合意による労働契約の終了である「退職」とは異なり、労働契約の一方的な解除である「解雇」には、労働基準法上の制限がある。

また、解雇については、そもそも「その解雇が正当なものか（有効か）」という争いが生じることがある。

会社側が、「解雇を行なうに至った経過・理由は正当なものである」と認識していても、労働基準法上のルールを守らない場合は法令違反となる。

解雇は、正当な理由さえあれば誰にでも可能というわけではない。

労働基準法第19条は、解雇の制限について定めている。この制限の対象となっていれば、たとえ解雇の原因が従業員の側にあり、就業規則に基づいて懲戒解雇する場合であっても、解雇制限期間中は解雇できない。

解雇が制限されるのは、次の2つのケースである。


ケース1 ケース2 以上のほかにも、解雇が禁止されているケース（労働基準監督署への申告、育児介護休業の取得を理由とする解雇の禁止等）があることに留意しておく必要がある。