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広報・PR

新規顧客向け・媒体活用型[折込チラシ-3]

矛盾や葛藤を解消するチラシ

この役割はとくに重要です。
お客様がチラシに注目し、それに感情を喚起され、理解も深め、記憶に残ったとしても、「本当にこの商品、大丈夫?」と、何かしらの矛盾や葛藤が働くものです。

たとえば、「本当に身体によいのだろうか? 逆に身体に悪いものだったらどうしよう……」「少し値段が高いようだが、本当に価格に見合った商品なのだろうか?」「においは大丈夫だろうか?」「簡単につくれるのだろうか? 思ったより複雑で、時間がかかったらどうしよう……」など、お客様にはこのような「リスク回避」の考えが、一瞬にしてたくさん頭をよぎるのです。
このことを誌面上で解決できなければ、「買う」というアクションにつながりません。そこで、次のことを工夫しましょう。

(1)圧倒的な証拠を見せる
小売店の場合、商品の取扱数・展示数が多い、もしくは販売数・取引数が多い、あるいは経験年数・創業年数が経っているなどの実績があれば、それらを強調することがポイントです。


(2)Q&Aの掲載
ターゲットの疑問を先に予測し、解消する手法です。


(3)お客様の声の掲載
「お客様の声」を数多く載せるに越したことはありませんが、チラシの誌面スペースにも限りがあります。
できるだけ見やすく、読みやすい工夫を凝らしましょう。
たとえば、実際にお店を利用したお客様の笑顔だけでなく、個人情報保護法に抵触しない程度に、「○○市在住」「○○町在住」など、お客様のある程度の住所を記載します。
お客様の許可を得られるのであれば、実名を載せることによって、よりリアル感が増します。


(4)保証する
商品・サービスについて、故障や不具合を起こしたときに長期保証ができるに越したことはありませんが、その保証書の実物を一緒に見せることも効果があります。
また、返金保証を付けるという方法もあります。


(5)権威付けをする……資格・受賞歴
レストランなら「ソムリエ」、葬儀社なら「お墓ディレクター」というように、何かしらの資格があればチラシに掲載します。
コンテストの受賞歴の掲載も効果的です。
全国規模、世界規模でなくても、地元のちょっとしたコンテストだとしても活用しましょう。
美容室の場合、スタイリストのコンテストが比較的頻繁に開催されています。
実際にコンテストの受賞歴を掲載している美容室は少なくありません。


(6)権威付けをする……著名人、業界有名人
チラシでも、芸能人を使えばインパクトがあります。
人気のあるタレントは広告使用に莫大なお金がかかるので、大企業以外では掲載はむずかしいかもしれません。
意外に盲点なのが業界の有名人の起用です。

例を挙げましょう。
和菓子店にもかかわらず、“権威”として広告訴求に起用したのが、地元で有名なイタリア料理店のシェフでした。
実際にこのシェフの声を前面に打ち出したことによって、地元のお客様の信頼を得ることができ、集客に大きく貢献しました。


(7)権威付けをする……推薦状、マスコミ掲載記事
専門家の権威として、医師や大学教授などに推薦状を書いてもらうことも一つの方法です。
チラシに、マスコミの掲載記事を二次利用するという方法もあります。
マスコミといっても、大袈裟に感じる必要はありません。
新聞・テレビ(全国紙と全国ネットキー局)でなくても、地方紙やタウン誌、ケーブルテレビ(CATV)などでもいいのです。
つまり、第三者から何かしらの切り口で認めてもらった事実をチラシに掲載できれば、いままで以上に信頼が得られます。

 

行動を喚起するチラシ

ここまでチラシの見せ方を設計したとしても、まだ足りません。
お客様はとにかく忙しいのです。
よほどのことがない限り、じっくりとチラシを見ている暇はありません。
ですから、わかりにくいこと、面倒くさいことは排除しておきましょう。

(1)購入、来店の動機付け
お客様に「いますぐ」行動に移してもらうには、「お試し体験」や「モニター期間」のように、限定感を出して、動機付けを後押しすると効果的です。
さらに、「いつまで?」「何名まで?」といった期間限定・数量限定であることを、チラシに明示するのがポイントです。

(2)簡単な申込み方法
申込みの手続きや方法がわかりづらく、むずかしい場合も、お客様が買うという行動に移れない要因をつくってしまいます。
そうならないためには、手続きや申込みの簡単さをチラシで伝えることが大事です。
「お申し込みはとっても簡単!!」といったひと言を、うまく表現できるかがポイント。
単なる文字情報だけでなく、お客様が行動しやすいように、写真やイラストを使ってビジュアルで伝えましょう。

(3)レスポンスデバイス
「レスポンスデバイス」とは、チラシを受け取った人が、申込みや問合せをする手段のことです。
フリーダイヤルの電話やファクスの番号、返信先の住所、問合先のメールアドレスやURL、モバイル用のQRコードなど、チラシの誌面スペースが許す限り、数多く入れましょう。

(4)オファーの選択
オファーとは「特典」のことです。
たとえば、エステや学習塾での資料請求用の小冊子、ガイドブックのほか、サンプル(試供品)のような「形のあるもの」と、お試しの体験コースのような「形のないもの」があります。
お客様はイメージできないものには手を出しません。
ですから、小冊子、ガイドブックには実物の写真を使って、明確に見せることがポイントです。

(5)クーポンの活用
『Hot Pepper』など、クーポン付き情報誌(フリーペーパー)が人気です。
それほどクーポンは、購買の動機付けをするために大切な要素です。
クーポンには、「数種類用意するクーポン」「数枚用意するクーポン」の2通りがあります。
数種類用意するクーポンは、宅配ピザ屋のチラシによく使われます。

たとえば、メニューを数種類用意するなど、お客様に選択肢を与えることで、反応率を上げられます。
数枚用意するクーポンは、リピートが比較的容易で、かつ知人や家族などへの紹介も見込める業種に向いています。
たとえば、飲食店がそれに当たります。
 
 

著者
岩本俊幸(株式会社イズ・アソシエイツ 代表取締役)