ビジネスわかったランド (総務・庶務)

経費節減のアイデア

旅費交通費を削減する30のアイデア

(1)出張の際には、割引切符を利用する
頻度の高い出張地(たとえば地方の営業所から東京の本社といったケース)の場合は、新幹線等の回数券を利用する。ただし、有効期限があるので注意が必要だ。

 

(2)金券ショップを積極的に利用する
航空機、列車とも金券ショップを積極的に利用したい。大口なら交渉によって店頭価格より安く手に入ることもある。自動車での出張の場合は、ハイウェイカードや首都高速、阪神高速などの回数券(バラ売り)を利用したい。

 

(3)列車で長距離出張をする場合には、往復割引を活用する
JRの場合、片道601キロ以上の場合、往復切符を買うと運賃が1割引になる。601キロにわずかに足りないケースでは、その先まで買ったほうが、むしろ割安になるケースもある。事前に運賃計算ソフトなどで確認してから切符を購入しよう。

 

(4)周遊きっぷを出張にうまく利用する
JRの「周遊きっぷ」のゾーンに指定されている地域で複数の顧客を訪問するような場合、これを利用すれば、その地域内は乗り降りが自由にできるため経済的。ゾーン内では特急も自由席なら利用可能だが、新幹線についてはJR各社によって基準は異なる。また、出発地(帰着地)からゾーンの入口(出口)まで201キロ以上あることが必要で、ゾーン内の有効期間は原則として5日。行き・帰りの運賃は2割引となる。オーダーメードの切符なので、しっかりと計画を立てて上手に利用する。

 

(5)グリーン車の利用禁止
かつては、「役員と部長はグリーン車、課長以下は普通車指定席」などと、職階別に利用できる車両に差をつけていたが、これを撤廃し、役員であっても普通車に乗るよう徹底する。座席が広くなりクッションもよくなったことで、最近の長距離列車は普通車でも十分快適だ。

 

(6)スーパーシート利用の禁止
列車のグリーン車同様、国内線航空機のスーパーシート利用は例外なく禁止する。国内出張の場合、航空機に乗っている時間はせいぜい2時間程度であり、エコノミーシートで十分だ。

 

(7)航空機利用の出張の場合は、なるべく早めに航空券を予約する
旅程の確定した遠方への出張の場合は、金券ショップに問い合わせたり、以下のような航空会社の割引制度をフルに活用する。

 

(8)航空機は超割(ANA)、バーゲンフェア(JAL)を利用する
遠方への出張の予定が早いうちからわかっているときは、これらの割引搭乗券を利用する。正規運賃の半分以下になることも多い。割引については、時期や便によって内容が異なるので、各航空会社のホームページを参照のこと。
 

(9)国内航空券の手配に専門旅行会社を利用する
航空運賃の割引制度があるが、効果的な利用は少々煩雑。手間を省きたいなら有利な航空券の手配を専門とする旅行会社を利用するとよい。

(10)インターネットで航空券を予約する
やむなく当日に航空券を購入する場合は、空港で購入せずインターネットで予約する。窓口で買うより安く購入できる。

 

(11)出張にパックツアーを利用する
たとえば、東京から札幌や福岡に出張する場合、往復航空機ホテル付きのパックツアーを利用すれば、割安なケースが多い。場合によってはホテル代がまるまる浮くこともある。いわゆる「出張パック」だけでなく、一般観光客向けのパックもチェックしておく。おトク度は、出張の時期によっても異なるが、こまめに情報収集をしておきたい。

 

(12)チェーン展開の格安ホテルを利用する
定期的な出張や主要都市への出張では、チェーン展開する格安ホテルを利用する。夜食や朝食サービス付きのところもある。なお、ホテルチェーンによっては、メンバーズカードを発行して、利用回数に応じた特典(たとえば、10回利用するごとに1泊無料など)をつけているところやインターネットで予約すると割引サービスが受けられるケースもある。常にホテルチェーンのホームページや価格比較サイトをチェックしておきたい。

 

(13)宿泊するホテルを統一して、割引交渉を行なう
これまで比較的利用率の高いホテルに絞って、できるだけ多く利用することを条件に割引するよう交渉してみる。

 

(14)ホテルの予約はインターネットで行なう
「YAHOO!トラベル」といったサイトからホテルを予約すると、割引を受けられることが多い。サイトによって割引率が異なることもある。比較して有利なところで予約したい。なお、ホテルのサイトでダイレクトに予約を入れたほうが有利なこともあるので、こちらも比較しておきたい。インターネットによる主な宿泊予約サイトのURLは以下のとおりだ。
■主な宿泊予約サイトのURL
・YAHOO!トラベル国内宿泊予約
http://domestic.hotel.travel.yahoo.co.jp/

・楽天トラベル
http://travel.rakuten.co.jp/

・日本旅行
http://www.nta.co.jp/

・Eクーポン(近畿日本ツーリスト)
http://yado.knt.co.jp/

・旅館ホテル予約情報(JTB)
http://dom.jtb.co.jp/yado/

 

(15)女性社員の出張にはレディースパックを利用させる
女性社員は防犯に気を配るため、割高なホテルに泊まらざるを得ないことがある。その場合には、レディースパックなど、女性限定の割引をしているホテルを勧める。

 

(16)出張にウイークリーマンションを利用する
同じ場所に3泊、4泊する場合には、ビジネスホテルに泊まるよりウイークリーマンションを借りたほうが得だ。長期間逗留する場合は、マンスリーマンションの利用も考える。

 

(17)新幹線の一駅間利用を禁止する
たとえば、京都から新大阪、新大阪から新神戸といった1駅だけの新幹線利用は禁止し、並行する在来線を利用させる。

 

(18)出張時の日当を見直す
旅費規程に定められている出張時の日当について、単に切り下げるのではなく、合理的に現状に即しているかを見直す。結果的に経費節減につなげたい。

 

(19)出張人員をなるべく少人数にする
出張の目的にもよるが、一般の業務出張の場合は実務担当者のみに任せ、経費を抑える。社長や役員の出張の場合でも、むやみに部下を随行させないこと。

 

(20)商談はできるだけ自社で行なう
相手との力関係などにより一概にはいえないが、事情が許せば、先方に出向くより自社に来てもらったほうが経費・時間とも節約になる。

 

(21)タクシー利用を制限する
大きな荷物を持参している、代替の交通機関がない(たとえば、バスが3時間に1本しか来ない)など、やむを得ない事情がない限り、タクシーの利用を禁止する。

 

(22)タクシーチケットを廃止する
基本的にチケットは廃止し、重要な来客や接待の場合のみ利用を許可する。この場合、管理は総務部門で行ない、各部門の責任者の承認を事前に取った上で利用させるようにしたい。

 

(23)給油するガソリンスタンドを決め、割引価格で利用できるよう交渉する
会社の近隣にあるガソリンスタンドと交渉して、給油の際の割引やその他のサービスを受けられるようにする。

 

(24)ガソリン単価の高い都心部ではなく、安い郊外のスタンドを利用する
会社が都心部にある場合、オフィス街にあるガソリンスタンドは郊外のスタンドに比べ割高なことが多いため、郊外に出張した際に給油することを励行する。一般に街道沿いのスタンドは価格競争が激しく、セルフ店(自分で給油作業をするため、リッター当り1円程度安い)も増えている。

 

(25)ETCの利用を検討する
ノンストップで高速道路の料金所を通過できるETCだが、その普及のために料金割引制度が整備されつつある。車載の機器のコストはかかるが、自動車の利用状況によってそのメリットを検討すべきだろう。

 

(26)地方出張の場合は駅レンタカーを上手に利用する
地方で複数箇所を訪問する場合は、駅レンタカーを利用する。6時間4,500円程度で借りられるので、駅から遠い場合はタクシー利用より割安だ。また、同一箇所に複数人で出張する場合は、切符の購入とレンタカーを組み合わせると、JR東日本では同乗者の乗車券が2割引、特急券が1割引となる。

 

(27)午前中から用件のある出張には高速バスを利用する
朝一番の会議に出席したり、午前中に取引先を訪問する場合には、深夜の高速バスを利用する。前泊する必要がなくなり、新幹線よりも運賃は安い。

 

(28)都心部の取引先を何件も回るときは、1日乗車券を活用する
たとえば、東京の営団地下鉄(東京地下鉄)の初乗り運賃は160円だが、1日券は710円、営団・都営地下鉄共通1日券は1,000円だ。行動パターンによってうまく活用したい。また、東京に限らず各地の地下鉄・市営バスなどの1日乗車券が発売されているので、出張時などに利用できる。

 

(29)通勤定期代は6か月の定期運賃を支給する
通勤定期には、1か月、3か月、6か月の3通りがあるが、期間が長いほど割引率は高い。1か月、3か月ごとの支給をやめ、割安な6か月の定期代を支給するように切り替える。

 

(30)出張旅費は部署ごとに予算化する
出張についても部署ごとに予算化すれば、各人にその費用対効果の意識を高めることができる。おのずから、より経済的な方法やルートを考えることにつながる。

 


月刊誌「企業実務」臨時増刊号より
2009年4月末現在の法令等に基づいています。