ビジネスわかったランド (総務・庶務)

担保、保証、債権回収

回収見込額を把握するには?

全額回収できると思うな!
債権の回収には、テクニックが必要です。ただ正面から支払いを迫っても、うまくいくものではありません。債務者の性格や立場をにらんで、効果的な方法を選択しましょう。請求方法の選択についても、慎重であるべきです。相手の対応や誠意に応じて、緩急自在な方法がとれるように、様々な手段を研究しておくことが大切です。
また、具体的に回収が見込める回収見込額を把握しておくことが必要です。たとえ不動産を担保にしていたとしても、競売を行った場合の不動産の売却や価額は通常は市場価格より低くなります。また、保証人がいたとしても、保証人になった時点では十分な資産をもっていたが、回収を実行する時点では資産が減少していて、全額回収できないということもあります。
債権回収の最後の手段は、訴訟ということになりますが、そのためにはいつ訴訟になってもいいように、常々準備をしておくことも必要でしょう。契約書や受領書、借用書など、債権の存在を証明するような文書は、きちんとそろえておきましょう。証拠書類がそろえられないような場合は、証人となれる人を確保しておくことです。


著者
芥川 基
2012年6月末現在の法令等に基づいています。