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公正証書
事実実験公正証書(尊厳死宣言書公正証書)
事実実験公正証書
本公証人は、尊厳死宣言者○○○○の嘱託により、平成○○年○月○日、その陳述内容が嘱託人の真意に基づくものであることを確認のうえ、宣言に関する陳述の趣旨を録取し、この証書を作成する。
第1条 私、○○○○は、将来病気又は事故などによって不治の状態になり、かつ、死期が迫っている場合に備えて、私の家族や治療に携わる方に以下のことを要望いたします。
(1) 疾病もしくは事故による状態が不治のものですでに死期が迫っていると、担当医を含む2名以上の医師により診断された場合には、死期を延ばすためだけの延命措置は一切行なわないでください。
(2) ただし、死に至るまでの苦痛を和らげるための措置の実施は最大限実施をお願いします。その苦痛緩和措置による副作用等によって私の死亡時期が早まることになったとしてもかまいません。
第2条 前条のような措置を私が望むのは、私の親族が末期がんで2か月間苦しみぬいて死んでいったのを目のあたりにしたためです。私はそのような措置を受けることは望まず、また同様に脳死状態で再起不能の場合にただ生きるためだけに管などを巻かれることも私の倫理観に反することであり、前条のような意思表明をするにいたりました。
第3条 私のこの意思表明、証書作成にあたっては以下の家族の了承を得ております。
妻 ○○○○ 昭和○○年○月○日生
子 ○○○○ 昭和○○年○月○日生
子 ○○○○ 平成○○年○月○日生
願わくば、第1条のような場合に陥ったときに家族と医師の方々が私の意思を汲んでいただき、人間として安らかな死を迎えることができるようご配慮ください。
第4条 私のこの宣言による要望を受け入れ、実施していただいた方に深く感謝いたします。そして、その方々が私の尊厳死を迎えたいということのためになされた行為の責任の一切は私にあります。
警察、検察の関係者におかれましては、これらの方々を犯罪捜査や刑事訴追の対象とすることのないよう切にお願い申し上げます。
第5条 この意思表明は、私の精神が完全に健在な状態にあるときにしたものです。したがって、私の精神が完全に健康である場合に撤回した場合を除いて、その効力は持続します。
以上
本旨外要件
住 所 ○○県○○市○○町○丁目○番○号
職 業 会社員
嘱託者 ○○○○ 印
昭和○○年○月○日生
上記の者は印鑑証明書を提出させてその人違いでないことを証明させた。
上記嘱託者に閲覧・読み聞かせたところ、筆記の正確なことを承認し、次に署名・押印する。
○○○○ 印
この証書は、平成○○年○月○日、本公証役場において作成し、次に署名・押印する。
○○県○○市○○町○丁目○番○号
○○法務局所属
公証人 ○○○○ 印
この正本は、平成○○年○月○日、嘱託者○○○○の請求により本職の役場において作成した。
○○法務局所属
公証人 ○○○○ 印
著者
千賀修一(弁護士)