ビジネスわかったランド (総務・庶務)

担保、保証、債権回収

不良債権にしないためには?

債権はもっているだけでは意味がない!
債権が発生する原因にはさまざまなものがあります。売掛金債権は当事者間の取引、貸金返還債権はお金の貸し借り、損害賠償請求権は交通事故や離婚、当事者の約束違反によって生じます。債権の内容によって債権者のとりうる手段は異なってきますが、金銭債権の回収を検討するうえで共通していえることは、債権をもっていても回収できなければ意味がないという点です。
債務者の支払意思・支払能力ともに十分であれば、不安は少ないでしょうが、債務者からの支払いに不安要素があり、なおかつ、債権額に見合う担保や保証人がいないということになると、回収困難な不良債権となってしまう可能性があります。
債権者や企業の債権管理担当者は債権の不良債権化を防ぐために、平時から契約書の整備や担保額のチェック、債務者との緊密な連絡を怠らないようにしなければなりません。
とくに、大切なのが時効です。債権は種類にもよりますが、10年間権利行使しないと消滅するのが原則です。売掛金代金請求権にいたっては2年で時効消滅します。債権者は、債権が時効により消滅しないように気をつけなければなりません。


著者
芥川 基
2012年6月末現在の法令等に基づいています。