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ポイント解説

建物の賃貸借に関する契約書

貸室賃貸借契約書

収入印紙

貸室賃貸借契約書


  甲野太郎を賃貸人とし、乙山次郎を賃借人として、丙川三郎を連帯保証人として、各当事者間において次のとおり貸室賃貸借契約を締結した。
第1条 (目的物件)賃貸人は、その所有する下記貸室(以下「貸室」という。)を賃借人に賃貸し、賃借人は、これを賃借した。
   貸室の表示
  所    在
家屋番号
種    類
構    造
床 面 積
○○市○○町○丁目○番地
○番
共同住宅
木造スレート葺2階建
1階 ○○.○○平方メートル
2階 △△.△△平方メートル

この建物のことを甲野荘という。
甲野荘のうち、
2階南側東より1室目、201号室(約△△平方メートル)

第2条 (使用目的)賃借人は、貸室を住居としてのみ使用する。
第3条 (賃貸借期間)賃貸借の期間は、平成○年○月○日から平成○年○月○日までの○年間とする。
第4条 (賃料)賃料は、1か月金五万円也とし、賃借人は、毎月末日までに翌月分を賃貸人方に持参または送金して支払う。
2  賃料が、土地・建物の公租公課等の増額、土地・建物の価格の上昇その他の経済事情の変動および近隣の賃料との比較等により不相当となったときは、賃貸人は、契約期間中でも賃料の増額を請求することができる。
第5条 (管理費)賃借人は、前条の賃料のほかに1か月金参千円也の管理費を、毎月末日までに翌月分を賃貸人方に持参または送金して支払う。
第6条 (敷金)賃借人は、賃貸人に対し、敷金として金拾五万円也(賃料の3か月分)を預託した。
2  賃料が増額された場合、賃借人は、賃貸人に対し、増額後の賃料の3か月分に満ちるまで、敷金を追加して預託する。
3  敷金には利息をつけないものとし、賃借人が賃料・管理費・更新料・負担金または損害金等の支払いを怠ったときは、賃貸人は敷金をもって弁済に充当することができる。上記充当は、貸室の明渡しまでは賃貸人の任意とし、賃借人からこれを請求することはできない。
4  賃貸人は、賃貸借契約が終了し、賃借人から貸室の明渡しを受けたときは、明渡時における負担金の確定後、すみやかに前項の清算をした敷金の残金を賃借人に返還する。
第7条 (賃借人の費用負担)賃借人は、電気・ガス・水道・衛生費その他の費用を、甲野荘の他の賃借人と共同してこれを負担する。
2  前項の負担金は、賃貸人が相当と判断した方法によって各負担額を計算のうえ賃借人に通知する。賃借人は、負担額の計算について異議を述べることはできない。
3  前項の通知を受けたときは、賃借人は、7日以内にその負担金を賃貸人方に持参または送金して支払う。
4  賃借人およびその家族、使用人等の責に帰すべき事由による貸室および共同施設損壊等の修繕費は、賃借人の負担とする。
第8条 (賃貸人の費用負担)貸室および共同施設等の修繕費は、賃貸人の負担とする。
第9条 (禁止事項)賃借人は、次の場合、賃貸人の事前の書面による承諾を受けなければならない。
賃借権の全部または一部を、譲渡または転貸し、もしくは、家族以外の者を同居させる場合
貸室または共同施設に造作を加え、あるいは模様変えその他一切の工作をする場合
使用目的を変更する場合
第10条 (契約解除)賃借人が次の一つに該当した場合、賃貸人は、催告なくして直ちに本賃貸借契約を解除することができる。
3か月分以上賃料の支払いを怠った場合
賃料増額の場合の敷金不足額の預託を怠った場合
更新の場合の更新料の支払いを怠った場合
長期間不在となるなど賃貸借継続の意思が認められなくなった場合
貸室または共同施設等を著しく汚染し、もしくは、他の賃借人または近隣に迷惑を及ぼした場合
賃料・管理費・負担金の全部または一部の支払いを何度も遅延するなど、賃貸人との信頼関係を著しく破壊した場合
前条その他本賃貸借契約に違反した場合
第11条 (途中解約)契約期間中において、本賃貸借契約を解約するには、賃貸人においては6か月前に、賃借人においては3か月前に、それぞれ書面をもって予告しなければならない。
第12条 (当然の終了)貸室が、天災・火災その他の災害により通常の用に供することができなくなったとき、本賃貸借契約は、当然に終了する。
第13条 (明渡し)本賃貸借契約が、期間満了・解除・解約その他の事由により終了したときは、賃借人は賃貸人に対し、直ちに貸室を原状に復して明渡す。
2  明渡しに際して、賃借人は、賃貸人に対し、造作買取請求権を放棄し、かつ、立退料等一切の金銭上の請求をしない。
3  賃借人は、明渡後貸室内に残置した物品の所有権を放棄し、賃貸人が適宜処分することを認める。
第14条 (損害金)賃借人が、本賃貸借契約終了と同時に貸室を明渡さないときは、賃貸人は、賃借人に対し、本賃貸借契約終了の日の翌日から明渡済みまで、最終賃料の3倍額の損害金を請求することができる。
第15条 (更新)賃貸人または賃借人が、本賃貸借契約の更新をのぞまない場合は、賃貸借期間満了の6か月前までに、相手方に対し、書面で更新拒絶の通知をすることとし、この通知がない場合は、賃貸借契約は更新されたものとする。
2  賃貸借契約が更新されたときは、賃借人は、賃貸人に対し、直ちに更新前最終賃料の2か月分に相当する更新料を支払う。
3  更新後の賃貸借期間は、2年間とし、更新後の賃貸借期間満了時における更新も、前2項に定めたところによる。
4  更新拒絶の通知をしたが、それが認められずに更新された場合も、第2項および第3項に定めたところによる。
第16条 (連帯保証)連帯保証人は、本賃貸借契約に基づく賃借人の一切の債務を保証し、債務者とし連帯して履行の責任を負担する。
第17条 (合意管轄)本賃貸借契約に関する紛争については、賃貸人の居住地の地方裁判所を調停および第一審の管轄裁判所とする。
第18条 (公正証書の作成)賃借人および連帯保証人は、本賃貸借契約を強制執行認諾文言付公正証書とすることに同意し、公正証書作成のための委任状および印鑑証明書各1通を賃貸人に交付した。


  以上のとおり、貸室賃貸借契約が成立したので、これを証するため、本契約書を3通作成し、各当事者署名押印のうえ、各1通を所持する。


  平成△年△月△日

東京都○○市○○町○丁目○番○号
賃貸人   甲野 太郎 印
茨城県○○市○○町○丁目○番○号
賃借人   乙山 次郎 印
茨城県○○市○○町○丁目○番○号
連帯保証人  丙川 三郎 印



著者
水野賢一(弁護士)