ビジネスわかったランド (人事・労務)
非正規雇用者の採用・雇用・退職等
非正規雇用者と労働契約を締結する際の注意点
(1)3年を超える労働契約は締結できない
契約社員はもちろんのこと、多くのパート社員は半年や1年といった期間の定めのある労働契約=有期労働契約を締結している。
現在、期間の定めのある労働契約は、3年を超えて締結することはできない。
これは、長期間の労働契約を結ぶと、労働者が他の会社に転職しにくくなるといった弊害が出てしまうためで、労働基準法に定められている。したがって、たとえば、使用者と労働者が双方同意のうえで4年の労働契約を締結したとしても、その契約期間は3年となる。
現在、期間の定めのある労働契約は、3年を超えて締結することはできない。
これは、長期間の労働契約を結ぶと、労働者が他の会社に転職しにくくなるといった弊害が出てしまうためで、労働基準法に定められている。したがって、たとえば、使用者と労働者が双方同意のうえで4年の労働契約を締結したとしても、その契約期間は3年となる。
(2)特例で最長5年の労働契約を締結できる
有期労働契約の場合、原則として3年を超える契約期間とすることはできない。
しかし、長期間の労働契約により雇用を安定させる目的のある満60歳以上の労働者や、事業主と対等の立場で交渉ができると思われる高度な専門知識をもっている労働者は、例外的に最長5年の労働契約を締結できる。
しかし、長期間の労働契約により雇用を安定させる目的のある満60歳以上の労働者や、事業主と対等の立場で交渉ができると思われる高度な専門知識をもっている労働者は、例外的に最長5年の労働契約を締結できる。
(3)一定の事業の完了に必要な期間は上限なし
ダムの建設や鉄橋の工事など、その事業の終期までの期間を定める労働契約であれば、契約期間の上限はない。
つまり「ダム建設の工事に4年かかるので、4年間の労働契約を締結する」という契約は有効となる。
つまり「ダム建設の工事に4年かかるので、4年間の労働契約を締結する」という契約は有効となる。
(4)有期労働契約を解約するとき
期間を定めて締結した労働契約は、やむを得ない事由がない限り、その期間中は解約できない。また、解約すると、解約した側に民事上の損害賠償義務が発生する。
しかし、上限期間が5年となっている労働者や一定の事業の完了に必要な期間を定めたケース以外では、労働者は1年を経過すれば、使用者に申し出ることにより退職することができる。
しかし、上限期間が5年となっている労働者や一定の事業の完了に必要な期間を定めたケース以外では、労働者は1年を経過すれば、使用者に申し出ることにより退職することができる。
(5)労働契約締結時の文書交付
労働基準法第15条では、会社が労働者を雇い入れた場合には、賃金や労働時間などの一定の事項について、書面により明示しなければならない、と定めている。
また、期間の定めのある労働契約の場合には、契約を更新する基準(判断基準)についても書面により明示する必要がある(労働基準法施行規則第5条1項1号の2)。
さらに、パートタイム・有期雇用労働法では、労働基準法第15条で定める事項以外についても、書面等で明示するよう定めている。具体的には次の事項を明示する義務がある。
また、期間の定めのある労働契約の場合には、契約を更新する基準(判断基準)についても書面により明示する必要がある(労働基準法施行規則第5条1項1号の2)。
さらに、パートタイム・有期雇用労働法では、労働基準法第15条で定める事項以外についても、書面等で明示するよう定めている。具体的には次の事項を明示する義務がある。
- 昇給の有無
- 賞与の有無
- 退職手当の有無
- 相談窓口
著者: 佐藤 大輔(社会保険労務士法人坂井事務所、特定社会保険労務士・行政書士)
※記述内容は、2021年10月末現在の関係法令等に基づいています。
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