ビジネスわかったランド （人事・労務）
解雇
解雇の予告を行なう際の注意点
会社は、従業員を解雇する場合は、解雇の予告または解雇予告手当の支払いを行なわなければならない。
解雇の予告を行なう際には、次のような点に注意が必要である。
上図で、解雇予告手当を支払わないで解雇の予告を行なうには、3月31日までに予告が相手方に到達している必要がある。
仮に、4月1日に予告を通知した場合は、予告期間は「29日間」となるので、別途1日分の平均賃金を解雇予告手当として支払わなければならない。
下掲は、解雇予告通知書のモデルである。
今般、貴殿を解雇するにあたり、労働基準法第20条に基づき、下記のとおり解雇予告する旨をここに通知します。
解雇の予告を行なう際には、次のような点に注意が必要である。
- 解雇の予告が行なわれた日は、予告期間には算入されない（予告日の翌日が起算日となる）
- 予告期間の30日は暦日で計算するので、土日、祝日等も含めて計算する
- 解雇日を特定して予告する必要がある（「解雇日は、30日経過後の会社が定める日」というような予告はできない）
- 解雇の予告は、対象従業員に対して文書で行なう（解雇の予告自体は口頭でも可能だが、書面がないと、いつ解雇の予告をしたのか、そもそも本当に解雇の予告をしたのか、といったことを証明するのが困難になる）
- 対象従業員が出社しないなど、解雇予告通知を直接交付できない場合は、内容証明郵便等により解雇予告通知を送付する（予告日は解雇予告通知が当人に到達した日となる）
3月31日
4月30日解雇
30日の予告期間
仮に、4月1日に予告を通知した場合は、予告期間は「29日間」となるので、別途1日分の平均賃金を解雇予告手当として支払わなければならない。
下掲は、解雇予告通知書のモデルである。
（通知日）○年3月28日
解雇予告通知書
○○ 次郎 殿今般、貴殿を解雇するにあたり、労働基準法第20条に基づき、下記のとおり解雇予告する旨をここに通知します。
記
- 解雇年月日
○年4月30日 - 解雇理由
休職期間満了後、○年○月○日より復職・勤務したが、再度疾病に罹患し、今後長期間の療養が必要であり、復職が不可能であると判断されたため - 就業規則の該当条文
正社員就業規則第○条（普通解雇）の第○号「身体の負傷・疾病により、労務提供が困難となったとき」に該当
以上
○○株式会社
代表取締役 ○○太郎 印
書式ダウンロード
著者： 佐藤 大輔（社会保険労務士法人坂井事務所、特定社会保険労務士・行政書士）
※記述内容は、2021年10月末現在の関係法令等に基づいています。
