ビジネスわかったランド (人事・労務)

解雇

解雇の予告と解雇予告手当
会社は、解雇を行なう場合、解雇の予告または解雇予告手当の支払いが義務づけられている。

(1)解雇の予告または解雇予告手当の支払い

労働基準法は、解雇を行なう会社に対して、「解雇の予告または解雇予告手当の支払い」を義務づけている(労働基準法第20条)。

労働基準監督署に寄せられる解雇についての相談で多いのが、「即時解雇されたのに解雇予告手当が支払われていない」というものである。

会社の行なった解雇が正当(有効)か、不当(無効)かを最終的に判断する権限をもつのは裁判所である。この点について、労働基準監督署に決定を下す権限はない。

しかし、「解雇予告手当が支払われていない」という点は労働基準法違反であるから、労働基準監督署による調査・是正勧告・送検等の対象となる。

したがって、実務担当者としては、解雇を行なう際に「労働基準法に違反しないこと」を強く意識する必要がある。

(2)解雇の予告または解雇予告手当の支払いの具体的内容

従業員を解雇する際、労働基準法上、会社は次のいずれかの方法をとることが義務づけられている。
  1. 少なくとも30日前に解雇の予告をすること(平均賃金を支払った日数だけ解雇予告期間の日数を短縮できる)
  2. 解雇の予告をせずに即時解雇する場合は、30日分以上の平均賃金を解雇予告手当として支払うこと
以下は、解雇の予告と解雇予告手当の支払いに関するルールをまとめたものである。
会社として、対象者を解雇することを決定

1.所轄の労働基準監督署長より解雇予告除外の認定を受けた

2.対象者が労働基準法第21条に該当する

 
 
少なくとも30日前に解雇の予告を行なう

 

  解雇予告手当(30日分以上の平均賃金)を支払う  
 
 
予告期間満了日をもって解雇   即時解雇

著者: 佐藤 大輔(社会保険労務士法人坂井事務所、特定社会保険労務士・行政書士)

※記述内容は、2021年10月末現在の関係法令等に基づいています。