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広報・PR

新規顧客向け・媒体活用型[ダイレクトメール(DM)]
送付先を特定する作業、顧客リストの活用が不可欠

DMの構成要素

ダイレクトメール(DM)とは、郵便・宅配・インターネットなどによって直接、広告やセールスのためのメッセージを伝える販促媒体です。
たとえば、ハガキ・封書・カタログ・小冊子・CD-ROM・電子メールなどの形態があります。
これらを個人宛・会社宛に送付します。
新聞折込広告チラシで触れたことと同じように、ターゲットの関心のありそうな情報を伝えることで、レスポンス率、ひいては購入率が上がります。

DMでは送付先を特定することが最も重要な作業です。
過去の見込客、既存顧客のデータを蓄積したうえで、「顧客リスト」を活用することが求められます。
しかし、新規顧客獲得型の媒体として、DMは個人情報保護法が施行後、個人向けに使えなくなりました。
法人向けは、ターゲットの属性を見極めたうえで、DMの基本構成と表現を工夫して、費用対効果を高めます。
 
■DMの構成要素
要素 機能
1.外封筒 DMを届ける入れ物。開封率が最も重要なので、外封筒でDMの第一印象が決まる
2.挨拶状
 (カバーレター)
顧客への挨拶として、コアメッセージを伝える重要な要素。すぐれた挨拶状は、顧客の心を動かし、その他の情報に目を移してもらえる
3.パンフレット 商品・サービスの内容を理解してもらうために同封する案内。折り方や説明の展開の仕方がカギとなる
4.申込書 商品・サービスの申し込みをする機能をもつ。できるだけわかりやすいものにしたい
5.ドアオープナー、
 封筒窓
開封率を上げるために、DMの中に入れておくノベルティグッズなどの立体的な小物。封筒の窓をつくって見せることもある
6.チラシ キャンペーンや特典などを個別に案内する小型版のチラシ
7.返信用封筒 申込書を返送してもらうための封筒。申込書を兼ねて返信用ハガキにする場合もある
8.チケット 招待券、優待券、割引券、抽選券などをチケット形式にして同封することも効果的。複数枚同封することで、紹介促進につながることもある
 
セールスを目的とするDMには、前ページの表のような要素と機能があります。
(1)~(4)が、基本的な構成要素です。
(5)~(8)が、(1)~(4)を支えるその他の要素となります。
DMの目的に合わせて組み合わせを考えるといいでしょう。

ティーザー・コピーを必ず入れる

DMの場合は、お客様に開封してもらわなければ、販売促進の機能を果たせません。
そのため、封筒の表面の目立つところに、次のような「ティーザー・コピー」を添えて、開封率を高める必要があります。 
■ティーザー・コピーの例

・「いますぐ、ご開封ください。素晴らしい特典が用意されています!」
・「ご招待券在中 このチャンスをお見逃しなく!」
・「サンプル在中! いますぐお試しください」
・「カタログ専用割引券在中!」
・「いまご購入されますと、先着○○名様に限り□□を差し上げます!」
・「数量限定キャンペーン 無料○○のお知らせ」
・「このシールをはがしてください。当選者には素晴らしいプレゼントをお届けいたします!」
・○○にお住まいの皆さまへ 「謹んで▲▲からお届けいたします。いますぐ中をご覧ください」
・「お友達をご紹介ください。素敵な贈り物を差し上げます!」
 

ティーザー・コピーとは、商品・サービスの情報を詳細に伝えるのではなく、“少しだけ”伝えることにより、消費者の興味や好奇心を喚起させる広告手法です。
ウェブサイトやモバイルサイトのトップページでも、ティーザー・コピーは多用されます。
「ティーザー」は、オファー(特典)ギミック(しかけ)、数量限定、期間限定と組み合わせることで、より高い開封率が期待できます。

飲食店を中心とした法人向けに「お客様サービスの向上・危機管理」における覆面調査サービスの利用促進を告知したときのDMを紹介します。
「【重要】経営に直結する情報です。是非お読みください!」というティーザー・コピーを封筒に入れています。
さらに、封筒に「いまだけ、1店舗無料で体験できるキャンペーン実施中!」というシールを貼ることで、限定効果を狙い、開封率を上げる工夫をしました。

下記のように、同封しているパンフレットは「虫眼鏡」がモチーフになっています。
表紙面をくり抜いて中が覗ける構造で、中面で解決策を提示するようにしました。
この他、飲食店の店舗改革に必要なお客様視点を見せるために、「調査レポート」を準備し、覆面調査サービスの必要性をアピールしました。

しかも、無料体験の申込み用紙を準備し、電話、FAX、ウェブで、覆面調査サービスの申込みを促しています。
個人向けに比べて法人向けは、FAXで申し込む習慣がまだまだ多いので、FAXでの申込み方法、問い合わせ方法を必ず明記したいところです。

<飲食店の覆面調査サービスのDM>


著者
岩本俊幸(株式会社イズ・アソシエイツ 代表取締役)