ビジネスわかったランド (総務・庶務)

会社法

監査役・監査役会・会計監査人・会計参与の役割とは?
監査役の設置

 監査役は、取締役の職務をチェックする人のことです。
 株式会社において、監査役は必ず置かなければならない機関ではありません。監査役を置かなければならないのは、中小の取締役会設置会社(委員会設置会社、非公開の会計参与設置会社を除く)、会計監査人設置会社(委員会設置会社を除く)、大会社(委員会設置会社を除く。監査役会の設置には、当然監査役の設置が含まれる)です。ちなみに、委員会設置会社では、監査委員会があるため、監査役を置くことはできせん。
 このように、設置が任意である類型の株式会社も存在しますが、通常は設置されることが多く、本書においても、大会社および中小会社の基本形では設置しています。
 監査役を置く場合は、株主総会の決議が必要です。任期は、4年です。監査役会設置会社においては、監査役は3人以上置かなければなりませんが、その他の監査役設置会社においては人数の制限はありません。

監査役会の設置

 監査役会は、(1)監査報告の作成、(2)常勤の監査役の選定および解職、(3)監査の方針などを決定します。
 監査役会も必ず置かなければならない機関ではなく、設置義務があるのは公開の大会社(委員会設置会社を除く)だけです。監査役会は、半数以上が社外監査役である3人以上のすべての監査役で組織されます。監査役会では、監査役の中から常勤の監査役を選定します。

会計監査人の設置

 会計監査人は、株式会社の計算関係書類のチェックを行ないます。
 会計監査人も、必ず置かなければならない機関ではありません。会計監査人を置かなければならないのは、委員会設置会社と大会社(委員会設置会社を除く)です。
 会計監査人は、株主総会の決議によって選任されます。任期は、1年です。人数の制限はありませんが、公認会計士または監査法人でなければなれません。

会計参与の設置

 会計参与は、執行役・取締役と共同して、計算書類およびその付属明細書、臨時計算書類ならびに連結計算書類を作成します。
 会計参与も、必ず置かなければならない機関ではありません。会計参与を置かなければならないのは、非公開で中小の取締役会設置会社(委員会設置会社を除く)で、監査役を置かない会社です。
 会計参与は、株主総会の決議によって選任します。任期は、2年です。人数の制限はありませんが、公認会計士・監査法人または税理士・税理士法人でなければなれません。




著者
水野 賢一(弁護士)
2011年1月現在の法令等にもとづいています。