使える!ビジネス文書・文例集

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手紙(借金申込みの後輩に忠告する手紙)
 先日はせっかくのご来宅にも、何のおかまいもできず失礼しました。
 ところで、その時のお申し出の融資のことですが、現在のところ、ご協力できかねます。
 じつは昨日たまたま○○君に会いましたが、あなたが借金の依頼を○○君ほかの先輩たちにもしていることを聞きました。先日私のところに来たときは、お申し出の□□万円さえあればサラ金の借金は完済できるとのことでしたが、○○君にも同様のことをいって頼んだそうですね。
 これでは、借金の総額はいくらなのか、いくら用立てれば本当に完済できるのか、わからなくなります。こういうことでは、あなたの申し出を信用して、あなたを援助することはできないのです。当面をとにかくしのいでのヤリクリでは、あなたの立ち直りのために融資しても、無意味ではないかと考えます。
 サラ金の借金の返済に追われて、そのような目先の処理に走っていることとお察しします。しかし、それではいつまでたっても脱却できないと思います。
 とにかく、借金の総額を明らかにして、実行可能な返済計画とか、そのために援助協力を希望する金額を定めて、しっかりした見通しのもとに、私のところに相談に来ることを勧めます。恥ずかしく、明らかにしたくない点もあるでしょうが、一から出なおす覚悟が必要だと思います。
 それには、何よりも本人のしっかりした立ち直りへの意志が大事です。どんなに立派な計画を立てても、強固な意志による実行がなければ、計画倒れになることは目に見えています。自分自身に勝つことが、いまのあなたに一番大切なことです。
 どうぞ、よく考えて、覚悟を固め相談にいらっしゃい。あなたの立ち直るように、友人たちともできる限りの協力をしたいと思います。

著者:矢嶋 弥四郎