ビジネスわかったランド (総務・庶務)

登記・登録事項

登記済証や登記識別情報を
添付できないときは?
従来の保証書の制度は廃止されている
 
紛失などのため登記済証を添付できないケースでは、従来は「保証書」を添付して登記申請していましたが、平成17年3月施行の改正不動産登記法で、保証書の制度は廃止されました。その代わりに新たに設けられたのが、「事前通知制度」と「本人確認情報提供制度」です。
また、「不通知」や「失効」の制度を利用したため登記識別情報を添付できない場合も、同様の手続きになります。
 
事前通知制度を利用できる
 
「事前通知制度」は、従来の保証書の制度に似ていますが、保証人を立てたり、保証書等、特別の書類を添付する必要はありません。
事前通知制度による申請が、登記済証を添付した場合の申請と異なるのは、まず添付書面として、登記義務者の印鑑証明書が必要となる点です。また、申請後も、すぐに登記が実行されるのではなく、法務局から登記義務者宛へ登記申請に関する問合せの通知が発送されます。
この通知は、登記義務者が個人の場合は、「本人限定受取郵便」で出されます。本人限定受取郵便は書留郵便の一種ですが、本人しか受け取ることができないので、従来の保証書の通知に比べると厳格になっています。
この通知に対して、登記義務者から登記申請に間違いない旨の申出があったときに登記が実行されることになります。ただし、通知を発送した日から、国内では2週間以内、国外の場合は4週間以内に申出をしないと、申請は却下されます。

<事前通知制度のしくみ>


本人確認情報提供制度は専門家に依頼する
 
「本人確認情報提供制度」は、司法書士と弁護士だけに認められた制度で、これらの資格者が、登記義務者本人に間違いないことを記載した書面を提出することで、事前通知を省略できます。
この制度は、登記申請の委任を受けた司法書士等が、登記義務者に面談して不動産取得の経緯や現在の利用状況などを売買契約書や固定資産税納付書等の資料の呈示を受けて聴取し、それを「本人確認情報」という書類にまとめて法務局に提出するものです。
本人確認情報には、本人確認の資料として、免許証の写しなどを添付することになっています。


古山 隆(司法書士)