ビジネスわかったランド (会社行事)

祝賀記念

海外進出記念行事
<< 海外進出記念行事の目的 >>

海外進出記念行事は、新しく営業を開始する海外の拠点を、会社内外および地域関係者に広く告知し、メンバーの紹介、営業の内容、進出の目的、相手国の紹介などを行うものである。
新発足するメンバーの顔見せをし、意識を1つにし結束を固める機会でもある。とくに海外の場合、当該国の法規制をクリアするだけでなく、相手国の習慣等の相違に関わる問題点があり、双方の意識を1つにするためにも、大切な行事である。
この行事は、相手国に出向いて行う場合もあるし、海外から国内に相手先を招いて行う場合もある。また、いずれか一方で正式な行事を行い、他方において、形式的なセレモニーまたはレセプション等を行うこともある。

<< 事前準備 >>

事前準備の注意事項は次のとおり。

(1)規模、出席者の範囲等の決定
式典の規模は、一般的には会社の規模に比例する。しかし、この海外進出に社運をかけているような場合や、政情などの関係で厳粛にしなければならないような特殊な場合には、臨機応変に対応する。その他、予算、現在の社内状況なども式典規模の決定に際して大きな要因となる。
なお、招待客の出欠席は、案内をした時点で相手の判断に任せるのがよい。お世話になる、あるいはすでになっている各位に広く案内状を配付する。配付先の住所、氏名、所属、役職などをすべてリストアップしておくと、後々便利である。

(2)案内状・招待状配付先リスト
●自社関係者……案内状
□幹部役員
□進出先事業所全職員
□関連子会社役員
●進出先関係者……招待状
□進出先関連会社役員
□進出先地域の主要人物(市長、知事等)
□進出先国在日大使館員
●取引関係者……招待状
□代理店、販売店等
●その他……案内状
□マスコミ関係者等

(3)招待状の発送
招待状は、少なくとも1か月前までに先方に到着するように発送する。宛名はトップ名とする(例:○○社長殿、○○支店長殿)。
記念式典後、パーティーを行う場合は、そちらの出席も予定願いたい旨を招待状に記載するとともに、出欠をうかがう。全体の終了予定時刻も付記しておくと親切である。できれば、出席人数の確認のため、2週間前までに返信をお願いするとよい。

なお、万が一のために、返信用のはがきに招待状送付先番号と同じ通しナンバーを記しておくと、先方が記入を忘れても照合できるので便利である。

<< 当日の運営 >>

(1)式次第
式次第は、式典と懇親パーティーのものをそれぞれ作成する。
イ.式典式次第モデル
・開会の辞……司会者(海外新事業所総務担当等)
・挨拶……本社役員
・挨拶(新事業所紹介)……新事業所責任者
・記念品贈呈……本社役員
・祝辞……来賓代表
・閉会の辞……司会者
ロ.懇親パーティー式次第モデル
・開会の辞
・社長挨拶
・来賓祝辞1
・乾杯
・祝宴
・来賓挨拶2(祝電披露)
・アトラクション
・閉会の辞

(2)会場レイアウトの注意
イ.国旗を掲げるときには、日章旗と進出先の外国旗とを併掲すること。日章旗と外国旗を併掲する場合は、「旗の寸法」と「旗竿の高さ」は必ず同一にする。
国旗を掲げる位置であるが、壁に吊るす場合、旗竿に吊るす場合などの形式を問わず、外国旗は日章旗に対して必ず上位の位置に掲揚する。上位の位置とは向かって左側である。したがって外国旗が向かって左側、日章旗が向かって右側になる。
ロ.社旗を掲げる場合には、国旗より小さくする。
ハ.会場には会場係を何人か置いて、連絡などがスムーズに行えるようにする。
ニ.席順は招待客を前方に、自社社員をその後ろにというように分ける。
記念式典のレイアウトモデル

懇親会のレイアウトモデル(立食式)


著者
橋口 寿人(経営評論家)