ビジネスわかったランド (総務・庶務)

担保、保証、債権回収

強制執行の手続きは?

債務者は手ごわい。訴訟に勝っても終わりではない!
多くの債務者は、訴訟で判決が出れば、それに従います。しかし、それほど従順でない債務者もいます。判決は、あくまで債権者に債権を執行する権利があることを証明するものであり、権利を実現するということとは別の話です。権利を実現しなければ、債権回収を果たしたことにはなりません。この権利を実現する手続きが強制執行です。
強制執行は、債務者の意思に反してでも、裁判所の力で強制的に権利の内容を実現する手続きです。対象とする目的物によって、不動産執行(債務者の土地や建物)、動産執行(債務者の時計や宝石など)、債権執行(債務者の給料など)など、いろいろな手続きがあります。強制執行を申し立てるには、債権者に強制執行を行なう権利があることを証明する書類(判決文など)をそろえなければなりません。
また、債務者のなかには、訴訟または強制執行をする前に、財産をとられないように、財産を売却、隠匿する者もいます。債務者に財産がなければ、訴訟も強制執行も無意味になります。そのため、債務者が財産の売却などをすることを阻止する制度として仮差押えがあります。仮差押えをしておけば、債務者が財産を売却したとしても、売却した財産を取り戻すことができます。



著者
芥川 基
2012年6月末現在の法令等に基づいています。