ビジネスわかったランド (総務・庶務)

登記・登録事項

受付番号と補正について(登記の受付から完了まで(3))
受付番号はとても重要!

登記の申請では、受付番号がたいへんに重要な意味をもつので、仮に、申請書に不備な点があっても、受付帳に記録しないで申請人に返すことはできないことになっています。
先に説明した、所有権登記名義人住所変更登記と所有権移転登記等、順位を指定して連件で出された申請は、その順番で受け付けられ、受付番号が付されます。また、受領証を交付したときは、受付帳に「受領証交付」と記載され、その旨が記録されます。
受付が終わると、申請書類は調査係にまわされ、申請になんら問題がなければ、記入係へまわされます。
 
「補正」を指示されたら
 
申請に不備がある場合で、即日、その不備が補正できるときは、申請は却下されず、「補正するように」と指示されます。即日というのは、本来は申請当日を意味しますが、実務上は、申請日以後の日の午前か午後が補正日として指定されます。
したがって、補正日が午前と指定されていれば、その日の午後5時までに、また、補正日が午後と指定されていれば、翌日の午前中に補正すれば、即日に補正したものとして取り扱われることとされています。
申請に不備があって、即日に補正できないときは申請は却下されることになっていますが、実務上は、申請人に理由を説明して取り下げさせるようにしています。申請書を補正するための取下げは、代理人が行なう場合でも、特に取下げについての委任状は必要ありません。

また、取下げには、申請書を補正するための取下げのほか、申請行為自体を撤回するための取下げがあります。
この取下げは、申請当事者の合意に基づいて行なわれるものですから、代理人が行なうためには、取下げについての申請当事者からの委任状が新たに必要になります。申請意思の撤回としての取下げは、登記の完了前にかぎって、取下書を提出して行なうことができます。
 
補正のために申請を取り下げるとき
 
補正のための取下げをする場合、取下書を提出する点は同じですが、すぐに再申請するわけですから、登録免許税についての処理方法が多少異なります。
つまり、取下げをすると申請書類一式が返還され、登録免許税も、登記をしなかったため申請人に還付されます。その場合、登録免許税相当額を現金還付で受け取るか、申請書に貼った消印済みの収入印紙(あるいは領収証書)を再使用できる旨の証明を受けるか、どちらかの方法を選ぶことができます。
現金で還付を受ける方法は多少日数もかかるため、取り下げてすぐ再申請する場合には、再使用証明をしてもらったほうが便利です。
その場合には、取下書と一緒に、再使用証明申出書を提出します。この申請書を出すと、消印済みの収入印紙や領収証書に、「再使用できる」という判を押して返還してくれます。再申請する場合には、登記申請書にとじてそのまま提出すればよいわけです。

<取下書>


<再使用証明申出書>


古山 隆(司法書士)