ビジネスわかったランド (人事・労務)

休職

休職願の記載事項と提出
休職事由に該当した従業員が休職を希望する場合、一般的には休職願を提出することが多い。ここでは、私傷病休職に絞って解説する。

(1)休職願の記載事項

従業員が会社に提出する休職願には、次の事項を記載させる必要がある。
  1. 休職理由
  2. 休職期間
  3. 入院期間と入院する病院
  4. 添付書類
  5. 緊急連絡先
休職願は、社内で所定の書式を準備しておくことが望ましい。以下に書式モデルを掲載する。

○年○月○日

○○株式会社
代表取締役○○太郎 殿

休職願

このたび、下記のとおり休職制度の利用を申請いたします。

休職理由:○○の治療による入院・手術および療養のため

休職期間:○年○月○日~○年○月○日

入院期間:○年○月○日~○年○月○日
(病院名:        住所:            )

添付書類:○○病院○○科○○医師による診断書

休職中の緊急連絡先:090-XXXX-XXXX

なお、休職中の取扱いについては就業規則第○条を遵守し、休職期間満了後は第○条に基づき復職または退職の取扱いを受けることに異存ありません。

○○部所属
○○次郎  印

※休職願を提出される方へ
本休職願は人事部宛に提出してください。提出後、社内において就業規則の要件を満たすかを精査したうえで、後日、会社の決定を連絡します。

(2)従業員が休職願を提出しない場合

精神疾患等を患い、断続的な欠勤を繰り返す従業員の中には、就業規則上の休職要件を満たしているにもかかわらず、休職を希望せず、休職願を提出してこないケースもある。

このような事態は、そもそも当人の病気回復にとってプラスにならず、放置すれば、会社の安全配慮義務が問われかねない。

したがって、会社としては、下図のような対応を検討する必要がある。
従業員が断続的欠勤により休職事由に該当
従業員が休職を希望せず、休職願を提出しない
会社が従業員に対して休職を勧める 産業医との面談、主治医への照会により、医学的見地から休職が必要であることの証拠を提示する
 
従業員が同意
従業員が拒否
 
 
休職願を提出
就業規則に基づき休職を命令
 
 
休職開始
まず会社は、休職が必要であることを示す医学的な根拠を得るために、産業医の意見聴取と主治医への照会を行なう。その後、その証拠をもとに従業員と話合いの場をもち、休職を勧め、従業員が同意すれば休職願を提出させる。

一方、あくまで休職を拒否するのであれば、会社は就業規則の規定と医学的な根拠に基づいて、休職命令を出すことになる。
書式ダウンロード

著者: 佐藤 大輔(社会保険労務士法人坂井事務所、特定社会保険労務士・行政書士)

※記述内容は、2021年10月末現在の関係法令等に基づいています。