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ポイント解説

給与

退職年金支給規程

退職年金支給規程

第1条(目的)

この規程は、就業規則第○条に基づき、社員の退職金について定めたものである。会社は、社員の勤務期間における職責、会社への貢献度等を勘案し、社員の功労を報いること、および老後の生活の安定を図ることを目的とする。

第2条(年金契約)

前条の退職金の支給を確実にするため、会社は確定給付企業年金規約(以下、年金規約という)に基づき○○生命保険株式会社(以下、保険会社という)と規約型企業年金契約(以下、年金契約という)を締結するものとする。

2.退職金の給付、掛金、加入資格、退職金制度運営などに関して、この規程に定めがない事項については前項の年金規約に基づくものとする。

第3条(支給対象者)

この規程は、就業規則第○条の正社員(以下「社員」という)に適用し、契約社員、嘱託社員、パート・アルバイトには適用しない。

2.勤続3年以上の社員が退職または死亡した場合に退職金を支給する。

3.原則として退職者本人に支給し、本人が死亡した場合は、その遺族に支給する。

4.本人が死亡したときに退職金を受ける遺族の範囲および順位は、労働基準法施行規則第○条から第○条までに定めるところによる。

第4条(加入資格)

新たに雇い入れられた社員については、雇い入れ日から3年を経過した日の翌月に年金契約の加入資格を取得する。ただし、定年までの勤務期間が3年に満たない者は加入者としない。

第5条(掛金)

年金契約の持分付与額(掛金)の月額は、別表1のとおりとする。

2.昇格等により区分が変わった月については、区分変更後の役職を適用することとする

3.会社は、次の各号に該当する期間中の各月において、不就業日がその歴月の所定労働日数の2分の1を超えるときは、保険会社にその月分の掛金を納付しない。

①就業規則第○条に規定する休職期間
②就業規則第○条に規定する産前・産後休業、育児・介護休業期間
③その他自己都合による欠勤の期間

第6条(仮想個人勘定残高)

第2条の年金規約に基づき、持分付与額と利息付与額の累計額を各社員の仮想個人勘定残高とする。

第7条(退職年金の受給資格)

年金契約の加入者が定年に達し、かつ年金契約の加入期間が20年以上の者は、退職金を一時金に替えて年金で受け取ることができる。

第8条(退職金の種類)

この制度における退職金は、退職事由ごとに定年退職金、死亡退職金、会社都合退職一時金、自己都合退職一時金とする。

第9条(退職金額)

退職時(年金契約の加入者資格を喪失したとき)における仮想個人勘定残高は、第6条の仮想個人勘定残高に退職事由係数を乗じた額とし、これを退職金の額とする。

2.退職事由係数は、定年退職、死亡退職および会社都合退職を1(満額)とし、自己都合退職は勤続年数に応じて別表2の通りとする。

3.この規程でいう会社都合退職とは、次の各号に該当する事由をいう。

①役員就任により退職するとき

②就業規則第○条に定める整理解雇に該当するとき

③会社からの退職勧奨を受けて退職するとき

④社員が業務上の負傷または傷病が原因で、就業が困難となり退職するとき。ただし、通勤災害によるものを除く。

第10条(勤続年数の計算方法)
勤続年数は、入社の日から起算し、退職または死亡の日までとして、暦日により計算する。ただし、次の各号に該当する期間は勤続年数に算入しない。

①臨時に雇用されていた期間

②出向等会社都合以外の休職期間

③懲戒による出勤停止期間

④契約社員、パート・アルバイトから正社員に転換した場合の転換前の期間

2.勤続年数の計算に1年未満の端数がある場合は、6か月未満の月数は切り捨て、6か月以上の月数は1年に切り上げる。

3.入社月または退職月等、1か月に満たない端数がある場合は、1か月に切り上げて計算する。

第11条(退職年金の支給期間)

定年退職金を受け取る権利を有し、かつ年金契約の加入者期間が20年以上の者は、退職金を一時金に替えて年金で受け取ることができる。

2.年金は10年確定年金とし、定年に到達した日の属する月の翌月から権利が消滅した日の属する月まで受け取ることができる。

3.年金月額は、定年に到達した日の属する月の翌月における仮想個人勘定残高を年金規約に定められた率(10年確定年金の原価率)で除して得た額とする。

4.支給期間中に本人が死亡した場合は、残余の支給期間中その遺族に継続して年金を支給する。ただし、遺族より申し出があれば、残余期間に支給すべき年金に代えて、その現価相当額を一時に支給する。この場合の一時金は申出後1か月以内に支給する。

第12条(一時払いの特例)
年金受給資格者が次に掲げる事情に該当し、年金の一時払いを申し出て会社が適当と認めた場合には年金の支給に代えて一時金を支給する。

①災害
②重疾病または死亡
③住宅の取得
④子女の教育、結婚
⑤債務の返済
⑥その他前各号に準ずる場合

2.一時払いの申し出は退職時になすことを要する。ただし、前項第1号または第2号に該当する場合は支給期間の途中においても申し出ることができる。

3.一時金額は支給期間よりすでに年金を支払った期間を控除した期間に対する年金現価相当額とする。

第13条(年金の支給方法)

年金は年4回、毎年2月、5月、8月、11月の各月20日にそれぞれ前月までの分をまとめて支給する。年金の第1回支給日は退職日の属する月の翌月以降最初に到来する支給日とする。

第14条(功労加算)

在職中に、特に功労があったと認められた社員については、保険会社から支払われる退職金の他に特別功労金を加算して支給することがある。支給額は、その都度功労の程度を勘案して決定する。

第15条(届出の義務)
この規程における受給資格者および受給者は次の各号に定める書類を会社に提出し、かつ会社から照会のあった事項について、回答しなければならない。

①印鑑証明書
②住所についての届出
③受領方法についての届出
④所得税法に定める必要な申告書
⑤その他会社が必要と認める書類

2.前項により届出または回答を行なった書類について変更があったときは、すみやかに会社に届け出なければならない。

3.年金受給資格者または受給者が死亡したときは、その遺族は死亡の事実を証明する書類を会社に届け出なければならない。

第16条(受給権の処分の禁止)

この規程により、給付を受ける権利は、これを譲渡し、または担保に供することはできない。

第17条(規程の改廃)

この規程は、関係諸法令の改正、社会情勢の変化、会社の業績等を考慮し、労使が協議したうえで改廃することがある。

第18条(附則)

この規程は   年  月  日より施行する。

別表1 役職別掛金月額
役職 掛金
部長 20,000円
次長 16,000円
課長 12,000円
係長 10,000円
一般社員(勤続5年以上) 8,000円
一般社員(勤続5年未満) 6,000円
別表2 定年前自己都合退職時の勤続年数別退職事由係数
勤続年数 退職事由係数
3年未満
3年以上10年未満 0.5
10年以上20年未満 0.6
20年以上30年未満 0.75
30年以上 0.9
著者:社会保険労務士法人 和(なごみ)

※2022年5月現在の法令、ガイドライン等に基づいています