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公正証書

事実実験公正証書(株主総会議事に関する公正証書)

事実実験公正証書

 

本職は、平成○○年○月○日、○○○○(以下「甲」という)の嘱託により、○○県○○市○○町○○番○○企画株式会社会議室に出張し、その目撃事実を録取して、この証書を作成する。

甲は嘱託の趣旨として、平成○○年○月○日に本職役場を訪れ、「自分は上記住所に本店を有する○○企画株式会社の株主であり、代表取締役である。同社は、平成○○年○月○日○時に、社内会議室で臨時株主総会を開催することとなっており、所要事項は株主に通知済みであるが、議案は取締役○○○○(以下「乙」という)の解任である。ついては、この総会における議事の内容、決議の成立状況について、後日の紛議を防止し、証拠とするため、公正証書を作成いただきたい。会社の発行済株式は○株であり、株主は4名である。その所有株式数は甲○株、乙○株、丙野丙太○株、丁田丁一○株である。また、定款の定めにより、当該議案の議決は出席株主の議決権の過半数によることとなっている」旨を述べた。

本職は、株主総会開催日時に○○企画株式会社会議室に出張し、議事の進行を見聞した。

定刻になると、甲は、議長として臨時株主総会を開催する旨を宣言し、乙を除く全株主が出席しているため、定足数を超えており、総会が有効に成立していると述べた。甲は、議案である取締役乙の解任についての趣旨説明を開始し、「乙は、会社の金を着服し、会社に損害を与えたまま行方不明となっている。乙をこのまま取締役としておくことはできないため、解任したい。株主の皆様のご承認をいただきたい」と述べた。議場にいたともに50歳前後の男性株主2名は「承認」「異議なし」と発言した。甲は「満場一致により、本議案は可決された。本総会は○時○分に終了した」と述べた。

以上の事実を本職は見聞した。

以上

本旨外要件

住 所     ○○県○○市○○町○丁目○番○号

嘱託者     ○○企画株式会社

住 所     ○○県○○市○○町○丁目○番○号

上代表取締役  ○○○○ 印

          昭和○○年○月○日生

上記の者は運転免許証を提出させてその人違いでないことを証明させた。

上記の者に閲覧させたところ、各自その内容の正確なことを承認し、次に署名・押印する。

○○○○ 印

この証書は、平成○○年○月○日、本公証役場において作成し、次に署名・押印する。

○○県○○市○○町○丁目○番○号

○○法務局所属     

公証人  ○○○○ 印

 


 

この正本は、平成○○年○月○日、甲の請求により本職の役場において作成した。

○○法務局所属     

公証人  ○○○○ 印

 

著者
千賀修一(弁護士)