使える!ビジネス文書・文例集
公正証書
事実実験公正証書(弁済提供目撃公正証書)
事実実験公正証書
平成○○年○月○日、本職は○○○○(以下「甲」という)の嘱託により、○○県○○市○○町○丁目○番○号、○○○○(以下「乙」という)方に出張し、目撃事実を録取して、この証書を作成する。
甲は、乙所有の○○県○○市○○町○丁目○番○号○○マンション○号室を乙から賃借している。乙は、平成○○年○月○日、諸物価高騰を理由に翌月から賃料を月○万円から○万円へ値上げする旨を甲に対して通知した。賃料は、毎月末日までに翌月分を甲が乙方に持参して支払う定めとなっている。甲は、値上げを受け入れる意思はないため、乙に賃料の提供をしたうえで、乙が受け取らないときは、これを供託する旨を述べた。そして、甲が乙に対し弁済の提供をしたことに関し、後日の証拠のため、公正証書の作成を平成○○年○月○日、本職に嘱託した。本職は、甲とともに甲の案内により、平成○○年○月○日○時、乙方を訪問した。
甲は、「賃料の値上げの通知を受け取ったが、生活が厳しく値上げは受け入れられない。従前の金額を持ってきたので、来月分の賃料として受け取ってほしい」と述べ、家賃の入っている封筒を乙に差し出した。これに対し、乙は、「周辺の家賃相場が上昇しているので、甲の事情もあるだろうが、今回の値上げへはやむを得ないものであり、値上げ後の金額でなければ、お金を受け取ることができない」と述べた。甲は、「それでは、これは持ち帰り、今後のことについて検討する」と述べ、封筒をカバンに収め、乙方を同日○時、退去した。
以上の事実を公証人は現認した。
以上
本旨外要件
住 所 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
○○マンション○号室
職 業 会社員
嘱託人 ○○○○ 印
昭和○○年○月○日生
上記の者は運転免許証を提出させてその人違いでないことを証明させた。
上記の者に閲覧させたところ、各自その内容の正確なことを承認し、次に署名・押印する。
○○○○ 印
この証書は、平成○○年○月○日、本公証役場において作成し、次に署名・押印する。
○○県○○市○○町○丁目○番○号
○○法務局所属
公証人 ○○○○ 印
この正本は、平成○○年○月○日、甲の請求により本職の役場において作成した。
○○法務局所属
公証人 ○○○○ 印
著者
千賀修一(弁護士)