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プレスリリースを適切にメディアに届ける方法
各メディアの締切りに留意する
 
■5つの方法でプレスリリースを届ける
プレスリリースは、いつ、どんな方法で届けると効果的でしょうか? 届け方には、手渡し、FAX、メール、郵送、電話があります。
  1. 手渡し
    この方法が最もいいのは、異性への手紙と同じ。デートと同じく想いのを直接伝えられます。しかし多くの人に一度に届けることはできません
  2. FAX
    FAXが最も多いが、横並び情報として特に小さな会社のプレスリリースは、よほどのネタでないかぎり、ほとんど読まれないと覚悟しておきましょう。そこで、電話との併用が大切で、しっかりフォローすること
  3. メール
    個人的に知っていれば最有力。弊害はその記者しか読めないこと。重要な場合、急ぐ場合には必ずFAXや電話との併用を忘れないこと
  4. 郵送
    資料やDVDなどを送りたい場合には郵送、週刊誌やテレビ企画などに有用。バイク便や宅急便でその日中や翌日には確実なので有効に利用
  5. 電話
    携帯電話や携帯メールは最も速い。ほかの手段との併用により補完可能

どの記者も、情報の内容とスピードが命、いいニュースであれば、一瞬でも早い入手を望むもの。どんな手段でも「確実に速く」が大切なので、記者の事情と緊急度や重要度によって、最適・最速・確実な届け方を実行することです。既知の記者には直接コンタクトし、メールやFAXしても問題ありません。

<各方法の優位点と留意点>


■各メディアには締切りがある
記者クラブや主要メディアの連絡先を活用すれば、一斉に配信できます。留意することは、案件の重要度と緊急度です。たとえば、合併、提携等のM&Aやトップ人事、倒産、事件・事故等は緊急かつ重要です。それに原稿の締切時間や記者との親密度によっても情報提供の方法は異なるでしょう。全国紙やブロック紙・地方紙などの一般紙の場合、夕刊の最終締切りは午後1時半ごろであり、朝刊は深夜の午前1時半。どちらも1時半ですから覚えておきましょう。また、テレビも昼のニュースのあとの13時ごろから15時ごろまでは比較的余裕のある時間帯といえます。夕方になるとニュース報道があったり、朝刊の原稿の締切りに合わせて多忙になるからです。

業界紙・専門紙の場合は、通常、締切りが16~17時ごろなので、情報提供は午前中か午後でも早い時間が喜ばれます。週刊誌・月刊誌等は、メディアごとに締切りが異なるので、要望するメディアの締切りは押さえておきましょう。こうした原則をふまえて、記者により、またその時々によって異なるので、いつも締切時間を配慮すること。要は、こちらの都合でなく、細やかな配慮を忘れないこと。常に締切りに追われる記者の立場を十分に理解し、記者の状況や要望に合わせて臨機応変に連絡してあげることが親切です。
 
■新聞社・通信社への送り方
最も要望が多いのはFAXですが、重要情報であれば、「電話と併用!」。つまり、送ること、送ったことを個別に電話で知らせてほしいとの要望があります。メディア幹部からのヒントは以下の通り。
  1. 情報発信の基本は、「対面、手渡し」。緊急性がないのにFAXで一方的に送られるのは迷惑
  2. 月曜は比較的ニュースが少ないので、他の曜日よりは記事が掲載される面はある
  3. FAXは午前中から15時がいい。資料などに目を通しやすい。15時以降は忙しくなりやすい。18時以降は避けてほしい
  4. メール、 郵送、 FAXの順。メールが一番。速いし、 保存しやすい。紙を無駄にせず、写真等のデータ管理がしやすい。時々見落とすリスクあり
  5. 関心をもたれなかった場合、どのような案件に関心があるのか、しつこくない程度に聞いて、次回以降に備えるのが有効
  6. メール、 郵送、 FAXの順。メールが一番。速いし、 保存しやすい。紙を無駄にせず、写真等のデータ管理がしやすい。時々見落とすリスクあり重要な案件は、電話で通知してほしい。緊急の場合、まずFAXだと誰かの目に触れやすい。迷惑がられてもFAXとメールの両方が確実
  7. 郵送は経済部宛ではなく、担当記者宛に送るのが望ましい
以上のような要望をかみしめながら、情報提供に努めてください。
 
■雑誌への送り方
[1]ビジネス誌
「週刊ダイヤモンド」や「週刊東洋経済」などは毎週土曜日発行で、翌月曜日に店頭に並びます。通常、発売2~3週間前に企画会議でテーマが決定。記者は取材に入る。特集記事は、1か月前ぐらいから決められたテーマで取材開始。原稿は適宜、入稿(データを印刷所に渡すこと)されます。水曜に最新ニュースが入稿されるので、ニュース性のあるものは、月・火曜あたりまでの情報提供が喜ばれます。

[2]月刊誌
月刊誌の場合は、発売の1~2か月前に、編集者が作成した企画書や、外部ライターの提案などをもとに企画会議でページ構成などが決定、取材開始。3週間~1か月前ごろ、原稿が入稿されてくるとレイアウト校正が始まる一方、時事的なニュースや解説ページに関する企画会議が開かれ、外部ライターの提案も検討してテーマが決められます。そして、1~2週間前が原稿の締切りです。雑誌への提案テーマは、「業界の旬」の話題や物語性のある情報、「人」「起業」などの特集テーマにマッチする材料を提供すると喜ばれます。実際の取材は、編集部記者のほか、外部ライターに委託されるケースも多いのです。
 
■テレビへの送り方
テレビの場合、プレスリリースの送り先は、企画づくりに大きな役割を果たす人、つまり、「ディレクター」「放送作家」「リサーチャー(リサーチ会社)」「制作会社」です。「番組プロデューサー」は予算管理の総責任者であって、番組づくり担当はディレクター以下です。コンタクト先を調べる方法としては、番組の最後には必ず「エンドクレジット」というその番組制作に携わったスポンサー企業や協力企業等に加えて、主要人物の名前も流れます。これが「スタッフロール」で、コンタクト先の隠れた“情報の宝庫”なのです。

これを毎週注視していると、いろいろな番組にさまざまな放送作家とリサーチャーが交わり合って番組に携わっていることがわかってきます。実際の番組づくりは、テレビ局ディレクターであり製作会社です。目指す番組をみつけたら、そのディレクターや放送作家、リサーチャーにコンタクトし、プレスリリースを郵送・FAXで送ることによって情報提供するのです。「ディレクター」の場合は、テレビ局の代表に電話して、そのコーナーの担当ディレクターに情報提供したい旨を伝えます。「放送作家・リサーチャー・制作会社」の場合は、エンドクレジットで社名や名前がわかれば、ネット検索等、何らかの方法で調べることができます。
 
■テレビ向きのテーマがあった場合の例
  1. 魅力的な切り口でプレスリリースを作成する
  2. 番組を調べる(番組内容の調査には「ウィキペディア」が有用)
  3. 番組のなかのコーナーで関係するテーマをみつけよ!
  4. それに合う「プレスリリース」を作成する(映像重視)
  5. そのコーナーの担当ディレクター宛に送る
    ▽局内制作番組の場合:「番組名、○○コーナー担当ディレクター様」
    ▽VTR外注番組編の場合:「制作会社名+番組名+○○担当プロデューサー様」
    *既知のディレクターの場合:メールかFAXが速い(DVDなどは郵送)
    *未知のディレクターの場合:まず郵送
    ▽放送作家+リサーチャー+制作会社にも送る
  6. ディレクターに電話をかけ、受け取ったかフォローし、採用要請
  7. 「取材決定!」となれば、万全の体制で取材協力する

<プレスリリースの送り先(ネタ提供先)>


■プレスリリース送付の留意点
次に、送るときや送ったあとの留意点をまとめましょう。
  • ▽送り先:取り上げてもらいたい番組にはできるだけ多く送る
  • ▽興味ある番組やコーナーの趣旨をよく理解して送る。これは礼儀でもある。その調査に「ウィキペディア」は役に立つ
  • ▽送るテーマの関連記事があれば同封する
      テーマの信頼性と切り口のヒントになるので喜ばれる
  • ▽同じテーマのプレスリリースを真裏の番組にも送ることはOK
      切り口やタイミングを変えれば双方で取り上げられる可能性もある
  • ▽取り上げてほしい番組を調べ、その番組流に手書きでつくり、持参する。これがベスト!

テレビ取材が実現したら、現場に同行、細かいところまで気配りし、撮影の便宜を図り、個別インタビュー等、万全の体制で取材に協力する。テレビ放映に合わせてのプレスリリースで「お知らせ」も可能。1つのニュースネタをマルチユースして、いろいろなメディア露出を考えましょう。

<プレスリリースの送り先(ネタ提供先)>