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会社法

社外取締役・特別取締役・使用人兼務取締役とは?
社外取締役になるための条件

 所有と経営の分離がなされている株式会社において、会社内部の者だけでなく、外部の者にも経営に参加してもらって、経営の監督を図ろうとするものに社外取締役があります。
 社外取締役は、株式会社の取締役となるわけですが、就任するには条件があります。まず、(1)その株式会社またはその子会社の代表取締役などの業務執行取締役もしくは執行役または支配人その他の使用人ではなく、かつ、(2)過去にその株式会社またはその子会社の代表取締役などの業務執行取締役もしくは執行役または支配人その他の使用人となったことがない人でなければ、なることができません。そして、委員会設置会社では、取締役3人以上で組織する各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならないとされています。

特別取締役の権限

 取締役の数が6人以上で、取締役のうち1人以上が社外取締役である取締役会(委員会設置会社を除く)は、あらかじめ選定した3人以上の特別取締役を選定し、(1)重要な財産の処分および譲受けと、(2)多額の借財について取締役会の決議を委任することができます。
 この特別取締役による取締役会の制度は、日常的業務の色彩の濃い事項の決定を一部の取締役による決議に委ね、取締役会はより基本的な事項の審議に専念しようとするものです。

使用人兼務取締役

 雇用契約によって、会社などの特定の営業主に従属し、対外的な業務に従事する者を商業使用人または単に使用人といいます。一般には、社員あるいは従業員と呼ばれています。
 会社法においては、取締役との関係において「委員会設置会社の取締役は、当該委員会設置会社の支配人その他の使用人を兼ねることができない」と規定されています。この支配人その他の使用人を兼ねる取締役のことを、使用人兼務取締役といいます。
 この規定から、会社には使用人兼務取締役が存在しうるが、委員会設置会社においては、執行役の監督機能と矛盾するため、使用人兼務取締役は認められないことがわかります。




著者
水野 賢一(弁護士)
2011年1月現在の法令等にもとづいています。