ビジネスわかったランド (人事・労務)
退職
希望退職の流れ
会社都合による退職には、退職勧奨に対する合意以外に、会社が実施する希望退職募集への応募がある。ここでは、希望退職の流れについて説明する。
(1)希望退職とは
希望退職とは、会社が従業員に対して、一定の条件を提示したうえで退職を働きかけ、応募を募る制度である。
退職勧奨は、特定の個人に対してピンポイントで退職を勧奨するものだが、希望退職の募集は社内全体に向けて行なう点で異なる。
退職勧奨は、特定の個人に対してピンポイントで退職を勧奨するものだが、希望退職の募集は社内全体に向けて行なう点で異なる。
(2)希望退職募集の手順と注意点
希望退職の募集は、まず、対象者、募集期間、金銭的条件等を記載した募集要項を作成して従業員に提示することにより始まる。その後、対象者各人との面談を行なう。この面談は、状況にもよるが、複数回にわたり丁寧に行なう必要がある。
会社に残って欲しい人材に対しては、この面談で人員整理後のポスト、賃金条件等を提示し、希望退職に応募しないように働きかけることになる。ここが重要なポイントである。
応募期間の終了後、会社は、従業員からの応募を承諾するかどうかを決める。応募は労働契約終了の申込みであり、会社が承諾することで退職の合意が成立する。
なお、退職して欲しくない者が応募してきた場合は、会社には承諾しない自由があるため、「不承諾」として退職させないことができる。ただし、そのようにして会社に残した場合、当該従業員の今後のモチベーション低下等の可能性に留意が必要である。
以上の希望退職の募集の流れを図示すると、次のようになる。
会社に残って欲しい人材に対しては、この面談で人員整理後のポスト、賃金条件等を提示し、希望退職に応募しないように働きかけることになる。ここが重要なポイントである。
応募期間の終了後、会社は、従業員からの応募を承諾するかどうかを決める。応募は労働契約終了の申込みであり、会社が承諾することで退職の合意が成立する。
なお、退職して欲しくない者が応募してきた場合は、会社には承諾しない自由があるため、「不承諾」として退職させないことができる。ただし、そのようにして会社に残した場合、当該従業員の今後のモチベーション低下等の可能性に留意が必要である。
以上の希望退職の募集の流れを図示すると、次のようになる。
希望退職の募集を行なうことを決定 | ||||
↓ | ||||
募集内容を決定し、募集要項を作成して社内で公開 | ||||
↓ | ||||
会社に残って欲しい人には、その旨を伝える。 | ← | 会社と従業員の面談 | ||
↓ | ||||
応募期間の開始 | ||||
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応募期間の終了 | → | 会社が予定する募集人員に満たない場合は、(1)募集期間の延長、(2)第2次募集の実施、(3)募集打ち切り、のいずれかを選択・決定する。 | ||
↓ | ||||
会社が応募を承諾しない場合は、希望退職は成立しない。 | ← | 希望退職への応募に対して、承諾するかを決定 | ||
↓ | ||||
応募を承諾した者については、会社都合による退職へ |
著者: 佐藤 大輔(社会保険労務士法人坂井事務所、特定社会保険労務士・行政書士)
※記述内容は、2021年10月末現在の関係法令等に基づいています。
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