ビジネスわかったランド (総務・庶務)

経費節減のアイデア

OA管理費を削減する30のアイデア

(1)コピー機契約を見直す
イニシャルコストとランニングコストを比較検討し、リース切れなどの時期には、現在使用しているメーカー(代理店)との契約を見直す。なお、見直しにあたっては、2、3社から見積りをとり、機能、品質、メンテナンス、トータルコストの面から検討を加えて決定するものとする。ここで注意したいのは、たとえばいくら高性能・高機能でも、自社の使用状況を見てあまり必要のない機能ならその部分は評価しないということ。コピー機に限らないが、メーカーや代理店がアピールする利便性と自社にとっての利便性は必ずしも一致しないということを心得ておきたい。

 

(2)コピーカウンターの貸出使用を行なう
コピー機を使うときには、総務で管理しているカウンターを貸し出し、利用者名と枚数を記入する。大人数のオフィスの場合は、課単位でカウンターを備え、課長の了承を得た上でコピー機を使用する。この場合には、課別に月間使用枚数を集計し、必要以上に使っていると思われる課に対しては注意を促す。昔ながらの管理方法だが、この煩わしさが「このコピーは本当に必要か」という意識づけにつながる。

 

(3)OA機器は買取りからリースに切り替える
高価なOA機器は、買取りだと一時に多額の支払いが生じ、資産計上して減価償却を行なわなければならないが、リース契約ならリース料の支払いのつど費用計上できる。トータルの支払額は割高になるものの、総合的に見て、一定額以上の機器についてはリース契約にしたほうが有利といえる。

 

(4)使用するソフトは社内で統一する
社内で使用するソフトがバラバラだと、互換性がなく個人レベルでしか利用できない。少なくとも基本的なソフト(ワープロ、表計算、データベース)については同じものに統一すべきだ。

 

(5)パッケージソフトはダウンロード版で購入する
ダウンロード版は、箱やマニュアルのない分、割安だ。ただし、パソコンの量販店では、それより安く売っているケースもありうるので、価格調査は怠れない。

 

(6)多人数が使用する業務用ソフトはライセンスパックを利用する
業務用ソフトは個別購入ではなく、割安な業務用のライセンスパック制度で購入する。

 

(7)ソフトのバージョンアップは慎重に行なう
ユーザー登録していると、頻繁にバージョンアップの案内がくるが、これには慎重に対処したい。料金だけが問題なのではなく、そのバージョンアップが自社にメリットのあるものなのかという問題もあるからだ。さらに、前のバージョンとの互換性についても確かめておかねばならない。

 

(8)ウイルスソフトは必ずインストールする
インターネットに常時接続することが当たり前になり、便利になった反面、常に無数のウイルスに脅かされる時代となった。ウイルスに感染すると、そのパソコンのみならずLANで結ばれている他の多くの端末も危険にさらすことになり、業務に深刻な影響を及ぼしたり大きな損害をもたらすことになる。また、自社内のみならず、取引先のネットワークにもウイルスを媒介してしまうことにもなりかねない。ウイルスソフトをインストールすることは当然だが、それだけで安心してはいけない。ウイルス定義を常に更新しておかないと、新種のウイルスに感染してしまう恐れがあることを忘れないようにしたい。

 

(9)社内ネットワークにはファイアウォールを構築する
外部から社内ネットワークに侵入されてしまうと、莫大な損害を被ることになる。このため、セキュリティを確保するには外部との隔壁を設ける必要がある。

 

(10)フリーウェアやシェアウェアを利用する
製品としてのソフトウェアではなく、インターネット上にアップロードされている多くのソフトがある。このうち、無料のソフトをフリーウェア、謝礼程度(数百円から高くても数千円)の安価なソフトをシェアウェアという。ネット上で配布されるものはまさに玉石混淆だが、なかには非常に利用価値が高く、製品版に劣らない機能を備えたものもある。評判のよいもの、定番のものについては、コンピュータ雑誌の付録(CD-ROM)などにも収録されているので一度試してみたらいいだろう。

 

(11)旧型パソコンも用途を絞って活用する
旧型のパソコンであっても、ワープロや表計算といった機能だけに絞って利用すれば、まだまだ役に立つ。ただし、古いパソコンはCPUの速度が非常に遅く、データの転送速度や画像の処理能力という面では、現在主力となっている機種にはとうていかなわない。また、ネットワークでの使用を前提としていない機種の場合、LANケーブルが接続できない可能性もある。このため、LAN環境には組み込まず、スタンドアローン(独立した形)で使用したほうがいいだろう。

 

(12)周辺機器を共有する
社内LANの構築によって、プリンタなどの周辺機器を各端末で共有する。

 

(13)OA機器のメンテナンス契約を検討する
機器によって異なるが、故障時の修理費用と購入時の割増分をハカリにかけて考える必要がある。比較的高価な機器については、メンテナンス契約を結んだほうが結果的に割安となることが多い。

 

(14)退勤時には必ずパソコンの電源を切る
パソコン本体の電源は切っても、プリンタやMOドライバ、外付けハードディスクなど、周辺機器の電源を切り忘れることは多い。コピー機なども同様だ。最終退勤者が退出する前に、フロア全体の電源をチェックし、記録簿をつけるようにしたい。

 

(15)複合機の導入を考える
コピー、ファクシミリ、プリンタの複合機なら、ファクシミリ文書のデータ化も可能だ。オフィスの状況、機器の使用頻度により導入を検討したい。

 

(16)レーザーカラープリンタは導入しない
オフィスでは、それほどカラー印刷は必要とされない。一般の企業であれば、カラー印刷は安価なインクジェットプリンタで十分だ。

 

(17)無線LANの導入を検討する
オフィスの状況にもよるが、無線LANを導入できれば、オフィスレイアウトの変更にも低コストで柔軟な対応ができる。

 

(18)バックアップメディアを統一する
CD-RW、MOなど、何度でも書き替えができ、保存性のよいメディアにバックアップするように定めておき、紙の状態での保存を極力減らす。以前に比べ、メディアやドライブは非常に安価になってきたので、導入へのハードルは低い。

 

(19)書類は共有ファイルに保存する
ペーパーレスの観点からは、紙に出力した文書(データ)は保有すべきではないが、なんらかの理由で紙の形で保管する場合は、個人では持たず、共有のファイルに保存する。同じ書類を複数の人間が持つことは極力避けたい。

 

(20)データも共有フォルダに保存する
LAN環境にあれば、共有すべきデータは共有フォルダに保存しておき、それぞれのパソコンからアクセスできるようにしておく。

 

(21)PDFファイルによる保存を検討する
事実上世界標準となった「アクロバットリーダー」は無料配布されており、PDF形式で書類を保存しておけば、ほとんどのパソコンで閲覧することができる。長く保存する書類についてはPDF形式による保存を検討すべきだろう。

 

(22)むやみにプリント出力しない
文書作成中に何回もプリントすることは用紙やトナーのムダにつながる。完成文書でも、メール送付でこと足りるものであればプリントしないよう心がける。

 

(23)社内文書の雛形をつくる
定型的な文書については何パターンかテンプレートをつくっておき、パソコン上で誰でも書き込めるようにする。文書作成の時間を短縮し、文書形式の統一が図れる。

 

(24)フロッピーディスクはなるべく使わない
フロッピーディスクはきわめて安価になったが、容量も小さいため、その程度のデータなら電子メールで受け渡しできる。また相手のパソコン環境にもよるが、フロッピーディスクドライブを内蔵したパソコンも少なくなったことから、必要性は薄れているといえる。

 

(25)電子メールには署名を設定する
自動的にメールの末尾に、社名・氏名・住所・電話番号などが入るよう、「署名」の設定をあらかじめしておく。相手によって使い分けられるよう、何種類か設定しておくと時間効率が上がる。

 

(26)メールは分類して保存する
多くのメールソフトは、複数の受信フォルダを設定できるようになっている。たとえば、取引先、社内通達、プロジェクト関係などとメールを分類できれば、情報整理の効率が上がる。

 

(27)運賃計算・路線探索ソフトを活用する
「駅すぱあと」や「乗換案内」などの運賃計算や路線探索のソフトを使えば、交通費の精算や出張時のスケジュール確認のため、わざわざ時刻表を調べたり、駅に問い合わせる手間が省ける。また、通勤費(定期代)支給にあたっても、最も合理的な経路を探索し定期運賃も表示するため、これらの事務については格段に省力化できる。

 

(28)パソコンで自社の名入りの請求書や納品書をつくる
パッケージソフトを利用すれば、自社独自の帳票を容易につくることができる。もちろん、そのデータは会計ソフトに連動するため、記帳、集計などの手間が省ける。

 

(29)請求書や納品書のフォーマットは窓開き封筒にあわせて設計する
パソコンで出力した帳票をそのまま封筒に入れて郵送するため、相手の住所、氏名などの位置を封筒の窓の寸法に合わせる。これにより宛名書きの必要がなくなる。

 

(30)パソコンショップのポイントカードを活用する
パソコンや周辺機器、サプライ品などを購入する際には、ポイントカードの割引を利用する。一般に会社の購入金額は個人より大きいため、意外に節約効果がある。



月刊誌「企業実務」臨時創刊号より
2009年4月末現在の法令等に基づいています。