ビジネスわかったランド (人事・労務)

労働時間・休日等

時間外・休日労働
時間外労働とは、所定労働時間を超える労働をいい、休日労働とは、休日に労働することをいう。

(1)時間外労働

時間外労働とは、会社の所定労働時間を超える労働のことである。時間外労働が1日8時間、1週40時間という法定労働時間以内であれば「法定内時間外労働」となり、法定労働時間を超える部分は「法定超時間外労働」となる。

法定内時間外労働については、その時間分の通常の賃金だけを支払えば足りるが、法定超時間外労働については、通常の賃金に加えて割増賃金も支払わなければならない。

次の図を参照されたい(時給は1,000円とする)。
始業    
A社:所定労働時間1日8時間 法定超時間外労働
 
B社:所定労働時間1日7時間30分 30分 法定超時間外労働
始業 残業  
   
  法定内時間外労働
まず、A社では所定労働時間が1日8時間なので、8時間を超える時間外労働はすべて「法定超」となる。したがって、時給1,000円×125%の支払いが必要となる。

次に、B社では所定労働時間が1日7時間30分なので、7時間30分を超える時間外労働については、8時間以内の30分は「法定内」、8時間を超える時間外労働は「法定超」となる。法定内時間外労働については、時給1,000円×100%×30分を支払い、法定超時間外労働はA社と同じく、時給1,000円×125%となる。

(2)休日労働

労働基準法は週1日の休日を会社に義務づけており、この休日を「法定休日」といい、それ以外の休日を「法定外休日」という(詳しくは後述)。

休日労働とは、会社が定めた休日に出勤して労働することをいうが、休日労働には、「法定休日労働」と「法定外休日労働」の2種類がある。

(3)時間外労働と休日労働が可能となるためには

会社は、法定労働時間を超えて、また法定休日に労働させることはできない。しかし、会社が事業活動を続けていくには、法定労働時間を超えて従業員を勤務させなければならないことも多々ある。

そのため労働基準法は、時間外・休日労働に関する労使協定(詳細は「三六協定の締結と運用」を参照)を従業員代表と締結して届け出れば、法定労働時間を超えて、また法定休日に従業員を勤務させても、労働基準法違反の刑事上の責任が免責されることとしている。

著者: 佐藤 大輔(社会保険労務士法人坂井事務所、特定社会保険労務士・行政書士)

※記述内容は、2021年10月末現在の関係法令等に基づいています。