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公正証書
定期建物賃貸借契約公正証書
定期建物賃貸借契約公正証書
本公証人は、当事者の嘱託により、その法律行為に関する陳述の趣旨を録取し、この証書を作成する。
第1条(契約の趣旨)
賃貸人○○○○(以下「甲」という)は、賃借人○○○○(以下「乙」という)に対し、甲の所有する下記建物(以下「本件建物」という)を賃貸し、乙はこれを借り受けることとし、借地借家法第38条第1項に定める定期建物賃貸借契約をここに締結する。
記
建 物
所 在 ○○県○○市○○町○丁目○番地○
家屋番号 ○番○
種 類 ○○
構 造 ○○
床面積 ○○.○○平方m
第2条(期間)
賃貸借の期間は、平成○○年○月○日から平成○○年○月○日までの○年間とする。
2 本契約による賃貸借は、更新がなく、期間満了により終了するものであり、乙は期日に本件建物を明け渡すものとする。
3 乙は、契約期間中であっても、甲に対し、○か月前に書面により通知のうえ、本契約を解除することができる。
4 甲は、期間満了の1年前から6か月前までに、乙に対して契約終了の通知をしなければならない。
第3条(賃料及び共益費)
賃料は月額○万円、共益費は月額○万円とし、乙は毎月○日までに翌月分を甲方に持参又は送金して支払う。なお、振込手数料は乙の負担とする。
2 1か月に満たない期間の賃料及び共益費については、日割り計算によって支払う。なお、平成○○年○月分については、本契約締結と同時に支払う。
第4条(賃料の変更)
前条に定める賃料及び共益費が、不動産価格の変動、公租公課の増減、近隣家賃相場の変動等により不相当となったときは、甲及び乙は、契約期間内でもそれぞれ相手方に対し、賃料及び共益費の増額又は減額を請求することができる。
第5条(敷金)
乙は甲に対し、敷金として本契約締結と同時に金○万円を差し入れ、甲はこれを受領した。
2 乙は、甲に対する敷金を、賃料その他の債務と相殺することはできない。また、これを第三者に対する担保・質入れの目的物とはしないものとする。
第6条(公租公課の負担等)
本件建物に賦課される固定資産税等の租税公課は甲が負担し、電気・ガス・上下水道料金、町内会費等は、乙が負担する。乙は、退去時にはこれらの費用を精算のうえ、退去しなければならない。
第7条(損害保険)
乙は、乙の負担により、借家に関する損害賠償責任保険に加入しなければならない。
第8条(使用目的等)
乙は、本件建物を○○として使用し、ほかの目的のために使用してはならない。
2 本件建物の使用にあたり、乙は建物の保全、衛生等に注意して使用するとともに、風紀を害する行為、近隣の迷惑になる行為を行なわないこととする。
第9条(建物の修繕)
乙は、本件建物に修繕を要する箇所を発見したときは、直ちに甲に通知しなければならない。
2 本件建物の構造部分及び付属設備の修繕は、甲が甲の負担により行なう。ただし、乙の責めに帰すべき事由により、修繕を要することとなったときは、乙がその費用を負担する。
第10条(転貸借の禁止)
乙は、本件建物を転貸してはならず、本契約上の権利を譲渡してはならない。
第11条(造作の変更)
乙は、本件建物に造作を加え、あるいは模様替えその他の改装を行なうときは、事前に甲の書面による承諾を得なければならない。
2 乙は造作の買取りを甲に請求することはできない。
第12条(物件への立入り)
甲は、本件建物の保全、防災、防犯、救護その他管理上必要と認めたときは、乙の承諾を得て、本件建物内に立ち入ることができる。
2 前項の場合において、緊急を要するときは、甲は乙の事前の承諾を得ることなく、本件建物に立ち入ることができる。なお、この場合、甲は乙に対し、事後報告するものとする。
第13条(契約の消滅)
天災その他甲が責めを負わない事由により、本件建物が滅失等したときは、本契約は当然に終了する。
第14条(甲による解除)
乙が次の各号のいずれかに該当したときは、甲は催告をすることなく、直ちに本契約を解除し、本件建物の明渡しを乙に請求することができる。
(1) 賃料及び共益費の滞納が○か月分以上に達したとき
(2) 賃料及び共益費の滞納が常態化し、信頼関係が失われたとき
(3) 本件建物を○○の目的以外の目的のために使用したとき
(4) 本件建物を転貸し、本契約上の権利を譲渡し、又はこれらに準じる行為をしたとき
(5) ○か月以上の間、甲に連絡せずに不在であるとき
(6) 本件建物を故意、重過失により、損傷したとき
(7) 破産手続開始決定を受けたとき
(8) その他本契約に違反があったとき
第15条(原状復旧)
本契約が終了したときは、乙は、自己の所有物等を撤去し、本件建物を原状に復旧して、甲に引き渡すものとする。
2 乙が自らの所有物等を撤去せずに退去したときなどは、甲はそれらの遺留品を自由に処分することができるものとし、乙は損害賠償請求その他の異議を申し立てないものとする。
第16条(契約終了後の損害金)
本契約が終了しても、乙が本件建物を明け渡さないときは、契約終了日の翌日から明渡し日までの期間について、賃料の日割り額の○%に相当する金額を乙は甲に対し支払うものとする。
第17条(敷金の返還)
本契約が終了し、乙が本件建物を甲に引き渡したときは、甲は、敷金から延滞賃料その他乙が負担する一切の債務の全額を差し引いた金額を乙に返還する。なお、敷金には利息をつけないものとする。
2 乙の負担する債務の金額が敷金の金額を超えるときは、甲は乙に対し、その不足額を請求することができる。
第18条(連帯保証)
連帯保証人○○○○(以下「丙」という)は、乙が甲に対して負担する本契約上の一切の債務について保証し、乙と連帯して履行の責任を負う。
第19条(遅延損害金)
本契約から生ずる債務の支払いを乙が怠ったときは、当該債務の金額に対し、支払完了まで年利○%の割合により日割り計算した遅延損害金を甲に支払わなければならない。
第20条(強制執行認諾)
乙及び丙は本契約による金銭債務の履行をしないときは、直ちに強制執行に服する旨陳述した。
第21条(公証人費用)
本契約締結にあたり、公証人に支払う所要の費用については、甲乙は折半によりこれを負担する。
第22条(裁判管轄)
本契約に関する紛争については、○○裁判所を第一審の管轄裁判所とすることに合意した。
第23条(誠実協議)
本契約書に定めのない事項については、民法その他の法律や規則、不動産賃貸の一般的慣行に従い、甲乙誠意をもって協議し、解決に努めることとする。
以上
本旨外要件
住 所 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
職 業 会社員
賃貸人 ○○○○ 印
昭和○○年○月○日生
上記の者は印鑑証明書を提出させてその人違いでないことを証明させた。
住 所 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
職 業 会社員
賃借人 ○○○○ 印
昭和○○年○月○日生
上記の者は印鑑証明書を提出させてその人違いでないことを証明させた。
住 所 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
職 業 会社員
連帯保証人 ○○○○ 印
昭和○○年○月○日生
上記の者は印鑑証明書を提出させてその人違いでないことを証明させた。
上記列席者に閲覧させたところ、各自その内容の正確なことを承認し、次に署名・押印する。
○○○○ 印
○○○○ 印
○○○○ 印
この証書は、平成○○年○月○日、本公証役場において作成し、次に署名・押印する。
○○県○○市○○町○丁目○番○号
○○法務局所属
公証人 ○○○○ 印
この正本は、平成○○年○月○日、賃貸人○○○○の請求により本職の役場において作成した。
○○法務局所属
公証人 ○○○○ 印
著者
千賀修一(弁護士)