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安全衛生・環境
ストレスチェック制度実施規程
ストレスチェック制度実施規程
第1条(規程の目的)本規程は、ストレスチェック及び面接指導の結果に基づき会社が講ずべき措置が適切かつ有効に実施されるために、その具体的な実施方法又は面接指導の結果についての医師からの意見の聴取、就業上の措置の決定、健康情報の適正な取扱い並びに従業員に対する不利益な取扱いの禁止等について定めたものである。第2条(ストレスチェック制度の目的)会社は、1年に1回、従業員のストレスの状況について検査を行い、本人にその結果を通知して自らのストレスの状況について気付きを促し、従業員のストレス低減を図るものとする。また、ストレスチェック制度は、ストレスの高い者を早期に発見し、医師による面接指導につなげることで、従業員のメンタルヘルス不調を未然に防止することを目的とする。
第3条(実施対象者)本規程に定めるストレスチェック及び面接指導の対象者は、一般健康診断の受診対象者と同様とする。
第4条(実施体制)会社は、ストレスチェックの実施に当たって実施計画を策定し、事業場の産業医等をストレスチェックの実施者に指名して実施体制を整備しなければならない。また、実施計画に基づく実施の管理等の実務を担当する実施事務従事者を指名することができる。 2.会社が実施事務従事者を指名した場合、実施者は実施事務従事者に対し、調査票の回収、集計若しくは入力又はストレスチェックを受検した従業員(以下「受検者」という。)との連絡調整等の実施の事務を指示することができる。
第5条(ストレスチェック・面接指導の定義)ストレスチェックは、調査票を用いて、労働安全衛生規則第52条の9第1項第1号から第3号までに規定する3つの領域に関する項目により検査を行い、従業員のストレスの程度を点数化して評価するとともに、その評価結果を踏まえて高ストレス者を選定し、医師による面接指導の要否を確認するものをいう。 一 職場における当該従業員の心理的な負担の原因に関する項目
二 心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目
三 職場における他の従業員による当該従業員への支援に関する項目2.面接指導とは、前項に規定する高ストレス者に対し、会社が指名する医師等により、ストレス要因に関する聴取および助言を行うものをいう。
第6条(ストレスチェックの調査票)ストレスチェックに用いる調査票は、前条に規定する3つの領域が含まれているものであれば、実施者の意見及び衛生委員会等での調査審議を踏まえて、会社の判断により選択することができる。
第7条(個人のストレスの程度の評価方法)会社は、ストレスチェックに基づくストレスの程度の評価を実施者に行わせるにあたっては、点数化した評価結果を数値で示すだけでなく、ストレスの状況をレーダーチャート等の図表で分かりやすく示す方法により行わせるよう努める。
第8条(高ストレス者の選定方法)会社は、次の(1)又は(2)のいずれかの要件を満たす者を高ストレス者として選定するものとする。この場合において、具体的な選定基準は、実施者の意見及び衛生委員会等での調査審議を踏まえて、会社が決定する。 一 調査票のうち、「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が高い者 二 調査票のうち、「心理的な負担による心身の自覚症状に関する項目」の評価点数の合計が一定以上の者であって、かつ、「職場における当該労働者の心理的な負担の原因に関する項目」及び「職場における他の労働者による当該労働者への支援に関する項目」の評価点数の合計が著しく高い者2.実施者による具体的な高ストレス者の選定は、前項の選定基準のみで選定する方法のほか、選定基準に加えて補足的に実施者又は実施者の指名及び指示のもとにその他の医師、保健師、看護師若しくは精神保健福祉士又は産業カウンセラー若しくは臨床心理士等の心理職が従業員に面談を行い、その結果を参考として選定する。
第9条(健康診断と同時に実施する場合の留意事項)会社は、ストレスチェック及び労働安全衛生法第66条第1項の規定による健康診断の自覚症状及び他覚症状の有無の検査(以下「問診」という。)を同時に実施することができるものとする。ただし、この場合において、会社は、ストレスチェックの調査票及び健康診断の問診票を区別する等、従業員が受検・受診義務の有無及び結果の取扱いがそれぞれ異なることを認識できるよう必要な措置を講じなければならない。
第10条(実施者の役割)会社は、ストレスチェックの実施にあたって、当該事業場におけるストレスチェックの調査票の選定並びに当該調査票に基づくストレスの程度の評価方法及び高ストレス者の選定基準の決定について会社に対して専門的な見地から意見を述べるとともに、ストレスチェックの結果に基づき、当該従業員が医師による面接指導を受ける必要があるか否かを確認しなければならない。
第11条(実施事務従事者の範囲と留意事項)受検者について解雇、昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある者は、ストレスチェックの実施の事務に従事してはならない。 2.会社が、従業員の解雇、昇進又は異動の人事を担当する従業員(当該従業員の解雇、昇進又は異動に直接の権限を持つ監督的地位にある者を除く。)をストレスチェックの実施の事務に従事させる場合には、次に掲げる事項を当該職員に周知させなければならない。 一 ストレスチェックの実施事務従事者には労働安全衛生法第104条の規定に基づき秘密の保持義務が課されること 二 ストレスチェックの実施の事務は実施者の指示により行うものであり、実施の事務に関与していない所属部署の上司等の指示を受けてストレスチェックの実施の事務に従事することによって知り得た従業員の秘密を漏らしたりしてはならないこと 三 ストレスチェックの実施の事務に従事したことによって知り得た従業員の秘密を、自らの所属部署の業務等のうちストレスチェックの実施の事務とは関係しない業務に利用してはならないこと
第12条(受検の勧奨)会社は、実施者から受検者のリストを入手する等の方法により、従業員の受検の有無を把握し、ストレスチェックを受けていない従業員に対して、ストレスチェックの受検を勧奨することができる。 2.前項の場合において、実施者は、受検者のリスト等従業員の受検の有無の情報を会社に提供するに当たって、従業員の同意を得る必要はない。
第13条(ストレスチェック結果の通知方法)会社は、ストレスチェック結果について、実施者から従業員に遅滞なく直接通知されるようにしなければならない。この場合において、会社は、ストレスチェック結果のほか、次に掲げる事項を通知することができる。 一 従業員によるセルフケアに関する助言・指導 二 面接指導の対象者にあっては、会社への面接指導の申出窓口および申出方法 三 面接指導の申出窓口以外のストレスチェック結果について相談できる窓口に関する情報提供
第14条(ストレスチェック結果の通知後の対応)ストレスチェックの結果、高ストレス者として選定され、面接指導を受ける必要があると実施者が認めた従業員のうち、面接指導の申出を行わない従業員に対しては、実施者が、申出の勧奨を行うことができる。 2.会社は、ストレスチェック結果の通知を受けた従業員に対して、日常的な活動の中で当該事業場の産業医等が相談対応を行うほか、産業医等と連携しつつ、保健師、看護師若しくは精神保健福祉士又は産業カウンセラー若しくは臨床心理士等の心理職が相談対応を行う体制を整備するよう努める。
第15条(ストレスチェック結果の記録及び保存)ストレスチェック結果の提供について、従業員から同意を得て、実施者からその結果の提供を受けた場合は、会社は、当該ストレスチェックの結果の記録を作成して、これを5年間保存しなければならない。 2.従業員の同意が得られていない場合には、会社は、実施者によるストレスチェック結果の記録の作成及び当該実施者を含む実施事務従事者による当該記録の保存が適切に行われるよう、記録の保存場所の指定、保存期間の設定及びセキュリティの確保等必要な措置を講じなければならない。この場合において、ストレスチェック結果の記録の保存については、実施者がこれを行う。 3.実施者又は実施者以外の実施事務従事者が記録の保存を行うに当たっては、5年間保存する。 4.ストレスチェック結果の記録の保存方法には、書面による保存及び電磁的記録による保存があり、書面による保存を行う場合には、鍵付き書庫等適切な保存を行う。また、電磁的記録による保存を行う場合は、厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令(平成17年厚生労働省令第44号)に基づき適切な保存を行う。
第16条(面接指導対象者の要件及び確認方法)会社は、第8条に掲げる方法により高ストレス者として選定された者であって、面接指導を受ける必要があると実施者が認めた者に対して、従業員からの申出に応じて医師による面接指導を実施しなければならない。 2.会社は、従業員から面接指導の申出があったときは、当該従業員が面接指導の対象となる者かどうかを確認するため、当該従業員からストレスチェック結果を提出させる方法のほか、実施者に当該従業員における要件該当の有無を確認させる方法によることができる。
第17条(面接指導の実施方法)面接指導を実施する医師は、面接指導において次に掲げる事項について確認する。 一 当該従業員の勤務の状況(職場における当該従業員の心理的な負担の原因及び職場における他の従業員による当該従業員への支援の状況を含む。) 二 当該従業員の心理的な負担の状況 三 第二号のほか、当該従業員の心身の状況 2.会社は、当該従業員の勤務の状況及び職場環境等を勘案した適切な面接指導が行われるよう、あらかじめ、面接指導を実施する医師に対して当該従業員に関する労働時間、労働密度、深夜業の回数及び時間数、作業態様並びに作業負荷の状況等の勤務の状況並びに職場環境等に関する情報を提供する。
第18条(面接指導の結果についての医師からの意見の聴取)会社が医師から必要な措置についての意見を聴くに当たっては、次に掲げる事項を含むものとする。 一 下表に基づく就業区分及びその内容に関する医師の判断
就業区分 | 就業上の措置の内容 | |
区分 | 内容 | |
通常勤務 | 通常の勤務でよいもの | ― |
就業制限 | 勤務に制限を加える必要のあるもの | メンタルヘルス不調を未然に防止するため、以下の措置を講ずる。 ・労働時間の短縮 ・出張の制限 ・時間外労働の制限 ・労働負荷の制限 ・作業の転換 ・就業場所の変更 ・深夜業の回数の減少又は昼間勤務への転換等 |
要休業 | 勤務を休む必要のあるもの | 療養等のため、休暇又は休職等により、一定期間勤務させない措置を講じる。 |
第19条(就業上の措置の決定及び実施)会社が従業員に対して面接指導の結果に基づく就業上の措置を決定する場合には、あらかじめ当該従業員の意見を聴き、十分な話し合いを通じてその従業員の了解が得られるよう努める。この場合、会社は従業員に対する不利益な取扱いにつながらないよう留意しなければならない。 2.従業員の意見を聴くに当たっては、必要に応じて、当該事業場の産業医等の同席の下に行うよう配慮するものとする。 3.会社は、就業上の措置を実施し、又は当該措置の変更若しくは解除をしようとするに当たっては、当該事業場の産業医等と他の産業保健スタッフとの連携はもちろんのこと、当該事業場の健康管理部門及び人事労務管理部門との連携にも十分留意する。 4.会社は、就業上の措置の実施に当たっては、プライバシーに配慮しつつ、当該管理監督者に対し、就業上の措置の目的及び内容等について理解が得られるよう必要な説明を行うよう努める。5.会社は、就業上の措置を講じた後、ストレス状態の改善が見られた場合には、当該事業場の産業医等の意見を聴いた上で、通常の勤務に戻す等適切な措置を講ずる。
第20条(結果の記録及び保存)会社は、面接指導の結果に基づき、次に掲げる事項を記載した記録を作成し、これを5年間保存しなければならない。なお、面接指導結果の記録の保存について、電磁的記録による保存を行う場合は、第15条第4項の電磁的記録による保存を行う場合の取扱いと同様とする。 一 面接指導の実施年月日
二 当該従業員の氏名
三 面接指導を行った医師の氏名
四 当該従業員の勤務の状況
五 当該従業員の心理的な負担の状況
六 その他の当該従業員の心身の状況
七 当該従業員の健康を保持するために必要な措置についての医師の意見
第21条(不利益な取扱いの禁止)会社は、ストレスチェック及び面接指導において把握した従業員の健康情報等に基づき、当該従業員の健康の確保に必要な範囲を超えて、当該従業員に対して不利益な取扱いを行うことはあってはならない。このため、会社は、次に定めるところにより、従業員の不利益な取扱いを防止しなければならない。 一 会社は、従業員が面接指導の申出をしたことを理由とした不利益な取扱いをしてはならない。 二 会社は、ストレスチェック結果のみを理由とした不利益な取扱いを行ってはならない。 三 会社は、ストレスチェックを受けない従業員に対して、これを理由とした不利益な取扱いを行ってはならない。 四 会社は、ストレスチェック結果を会社に提供することに同意しない従業員に対して、これを理由とした不利益な取扱いを行ってはならない。 五 会社は、面接指導の要件を満たしているにもかかわらず、面接指導の申出を行わない従業員に対して、これを理由とした不利益な取扱いを行ってはならない。 六 会社は、措置の実施に当たり、医師による面接指導を行うこと又は面接指導結果に基づく必要な措置について医師の意見を聴取すること等の法令上求められる手順に従わず、不利益な取扱いを行ってはならない。 七 会社は、面接指導結果に基づく措置の実施に当たり、医師の意見とはその内容・程度が著しく異なる等医師の意見を勘案し必要と認められる範囲内となっていないもの又は従業員の実情が考慮されていないもの等の法令上求められる要件を満たさない内容の不利益な取扱いは行ってはならない。 八 会社は、面接指導の結果を理由として、以下のことは行わない。
(1)解雇すること
(2)期間を定めて雇用される者について契約の更新をしないこと
(3)退職勧奨を行うこと
(4)不当な動機・目的をもってなされたと判断されるような配置転換又は職位(役職)の変更を命じること
(5)その他の労働契約法等の労働関係法令に違反する措置を講じること
(2)期間を定めて雇用される者について契約の更新をしないこと
(3)退職勧奨を行うこと
(4)不当な動機・目的をもってなされたと判断されるような配置転換又は職位(役職)の変更を命じること
(5)その他の労働契約法等の労働関係法令に違反する措置を講じること
第22条(健康情報の保護)会社は、ストレスチェック制度において、実施者が従業員のストレスの状況を正確に把握し、メンタルヘルス不調の防止及び職場環境の改善につなげるため、従業員の健康情報の保護を適切に行わなければならない。
第23条(ストレスチェック結果の従業員への通知に当たっての留意事項)会社は、実施者にストレスチェック結果を従業員に通知させるに当たっては、封書又は電子メール等で当該従業員に直接通知させる等、結果を当該従業員以外が把握できない方法で通知させるものとする。
第24 条(ストレスチェック結果の会社への提供に当たっての留意事項)会社は、ストレスチェックの実施前又は実施時にストレスチェック結果の会社への提供について従業員の同意を取得してはならず、ストレスチェックの実施後にストレスチェック結果の会社への提供について同意を取得する場合は次に掲げるいずれかの方法によるものとする。ただし、会社は、従業員に対して同意を強要する行為又は強要しているとみなされるような行為を行わない。 一 ストレスチェックを受けた従業員に対して当該ストレスチェックの結果を通知した後に、会社、実施者又はその他の実施事務従事者が、ストレスチェックを受けた従業員に対して、個別に同意の有無を確認する方法。 二 ストレスチェックを受けた従業員に対して当該ストレスチェックの結果を通知した後に、実施者又はその他の実施事務従事者が、高ストレス者として選定され、面接指導を受ける必要があると実施者が認めた従業員に対して、当該従業員が面接指導の対象であることを他の従業員に把握されないような方法で、個別に同意の有無を確認する方法。 2.ストレスチェックを受けた従業員が、会社に対して面接指導の申出を行った場合には、その申出をもってストレスチェック結果の会社への提供に同意がなされたものとみなす。 3.会社へのストレスチェック結果の提供について従業員の同意が得られた場合には、実施者は、会社に対して当該従業員に通知する情報と同じ範囲内の情報についてストレスチェック結果を提供することができる。 4.衛生委員会等で調査審議した上で、ストレスチェック結果そのものではなく、当該従業員が高ストレス者として選定され、面接指導を受ける必要があると実施者が認めた旨の情報のみを会社に提供する場合にも、第1項第一号又は第二号のいずれかの方法により、従業員の同意を取得しなければならない。 5.会社が外部機関にストレスチェックの実施の全部を委託する場合(当該事業場の産業医等が共同実施者とならない場合に限る。)には、当該外部機関の実施者及びその他の実施事務従事者以外の者は、当該従業員の同意なく、ストレスチェック結果を把握してはならない。 6.前項において、当該外部機関の実施者が、ストレスチェック結果を委託元の会社の事業場の産業医等に限定して提供する場合にも、緊急に対応を要する場合等特別の事情がない限り、当該従業員の同意を取得しなければならない。 7.会社は、本人の同意により会社に提供されたストレスチェック結果を、当該従業員の健康確保のための就業上の措置に必要な範囲を超えて、当該従業員の上司又は同僚等に共有してはならない。
第25条(面接指導結果の会社への提供に当たっての留意事項)面接指導を実施した医師は、面接指導結果に関する情報を会社に提供するに当たっては、必要に応じて情報を適切に加工することにより、当該従業員の健康を確保するための就業上の措置を実施するため必要な情報に限定して提供しなければならない。 2.会社の産業医等ではなく、外部の医師が面接指導を実施した場合、当該医師は、当該従業員の健康を確保するために必要な範囲で、当該従業員の同意を取得した上で、当該会社の産業医等に対して生データ又は詳細な医学的情報を提供することができる。
付則
この規程は、 年 月 日から施行する。