ビジネスわかったランド (総務・庶務)
経費節減のアイデア
事務管理費を削減する30のアイデア
(1)事務用品は総務で一括購入する
部門ごとで購入すると重複が発生したり、全体の購入量をコントロールしにくいため、総務部門で一括して購入・管理する。
(2)各部門から事務用品の購入申請書を提出させる
事務用品の購入申請書には、品名・金額・目的などを記入してもらい、購入の可否は総務で決定し、一括して手配する。各部門に購入を任せると、同じ規格のものでも割高なものを買ってしまったり、コスト意識が希薄なためムダが生じることが多い。手続き的には面倒だが、節約の意識を植え付けるための効果がある。
(3)新たに文具を使うときはノートに記帳させる
ノートに記帳させることにより、使用者や使用頻度がわかるため、どこに問題があるか明らかになる。また、記帳するだけであっても本人にとっては面倒なため、かえって事務用品の大切さを意識するようになり、漫然とムダ使いをすることが減少する。
(4)文房具に名前シールを貼る
社員の名前シールを貼ることで、各人に管理責任のあることを意識させ、紛失等を防ぐ。
(5)事務用品の購入はカタログ通販を活用する
品揃えが豊富で、一般の文房具店より割安な通販の利用を検討したい。通常、翌日配達であるため、時間と経費の削減に役立つ。
(6)カタログ通販は複数社を比較・検討する
通販会社によって、商品価格はもちろん、発注量に応じた送料の有無や品揃えが異なる。自社の発注量や必要な商品について考慮した上で、有利な通販会社を選択すること。
(7)品質が同じならノーブランド品を使う
事務用品でナショナルブランド品と同等のノーブランド品があれば、積極的にこれに切り替える。ただし、安いだけで使い勝手の悪いものもあるので、品物の見極めは必要だ。
(8)発注頻度を変更する
これまで多品種・大量発注で長期在庫だったものを、種類を絞り込み、少量多頻度発注に切り替える。ただし、そのまま多頻度発注に移行すると事務用品の管理担当者の負担が増えてしまうため、しっかりとした在庫管理体制(たとえば、パソコンで品目別の在庫数量をチェックできるしくみ)をつくっておき、事務の省力化も図ることが必要だろう。
(9)社員個人の事務用品の使用状況を管理する
事務用品のムダ使いや紛失を防ぐため、事務用品請求カードをつくって、社員個人の使用状況を管理する。前回請求から間もない場合や他の社員より量が多い場合は、その理由を確認し注意を促す。
(10)キャビネットは増やさない
オフィスにおける収納スペースの割合はバカにならない。収納スペースが増えれば、書類もそれにしたがって増える。「その書類は本当に保存する必要があるのか」ということを各人が意識し、「心配だから取っておこう」と安易にキャビネットに書類を放り込んでおく態度を許さない雰囲気づくりも有効だ。ペーパーレス化の観点からも、キャビネットはこれ以上増やさず、書類の整理を図るべきだ。
(11)保存文書のペーパーレス化を進める
保存文書については、紙ファイルによる保存方式を改め、スキャニングやデータベース化によってペーパーレス化を図る。オフィススペースが広がるはずだ。ただし、どんなメディア(MO、CD│RWなど)に保存するかは、将来的なことを考え、十分に検討する必要がある。また最近は、文書を高速でスキャンできるコンパクトなカラースキャナも登場している。
■高速カラースキャナ問合せ先
株式会社PFU 0120-37-9089
http://www.pfu.fujitsu.com/products.html
(12)メモ用紙は買わない
伝言メモなどは、ミスコピーの裏紙などで十分だ。大型のカッターで適当な大きさに切り揃え、小型のトレーに入れておけば使いやすい。また、電話を受けることの多い職場では、パソコンで伝言メモのフォーマットを作成し、簡易印刷機(コピー機はなるべく使わない)で裏紙に印刷しておく。必要最小限の事項を記入するだけでよいので、事務の省力化の面でも役に立つ。
(13)ゴム印は社名・住所・電話番号など別々のものにする
会社のゴム印は、社名・住所・電話番号・代表者名など別々につくり、使用時には必要なものだけを組み合わせる。これにより、何種類もゴム印をつくる必要がなくなる。
(14)社内で使う封筒は使用済みのものを使う
封筒に社内便用の用紙を貼り付け、何回も使えるようにしておく。
(15)詰め替え可能な文具を使用する
たとえば、ボールペンなどは替え芯を用意しておき、使い捨てにしない。ただし、メーカーによって規格が異なるので、できるだけ同じメーカーの製品を使うことが前提になる。
(16)トナーはリサイクル品を使う
レーザープリンタのトナーのように比較的高価なものは、リサイクル(詰め替え)品の利用を検討する。
(17)あらゆる消耗品についてリサイクルの対象とする
たとえば、紙ファイルやバインダー、フロッピーディスクなど、ラベルを貼り替えたり初期化することで再利用できるものについてはまとめてストックしておき、新品を下ろす前にこちらを使うように習慣づける。
(18)社内文書のコピーは、裏紙を使う
対外的な文書と社内文書を意識して峻別し、社内文書についてはミスコピーや不要になった書類の裏紙を利用する。ただし、紙詰まりには注意すること。
(19)ファクシミリの用紙にもコピーの裏紙を使う
現在、オフィスのファクシミリはほとんどが普通紙なので、紙詰まりにさえ注意すれば裏紙でも問題ない。
(20)カラーコピーはなるべく使わない
一般的な社内文書にはカラーコピーは使用しない。対外的に効果のある文書の場合だけ利用を認めるようにする。
(21)大量の文書印刷には簡易印刷機を使う
販促資料や全社員向けの文書など、大量に同じものを印刷する場合には、コピー機を使わず簡易印刷機(リソグラフなど)を利用する。最近は印刷品質も向上しており、対外的な文書に使用しても問題ない。あらかじめ、コピー機と簡易印刷機のランニングコストを比較・検討しておき、コピー機の前に「何枚以上の場合は簡易印刷機を使うこと」と明記しておく、あるいは用途別にどちらを使ったほうがメリットがあるかという表をつくっておくと、利用者の意識も高まり、効果が出るだろう。
(22)A4の文書2枚はA3文書1枚でコピーする
カウンター料金節約のため、A4判2枚はA3判1枚というように組み合わせてコピーする。
(23)会議資料を減らす
プロジェクターの利用、出席者の厳選などにより、コピーする会議資料も減らす。コピー代のみならず、人件費の削減にもつながる。
(24)回覧文書を廃止する
社内LANの利用によって、回覧文書はすべてメール送信し、ペーパーレス化を図る。
(25)年賀状は手書きをやめ、パソコン作成にする
これまで営業や総務の社員が手書きしていた年賀状の宛名をデータベース化し、パソコンで出力するようにする。住所変更や喪中のチェックは必要だが、大幅に省力化できる。
(26)磁気カードによる勤怠管理システムを導入する
これにより、給与計算のスピードアップと省力化が図れる。ただし、システム導入の経費(初期費用とランニングコスト)と事務管理費用のバランスを考えることが必要。比較的従業員数の多い事務所や工場では有効だ。
(27)手書きの伝票を廃止し、すべてパソコン(オフコン)入力に切り替える
転記や入力の手間を減らし、大幅な省力化が見込める。また、社内LANが整備されていることが前提だが、日常的な交通費や旅費の精算も各人のパソコンから行なえば、さらに事務作業はラクになる。ただし、各種のチェック体制も同時に構築しておかなければならない。
(28)定期購読している新聞・雑誌を見直す
定期的に購読している雑誌や業界紙を見直し、業務への必要性の薄れたものについては購読をとりやめる。たとえば、かつて研究を行なっていた分野から全社的に撤退したような場合、当時必要だった専門誌(紙)はさしあたって不要となる。業務に直接関連しないものでも継続して購読すべきものもあり、専門性の高いものほどその峻別は難しいが、少なくとも管理部門ではチェックを怠らないようにしておきたい。なお、部門単位で購読している場合は、新聞・雑誌代を部門ごとに予算化しておけば、購読誌が厳選される可能性がある。
(29)購読している新聞・雑誌などにダブりがないかチェックする
同じ雑誌を複数の部署で購読しているケースがよくある。これをまとめて雑誌コーナーなどに一元化し、誰もが閲覧できるようにする。
(30)一般紙と日経は購読しない
社員は、自宅で一般紙(朝日・読売・毎日など)を読んでくることが多く、日経についても駅の売店などで買ってくる人は多い。思い切って会社で購読するのは、日刊工業、日経流通、各業界の専門紙などに絞るのも一つの手。
月刊誌「企業実務」臨時増刊号より
2009年4月末現在の法令等に基づいています。
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