の週所定労働時間が40時間の会社では、「パート」「嘱託」等の名称にかかわらず、週40時間より短い所定労働時間(例:週30時間)が設定されている従業員が適用対象となる。
なお、通常の労働者と同じ所定労働時間の非正規雇用者は適用対象とならないが、パートタイム・有期雇用労働法の趣旨をふまえて取り扱うことが望ましいとされている。
(2)押さえておくべきポイント
●労働条件に関する文書の交付等
パートタイム・有期雇用労働法が適用されるパート社員に対しては、労働基準法で定められた文書で明示すべき労働条件に加えて、以下の4項目を文書等で明示することが義務づけられている。
●通常の労働者と同視すべきパート社員に対する差別的取扱いの禁止
「通常の労働者と同視すべきパート社員」とは、次の要件をすべて満たす者をいう。
●待遇の決定についての説明義務
この説明義務は、2種類に分けられる。
●相談体制の整備
会社は、パート社員からの相談に備えて窓口を整備し、周知しなければならない。
実務上は、労働条件通知書に相談窓口について追記しておけば漏れがない。
パートタイム・有期雇用労働法が適用されるパート社員に対しては、労働基準法で定められた文書で明示すべき労働条件に加えて、以下の4項目を文書等で明示することが義務づけられている。
- 昇給の有無
- 賞与の有無
- 退職手当の有無
- 相談窓口(担当者の氏名、役職、部署など)
●通常の労働者と同視すべきパート社員に対する差別的取扱いの禁止
「通常の労働者と同視すべきパート社員」とは、次の要件をすべて満たす者をいう。
- 通常の労働者と職務内容(業務内容と責任の程度)が同じであること
- 通常の労働者と人材活用の仕組みや運用(転勤、配置転換等)が同じであること
●待遇の決定についての説明義務
この説明義務は、2種類に分けられる。
- パート社員を雇い入れた際の説明義務
→賃金制度の内容、どのような教育訓練や福利厚生があるか、正社員転換措置についてなど - パート社員から求められた際の説明義務
→どの要素を、どう勘案して、賃金を決定したかなど
●相談体制の整備
会社は、パート社員からの相談に備えて窓口を整備し、周知しなければならない。
実務上は、労働条件通知書に相談窓口について追記しておけば漏れがない。
著者: 佐藤 大輔(社会保険労務士法人坂井事務所、特定社会保険労務士・行政書士)
※記述内容は、2021年10月末現在の関係法令等に基づいています。
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