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小さな会社がメディアに売り込む法
各メディアの特徴を把握してコンタクトする

■メディアまたは記者の選び方のポイントは?
小さな会社は、「読者に役立つ価値」「消費者に役立つ価値」「企業に役立つ価値」と、いろんな観点からの価値を念頭において、ニュースネタを冷静に考えてみましょう。記者は、「どんなテーマや切り口で記事を書こうか?」といつも苦心しているので、そのヒントになるようなニュースネタに関しては、とても敏感で即座に興味を示すものです。取材をお願いするに際して、各メディアにはそれぞれ特徴がありますので、自社のニュースネタの価値に見合うような適切なメディアや記者を選ぶようにしましょう。その際には、どの地域、どんな人達をターゲットにするかなどの戦略に沿って、コンタクトするメディア(記者)を考えることは言うまでもありません。
 
●地方紙を狙う
地方の小さな会社は、地元地方紙を大切にし、優先して取材要請すると、地元企業の応援者として、積極的に記事にしてくれるでしょう。
 
●全国紙地方版を狙う
地方に顧客が多い場合は、地方紙やブロック紙でも全国紙の地方版でもよいのです。地方紙よりスペースは小さくとも、ひょっこり全国ネタになる楽しみがあります。地方記者は、全国ネタにすることが大きな成果であり願いですから、独自ネタを仕留め、全国ネタにしたい……。それがジャーナリストの本分なのです。
 
●業界紙・専門紙(誌)を狙う
自社が属する業界や分野には、必ず少なくとも3~5紙の業界紙・専門紙(誌)があり、一般紙と異なりその業界の応援団です。何でも相談すればどしどし掲載してくれることでしょう。
 
●産業経済紙を狙う
各業界や分野をテーマに、紙面を1~3ページもっているので、小さな会社のニュースネタも取り上げてくれる余地があります。企画物や特集も多いので、どんな内容が取り上げられているかをよく吟味・検討し、それに見合うニュースネタを提供すると喜ばれることは間違いありません。その分、競争も激しいので、ニュース価値の競争に勝たなければなりません。
 
●地方局のテレビを狙う
テレビは敷居が高いと遠慮することはありません。特に地方局は、その地方の会社にとって取り上げてもらいやすい大切なメディア。動きをともなうニュースネタに仕上がる場合には、どしどしコンタクトして相談してください。コアとなるニュースネタそのものに動きがなくとも、何とかコラボレーションで、ネタにするように工夫してください。
このようにそれぞれのメディアへ積極的なアタックを試みてみると、自社の商品が評価されているかどうかがわかってきます。「記者を第三者評価機関」とみなすと自分が謙虚になれます。最初から取り上げられなくとも改善すべきは改善して、再度アタックしてみましょう。

はじめての場合、プレスリリースに一言、前書き的なコメントがあるとまったく印象が違います。たとえば、美容関係の商品に関するプレスリリースでも、単に商品のことだけではなく、開発した女性や美容師など「女性の生き方」に関するストーリーの添付があれば、それに共感して取材することもあります。その後、何度か会ったり、食事したりしているうちに新たな企画の記事が生まれてくる。旬の話題や時代を先取りしたトレンドなど、企画を考えるヒントは記者の創造性を刺激します。

<メディアのUSP(特長)・UDP(差別点)×自社戦略」に沿ってアプローチ先を選ぼう>


■メディアに直接電話をかける
メディアの特徴を把握し、狙いの地域や顧客層などを含む自社戦略と眼前にあるニュース価値からして、どのメディアへコンタクトすればいいかを考え、実行しましょう。首都圏に進出した地方の小さな会社が、一般紙に挨拶にいきたい場合には、地元の支局から紹介を受けて連絡することもいいでしょう。地方のブロック紙、地方紙、全国一般紙地方支局へのコンタクトは、それぞれの本社あるいは支局に直接電話して担当記者を紹介してもらいます。