ビジネスわかったランド (会社行事)

定例行事

新年会
新年会 


<< 新年会の目的 >>

イ.新年を迎え、全社員が気分を一新して仕事に打ち込むためのセレモニーである。
ロ.社長の年頭所信表明があり、全社員がそれを理解し、組織としての意思の統一と団結を図る。
ハ.社員同士が新たな気分で仕事にかかれるよう、厳粛であると同時に和気あいあいとした雰囲気をつくる。

<< 事前準備 >>

(1)準備委員会の設置
新年会を会社行事として全社員を集めて行う場合でも、職場内で内輪に行う場合でも、前もって新年会の企画・準備・運営を担当するスタッフを選ぶ必要がある。
通常は、総務課員が中心になるだろうが、社員から選んでチームを組んで行ってもよい。また、女性社員の希望を取り入れるために女性が加わることが望ましい。

(2)内容の検討と決定
イ.コンセプトの決定
社外から来賓を招き会社行事として催されるのか、そのときでもポイントは社外にアピールする点にあるのか、社内に向けてのものなのか、その会の性質について詳しく検討する必要がある。
また、社内で内輪にやるといっても、職場ごとか、どういう単位でやるかなど検討すべきである。
ロ.会場の決定
会の性質からどういう会場がよいかが決まる。会社にどれだけの施設やスペースがあるかによって違うが、全社的規模になれば社内で催すのは稀であろう。
ホテルの大ホールから結婚式場、レストラン、他社の施設まで、その会の性質・規模・予算からみて最も適切なものを選ぶ。
ハ.開会の日取り・時間の決定
ニ.スタイルの決定
パーティー形式か宴会スタイルかなど、その規模と性質によって選択する。
ホ.式次第の決定

(3)スケジュール表の作成と業務分担
次に開催当日までの業務分担を決め、スケジュール表を作成して、いよいよ具体的な準備にかかる。
スケジュール表のモデルは以下のとおりである。
新年会準備スケジュール表モデル


(4)予算設定のポイントと予算表
普通、社員から会費は取らず、会社の福利厚生費から支出されることが多い。その点からもしっかりした予算案をつくらなければならない。
あらかじめ予算の枠があるときと、そうでないときとは違うが、まずどうしても必要な経費を算出し、予算を計上する。予算には多少余裕をもたせるのがポイントである。

(5)関係者への連絡等とモデル案内文
全社員が集まる場合でも、職場内で内輪に行うにしても、全員に前年中に届くように案内文を作成する。そのとき社外の来賓がある場合には案内状は特別に用意し、早めに送付しておくこと。
とくに年末に送付することが予想されるが、この時期は郵便事情が悪く、平常時に比べ相手先に届くのに時間がかかる。社外の重要な得意先等を招待する場合、この点を十分念頭に入れておくべきである。
また、新年会は全社をあげて行うことが多いので、対外的に案内状を送る場合の発信人は、社長名で出すのがよい。 


<< 当日の運営 >>

当日の運営に当たっては、新年会の進行のみに眼が奪われて、その前後に問題が発生しないようにしなければならない。
スタッフの集合時間、準備の手順、来賓との連絡・確認、新年会の開始時刻・式次第の確認、終了時刻の確認、後始末までスケジュール表をつくり、スタッフ以外の関係者にも渡しておく。

(1)式次第と宴席モデル
新年会は通常、以下のような手順に沿って進められることが多い。
イ.会社行事として全社的に行う場合の一般的な式次第 
・開宴の挨拶(司会者)
・来賓挨拶
・社長挨拶
・乾杯(会社役員)
・開宴・余興
・福引
・閉宴の挨拶
ロ.宴席モデル 
会場の正面に「新年会」という大きな旗または幕を掲げ、挨拶や余興のためのステージをつくる。新年にふさわしく国旗と社旗を飾る。

(2)役員の席次
社長・副社長は、次のレイアウトモデルのように演台に向かって左側、役員クラスは右側の演台に近いテーブルに着くのが一般的である。
別の方法としては、役員クラス以上の者に限り、演台の両脇に席を設置するという形をとってもよい。この場合は、演台に最も近い席に最上級職者(会長、社長)が座ることになる。
新年会レイアウトモデル


(3)式、宴席の運営チェックリスト
担当スタッフは細かく職務分担を決め、分担別のチェックリストをつくり、モレがないかチェックしなければならない。
□宴席、音響設備、飾付け、式次第、新年会の看板は大丈夫か(会場係)
□社外からの賓客の到着・案内手順は万全か(案内係)
□名簿のチェック、賓客の胸につけるプレートは手配済みか(受付係)
□コートなど洋服を預かる場合のハンガーは数に余裕があるか(手荷物係)
□駐車場の手配や整理、タクシーやハイヤーの世話は万全か(車両係) 
□時間の管理や式次第は、たとえホテルなどの専門会場で行いその必要がない場合でも、監督するようにすること(司会進行係)

<< 後始末とフォローアップ >>

新年会に限ったことではないが、行事が無事終わったあと、後始末をきちんとすることはむずかしいことである。しかしながら、年の初めに行われる行事であり、引き続いての業務に支障がないように、きちんとけじめをつけて片付けるべきである。
ここでも、後始末としてやらなければならないことをチェックしておこう。
□忘れものの注意・管理、会場の清掃、借りた物の返却(会場が自社内の場合)
□受付の名簿・書類等の整理
□金銭の集計管理

<< 支出費用の経理処理と税務取扱い >>

イ.行事の終了したあと、金銭の集計を行い、総費用の報告書を作成する。
ロ.新年会にかかった費用については、税法上、従業員に大体一律に供与される通常の飲食に要する範囲の費用は、福利厚生費として扱われる。
ハ.社外の来賓を招いた場合の費用は、交際費となる。これらのことは節税のために大事なことであるので、税理士に事前に相談する必要がある。

著者
橋口 寿人(経営評論家)