ビジネスわかったランド (総務・庶務)

広報・PR

新規顧客向け・媒体活用型[ポスティング]
「挨拶状」「ニュースレター」で開封率を上げる

ポスティングが効果を上げる工夫

個人宅の郵便ポストや新聞受けに販促媒体を投函する手法を「ポスティング」と呼びます。
郵便ポストに投函するという点では、DMに近い販促媒体であるといえます。
しかし、基本的には無差別に投函するわけですから、想定した顧客(ターゲット)に確実に届くかどうかという到達率の点で、まだまだ課題が多いです。

ただ、エリアはもとより、「一戸建て」「ガーデニングのある家」というように選別することも可能です。
また、新聞折込広告チラシと違って、サイズをいろいろと工夫したり、封筒に同封物を入れることもできます。
そうすることで、ターゲットの開封率を上げて、購買の動機付けを高められるのです。

なお、マンションの管理組合は、ポスティングをセキュリティや公序の問題で禁止していることが多いので注意が必要です。
あるテニススクールでは、3か月に1回、スタッフが近隣地域にポスティングをしています。最初にポスティングをしたときは、4000枚の配布に対して80名の集客を実現することができました。
2%の反応率という結果は、テニススクールの集客としてかなり高い数値です。これだけの反応をとるのは、簡単なことではありません。
前ページの写真のように、チラシ自体を封筒に入れ、さらに挨拶状、ニュースレター(情報誌)を入れました。
封筒の宛名部分には「○○市○○地区の皆様へ」と、4000枚すべてスタッフの手書きにして、親近感と地域限定感を醸しだしました。

この販売促進策が効果的なのは、挨拶状です。ポイントを3つ挙げます。

(1) 宛名は「○○市○○地区の皆様へ」として、地域密着サービスの案内を入れる。
(2) 
地域密着特典として、1050円で受講できる体験レッスンに「先着25名様をペアで無料ご招待」を案内する。
(3) 
入会特典として、入会金6300円を無料、加えてオリジナルシューズもプレゼントする。


重要な点は、地域密着を志向しているので、「ターゲットを絞り、限定する」ということです。
ターゲットを絞った特典にすると、「これは自分のことを言っているな」というように、限定感が強くなり、入会の動機付けにつながっていきます。
「ペア特典」もかなり効果があり、友人、家族も誘ってきてもらえたようです。
この「ペア特典」実施後の入会率は、以前より10%も上がりました。

前述のように、マンションへのポスティングは許可を取りにくいものです。
しかし、このテニススクールではスタッフ自らがユニフォームを着て、「こんにちは。○○テニススクールです」と、明るく挨拶をしながらポスティングをしました。
マンションの管理人に、「ご近所さんだけの特典をお知らせする挨拶状が入っています!」と明るく挨拶することで、何件ものマンションで投函が許可されたといいます。

これら一連の工夫とスタッフたちの努力の結果、以前配布していた新聞折込広告チラシに比べて10倍以上の反応を得ることができました。

<テニススクールの地域密着型のポスティングチラシ>


著者
岩本俊幸(株式会社イズ・アソシエイツ 代表取締役)