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退職

従業員が退職勧奨に応じた場合
会社から従業員に対して退職勧奨を行ない、合意に至った場合は合意退職となる。その際には、双方が合意した旨の書面を残しておくことが大切である。ここでは、合意に至った場合に何をすればよいかを解説する。

(1)従業員が退職勧奨に応じた場合

会社側から正当に行なわれた退職勧奨に対し、従業員が自己の意思により応じれば、双方合意による退職となる。この場合は、合意した事実を書面により残しておくことが重要である。

(2)合意に至った場合に作成する書面

本項の最後に示したのは、退職合意書のモデルである。

退職勧奨に応じて退職する場合に、「私は退職勧奨に応じて、○年○月○日をもって退職します」という退職届を会社に提出するだけのケースもある。

しかし、金銭的な条件等が関係してくることを考えると、細かい点まで合意文書に記載しておくことが望ましい。

(3)離職票の作成などの退職手続き

退職勧奨による合意退職に至った場合には、雇用保険離職票の手続きをスムーズに進めることが大切である。退職勧奨は従業員側から申し出たものではないことを考えると、できる限り迅速かつ誠実な手続き対応が望ましい。

退職合意書

○○株式会社(以下「甲」という)と、○○太郎(以下「乙」という)は、本日、甲・乙間の労働契約の終了に関し、以下のとおり合意した。
  1. 甲と乙とは、乙が、甲により行なわれた退職勧奨に自己の意思により応じ、双方協議のうえで、○年○月○日をもって甲を退職することを合意した。
  2. 甲が離職票を作成する際に記入する離職理由は「退職勧奨による合意退職」とし、会社都合扱いとする。
  3. 甲は、乙に対して、本件合意に伴う再就職支援金として、金○○万円を、○年○月○日限り、乙指定の銀行口座(○○銀行○○支店 普通1234567)へ振り込むことにより支払う。
  4. 甲および乙は、本件の合意内容を第三者に開示、漏洩しない。
  5. 甲および乙は、本件に関し、本件合意書に定めるほか何らの債権債務がないことを相互に確認する。

以上を証するため、本合意書を作成し、署名・捺印のうえ、甲乙各1通ずつ保管するものとする。


○年○月○日
 

(甲)所在地:

会社名:

代表者:

(乙)住所:

氏名:

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著者: 佐藤 大輔(社会保険労務士法人坂井事務所、特定社会保険労務士・行政書士)

※記述内容は、2021年10月末現在の関係法令等に基づいています。