使える!ビジネス文書・文例集

公正証書

リース契約公正証書

リース契約公正証書

 

本公証人は、当事者の嘱託により、その法律行為に関する陳述の趣旨を録取し、この証書を作成する。

 

第1条(契約の趣旨)

賃貸人○○リース株式会社(以下「甲」という)と賃借人○○株式会社(以下「乙」という)は、別紙物件目録記載(以下「本物件」という)の機器を甲が乙に対しリースし、乙はこれを借り受けた。

第2条(期間)

リースの期間は、物件の検収日から平成○○年○月○日までの○年間とする。

 乙は、リース期間が満了するまでは、本契約を解除することはできない。

第3条(リース料)

リース料は月額○万円とし、乙は平成○○年○月から平成○○年○月まで、毎月○日までに甲の指定する銀行口座に振込の方法により支払う。なお、振込手数料は乙の負担とする。

第4条(本物件の納入及び引渡し)

乙の指定する場所に、リース物件納入業者が、本物件の納入及び設置をする。

 乙は、本物件の設置完了後、別に定める検収期限までに、納入された本物件について検査を行なう。

 本物件の納入又は設置の遅延があったとき、又は本物件に瑕疵があったときなどは、乙は納入業者との間でこれを解決するものとする。これにより、前項に定める検収期限までに検査が終了しないときは、乙は甲にその旨、通知するものとする。

 前項の場合において、甲は乙に対し何らの責任を負わず、また乙は甲に対しリース料の減額、リース契約の解除等の申立てをすることはできないこととする。本物件の引渡し後に瑕疵が発見された場合も同様とする。

 乙は、第2項及び第3項に定める検査を終えたときは、速やかに物件受領証を甲に交付するものとし、このときをもって引渡しが完了したものとする。なお、甲への通知なく検収期限を過ぎたときは、検収期限をもって引渡しが完了したものとする。

 乙は、検査を終え、物件受領証を提出するまでは、検査以外の目的で物件を使用することはできない。

第5条(物件の使用、保守管理)

乙は本物件を本来の用法に従って使用する。

 乙は、本物件を所定の場所で使用し、これを移転してはならない。

 乙は、本物件の納入を受けたときから、物件を甲に返還するまでの間、善良な管理者の注意をもって本物件を管理する。

 物件の使用にあたり必要となる保守、整備、修繕は、乙が自らの費用により行なう。

 乙は、保守、整備、修繕にあたり、物件に付着させた機器、部品等の所有権を甲に対し主張しない。

 乙は、本物件について、保守、整備、修繕の程度を超える改造その他形状、規格、性能等の変更を行なってはならない。

 本物件の使用に関連して、乙又は第三者が損害を被ったときは、乙は、自己の責任と費用負担でこれを解決し、甲に何らの請求をしないものとする。

第6条(所有権の保全)

甲は、物件の点検確認のため、本物件の設置場所にいつでも立ち入ることができる。

 乙は、本物件が甲の所有物であることを示す表示を、リース期間中、本物件に貼付する。

 乙は、本契約に基づく権利を第三者に譲渡してはならず、また、本物件を第三者に売却、担保提供、転貸等してはならない。

 第三者からの強制執行、滞納処分による差押え等に対しては、本物件が甲の所有物であることを主張するとともに、甲に直ちに通知するものとする。

第7条(損害保険)

乙は、本物件に関し、甲の負担により甲の選定する保険会社と甲を被保険者とする損害保険契約を締結する。

 前項の保険契約に定める保険事故が発生したときは、乙は甲に直ちに通知するとともに、甲の保険金請求に必要となる書類を交付するなど、甲に協力する。

第8条(契約の消滅)

本物件の返還までに、本物件が滅失又は毀損したときは、その損害は乙が負担する。なお、前条の規定により締結した損害保険契約から保険金が支払われるときは、残存リース料から保険金額を控除した金額を乙は負担する。

 物件が滅失又は毀損し、本契約の目的を達することができなくなったときは、本契約は当然に終了する。

第9条(甲による解除)

乙が次の各号のいずれかに該当したときは、甲は催告をすることなく、直ちに本契約を解除する。この場合、乙は甲に対し、リース料総額から乙の既払額を控除した残額に相当する金額を直ちに支払う。

(1) リース料の滞納が○か月分に達したとき

(2) 手形又は小切手が不渡りとなったとき

(3) 破産、民事再生、会社更生等の申立てを第三者が乙に対してしたとき、又は乙が自らしたとき

(4) 本物件に対し、第三者から執行手続もしくは保全処分又は租税の滞納処分を受けたとき

(5) 関係官庁から営業停止、許可取消等の処分を受けたとき

(6) 経営状態が著しく悪化していると甲が認めたとき

(7) 本契約に定める条項について重大な違反があったとき

10条(物件の返還)

本契約が終了したときは、乙は、自己の負担により本物件を甲の指定する場所に運搬し、返還する。

 乙が物件を直ちに返還しないときは、甲は乙の承諾を得ることなく、本物件の設置場所に立ち入り、本物件を撤去して運搬することができるものとする。なお、これに要した費用及び撤去・運搬時に生じた損害については、乙の負担とする。

 本契約が甲による契約解除により終了した後、甲が乙から物件の返還を受けたときは、甲はこれを売却し、売却代金を乙に対する債権に充当することができる。

11条(再リース)

乙は、リース期間満了後、本契約を1年間更新(再リース)することができる。再リース料は月額○万円とする。

 再リースをするときは、リース期間満了の○か月前までに書面により甲に対し、その旨申し出ることとする。

12条(通知義務)

乙は次に定める事項が発生したときは、直ちに甲に書面により通知する。

(1) 会社、会社代表者及び連帯保証人の住所、氏名、電話番号の変更

(2) 会社の合併、分割

(3) 物件の滅失、毀損、盗難

(4) 第9条第2号から第5号までに定める事由

13条(事業報告義務)

乙は甲が求めたときは、損益計算書、貸借対照表等の決算書その他事業の概況を説明する資料、及び物件の管理状況を説明する資料を遅滞なく提出する。

14条(連帯保証)

連帯保証人○○○○(以下「丙」という)は、乙が甲に対して負担する本契約上の一切の債務について保証し、乙と連帯して履行の責任を負う。

 丙が死亡あるいは失踪したとき、又は破産手続開始決定を受けたときなど、連帯保証人として不適切な者となったときは、乙は甲の承諾する新たな連帯保証人を立てなければならない。

 乙の代表者が交代したときは、乙は新代表者を連帯保証人に追加しなければならない。

15条(遅延損害金)

本契約から生ずる債務の支払いを乙が怠ったとき、及び第9条の規定により契約解除があったときは、債務の金額に対し、支払完了まで年利○%の割合により日割り計算した遅延損害金を甲に支払わなければならない。

16条(強制執行認諾)

乙及び丙は、本契約による金銭債務の支払いをしないときは、直ちに強制執行に服する旨陳述した。

17条(公証人費用)

本契約締結にあたり、公証人に支払う所要の費用については、甲乙は折半によりこれを負担する。

18条(裁判管轄)

本契約に関する紛争については、○○裁判所を第一審の管轄裁判所とすることに合意した。

19条(誠実協議)

本契約書に定めのない事項については、民法その他の法律や規則、一般的商慣行に従い、甲乙誠意をもって協議し、解決に努めることとする。

以上

本旨外要件

 住 所     ○○県○○市○○町○丁目○番○号

 賃貸人     ○○リース株式会社

 住 所     ○○県○○市○○町○丁目○番○号

 上代表取締役  ○○○○ 印

         昭和○○年○月○日生

上記の者は印鑑証明書を提出させてその人違いでないことを証明させた。

 住 所     ○○県○○市○○町○丁目○番○号

 賃借人     ○○株式会社

 住 所     ○○県○○市○○町○丁目○番○号

 上代表取締役  ○○○○ 印

         昭和○○年○月○日生

上記の者は印鑑証明書を提出させてその人違いでないことを証明させた。

 住 所    ○○県○○市○○町○丁目○番○号

 職 業    会社員

 連帯保証人  ○○○○ 印

        昭和○○年○月○日生

上記の者は印鑑証明書を提出させてその人違いでないことを証明させた。

上記列席者に閲覧させたところ、各自その内容の正確なことを承認し、次に署名・押印する。

○○○○ 印

○○○○ 印

○○○○ 印

この証書は、平成○○年○月○日、本公証役場において作成し、次に署名・押印する。

○○県○○市○○町○丁目○番○号

○○法務局所属     

公証人  ○○○○ 印

 


 

この正本は、平成○○年○月○日、賃貸人○○○○の請求により本職の役場において作成した。

○○法務局所属     

公証人  ○○○○ 印

 

著者
千賀修一(弁護士)