ビジネスわかったランド (総務・庶務)
経費節減のアイデア
福利厚生費を削減する20のアイデア
(1)法定福利費の増大に歯止めをかける
企業の社会保険料負担は、保険料率の引上げ等によって今後も年々増加する傾向にある。そこで、補助的業務については、社会保険に加入させる必要のないパートタイマー、アルバイト、高齢者の活用を積極的に進め、自社の正社員比率を低下させて法定福利費負担の軽減を図る。また、ある程度のスキルが要求される業務については、派遣元である人材派遣会社が保険料を負担する派遣社員の活用も検討する。
(2)社宅制度を廃止する
従業員の転居・転勤などの際に、維持管理コストのかかる社宅は廃止し、売却する。どうしても必要な場合は社宅を借り上げるか、住宅手当の補助を行なう。
(3)借上社宅家賃の値下げ交渉をする
現在借り上げている社宅の家賃を近隣の賃貸相場と比較検討し、割高なものについては値下げ交渉を行なう。
(4)社宅使用料の見直しを行なう
社員から徴収する社宅使用料について見直し、たとえば近隣の賃貸住宅の家賃相場と比較して半分以下であるような場合は、そのレベルまで使用料を引き上げる。また、社宅に入居していない社員の住宅手当と社宅入居者の会社負担額とのバランスも考慮する。
(5)社員旅行を廃止する
いままで恒例行事として行なっていた会社負担の社員旅行を廃止する。もともと敬遠気味だった若年層の社員からは、むしろ歓迎されるかもしれない。全廃することに抵抗があれば、日帰りのレクリエーションに切り替えて、負担金額を減らす手もある。
(6)社員旅行や社内行事は親睦会と共催とする
レクリエーション的な社内行事については、全額を会社負担とするのではなく、社員の親睦会からも積立金を拠出してもらう形で行なう。
(7)社内サークル、運動部などへの補助金をカットする
大企業の運動部ならいざ知らず、中小企業で慣例的に行なわれていた社内同好会などへの補助に今日的意義は希薄だ。金額としては大きなものではないが、従業員個人の趣味活動と捉えて全額カットしても大きな反発は起こらないだろう。
(8)制服を廃止する
工場における作業服などは安全上や汚れの面からも必要だが、オフィスにおける女性社員の制服についてはあまり必然性がない。現に外資系企業や一部の金融機関でも、私服で勤務しているところがある。一定のドレスコードを定めることは必要だが、制服そのものは廃止しても特に問題は起こらないだろう。
(9)貸与する作業服は一着だけにする
一般的に作業服は夏冬各2着ずつ貸与することが多いようだが、これを各1着ずつとする。また、スペアの作業服が必要な場合は、希望者には安価で譲るようにすれば、大切に取り扱う意識も高まる。
(10)通勤手当のチェックを行なう
通勤手当は全額支給している会社が多数を占めるが、合理的で経済的なルートかどうかを洗い直し、不正な請求がないかチェックする。特に、自宅から最寄駅までのバスについては、実際には自転車やバイクを利用し、利用していないケースも多くみられるため、しっかりとチェックしたい。
(11)通勤手当の上限を設ける
非課税限度額まで通勤手当を支払う企業が多いが、遠距離通勤の増加などにより企業の負担は増加傾向にある。このため、「○万円を支給の上限とし、それを超える分については自己負担」という規定に改める。
(12)住宅手当の見直しを行なう
住宅手当の支給基準について、独身・既婚、持家・賃貸、また職階別に定めている場合は、たとえば独身・既婚のみの基準に単純化する。管理が容易になり、住宅手当総額の肥大化を防止できる。
(13)会社主催の宴会やパーティを減らす
近頃は減少傾向にあるものの、恒例行事として会社主催の納涼会、忘年会などを催す企業も多い。直接かかる経費に加え、準備や実施にかかるマンパワーもバカにならない。業績低迷時には思い切ってこれらの催しを中止し、業績回復のあかつきに、改めて慰労会や目標達成パーティなどを開けばよいだろう。
(14)パーティはなるべく社内で行なう
社内的なパーティを行なう際には、ホテルや飲食店をなるべく利用せず、自社の会議室等を使って立食形式にする。最近は料理のケータリングサービスなども充実してきたので、これらを利用すれば、さほど「格落ち」感を抱かせないはずだ。
(15)契約している福利厚生施設を見直す
法人契約しているリゾート施設、スポーツクラブ、ゴルフ場などについて利用頻度を調査し、利用率の低いものについては解約あるいは売却する。
(16)直営保養所は廃止する
直営の保養所は、運営経費が多額に上ることと、マンネリ化によって従業員から敬遠されるなど、維持するメリットは少ない。思い切って売却するか他の企業に貸し付け、自社は福利厚生のアウトソーシングサービス等を利用する。
(17)社員食堂の業者を見直す
社員食堂の運営を業者に委託している場合、現在の業者にかかるコストとサービス内容を再検討し、場合によっては他の業者に切り替えることも検討する。給食サービスは成長産業ながら競争も激しく、相見積もりをとって提案させるようにしたい。
(18)社員食堂のメニュー単価を引き上げる
社員食堂での食事の代金は会社の補助があるため、街の飲食店に比べ安価に設定されている。このため、メニューの統廃合や新メニューの追加の折に、単価を若干引き上げても負担感は少ない。ただし、「値上げしたのにまずいまま」といわれないように、一定の質を保つことは必要だ。
(19)残業食補助を廃止する
企業によっては、一定の時間以降、残業をする社員に対して、現物で食事の補助や手当を出すところがある。これはむしろ無駄な残業を奨励することにもつながりかねず、コストとしてもバカにならない。このような時代遅れの制度は廃止すべきだろう。
(20)社員向けのコーヒーを有料化する
これまで利用していたインスタントコーヒーを1人用のドリップコーヒーに切り替え、品質を上げる代わりに1杯20~30円の自己負担をしてもらうことにする。コーヒー好きには好評となるはずだ。
月刊誌「企業実務」臨時増刊号より
2009年4月末現在の法令等に基づいています。
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