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合併・営業譲渡に関する契約書

合併契約書(2)

収入
印紙

合併契約書

○○株式会社(以下「甲」という)および××株式会社(以下「乙」という)は、次のとおり合併契約を締結する。

第1条 (合併の方法)甲および乙は合併して、甲は存続し、乙は解散する。

第2条 (発行可能株式総数)甲は、乙の全株式を有するため、合併による新株発行は行わない。

第3条 (増加すべき資本金および準備金等)前条により、資本金の増加は行わない。

2 合併により増加する資本準備金、利益準備金および任意積立金その他の留保利益の額は次のとおりとする。

(1)資本準備金の額 会社法第445条第5項に基づき法務省令で定められた額。
(2)利益準備金の額 会社法第445条第5項に基づき法務省令で定められた額。 (3)任意積立金その他の留保利益の額 ○○○○円および乙が平成○年○月○日に終了する事業年度の剰余金の配当にもとづき加減する任意積立金の額および留保する利益の額。ただし、積立てるべき項目および金額は、甲が決定する。

第4条 (合併承認総会等)甲は、平成○年○月○日に株主総会(以下「合併承認総会」という)を開催し、合併契約の承認および合併に必要な事項に関する決議を求める。ただし、合併手続の進行に応じ、必要があるときは甲乙協議の上、これを変更することができる。

2 乙は、会社法第784条第1項の規定によって、合併契約の株主総会の承認を得ないで合併する。

第5条 (合併期日)合併期日は、平成○年○月○日とする。ただし、合併手続進行上の必要性その他の事由により、甲乙協議の上、これを変更することができる。

第6条 (会社財産の承継)乙は、平成○年○月○日現在の貸借対照表その他同日現在の計算を基礎とし、これに合併期日前日までの増減を加除した一切の資産および負債その他の権利義務を合併期日において甲に引き継ぐ。

2 乙は、平成○年○月○日から合併期日前日に至る間の資産および負債の変動につき、計算書を添付してその内容を甲に明示する。

第7条 (善管注意義務、報告、協議義務)甲および乙は、合併契約締結後合併期日に至るまで、善良なる管理者の注意をもってそれぞれの業務を執行し、かつ一切の財産の管理、運営を行い、その財産および権利義務に重大な影響をおよぼす行為については、互いに事前に協議の上、決定、実行する。

2 甲および乙は、平成○年○月○日現在の株主名簿に記載された株主または登録質権者に対し以下の金額を限度として剰余金の配当を行う。

(1)甲においては1株当り○○円、総額○○○○円
(2)乙においては1株当り○○円、総額○○○○円

第8条 (合併前の剰余金の配当)甲および乙は、合併契約締結後合併期日までの間に終了する営業期の剰余金の配当については従来の例にならって行い、剰余金の配当に関する議案の作成については甲乙の協議によって行う。

第9条 (従業員の承継)甲は、合併後において、乙の従業員を全員引継ぐものとする。

2 従業員に関する取扱いについては、別に甲乙協議の上これを定める。

第10条 (合併後の役員)合併に伴い新たに甲の取締役および監査役となるべき者については第4条の甲の合併承認総会において選任する。

2 前項により選任される取締役または監査役の任期の始期は合併期日とする。

第11条 (退職慰労金)甲は、乙の取締役または監査役のうち、合併後引き続き甲の取締役または監査役に選任されない者がある場合は、その者に対する退職慰労金を株主総会の承認を得て支給する。

第12条 (契約内容の変更及び解除)本契約締結後合併期日前日までの間において、天災地変その他の事由により、甲または乙の資産状態もしくは経営状態に重大な変動が生じたときは、甲乙協議の上、合併条件を変更しまたは本契約を解除することができる。

第13条 (本契約の効力)本契約は、第4条に定める甲の合併承認総会の承認が得られなかった場合、または法令に規定された関係官庁等の承認が得られないときは、効力を生じない。

第14条 (協議事項)本契約書に規定のない事項または本契約書の解釈に疑義が生じた事項については、甲乙誠意をもって協議の上、これを決定する。

本契約締結の成立を証するため、本契約書2通を作成し、甲乙それぞれ記名捺印の上、各1通ずつを保有する。

平成○年○月○日
 

東京都○○区○○町○丁目○番○号
甲     ○○株式会社
代表取締役 ○○○○ 印

東京都○○区○○町○丁目○番○号
乙     ××株式会社
代表取締役 ○○○○ 印

著者
北河 隆之(弁護士)