ビジネスわかったランド (総務・庶務)

経費節減のアイデア

広告宣伝費・販売促進費を削減する34のアイデア

(1)いわゆる“お付き合い”の性格が強い、単発的な協賛広告はやめる
催し物のプログラム、花火大会のポスター、市民マラソンの小旗、キャンペーンの捨て看板の類いは効果が乏しい。

 

(2)費用対効果を考えて広告戦略を立てる
イメージアップ、イメージチェンジなど、手法が高度で、費用がかかる割に効果が得られにくい宣伝広告はできるだけ減らす。

 

(3)パブリシティを積極的に展開する
注目度が高い地元紙、地元TV局、地域情報誌には、社内のちょっとしたことでも情報提供する。こまめに案内をすると、パブリシティ(客観性をもった記事)としてタダで取り上げてもらえやすい。

 

(4)屋外広告の効果は毎年見直す
年間で契約している屋外広告は、ついダラダラと更新し続けていることがある。この種の広告は交通環境の変化で注目度が低下する恐れがあるので、常にその効果を見直す。設置場所や大きさ、形状についても年度ごとに再検討する。

 

(5)新聞広告等で注目度の高いスペースが取れない場合はやめる
新聞やミニコミ誌では、紙面の左上(右開きの場合は右上)が最も注目度が高いので、ここを使えないようなら広告掲載をやめる。

 

(6)広告媒体を絞り込む
“間口の狭い”業種・業態では、新聞やTVに宣伝広告を出していても訴求効果は低い。むしろ購読者を絞り込んだ直販型の月刊誌に毎月載せるほうが、経費的にも安上がりで効果も期待できる。

 

(7)ユーザー向け講習会は同じ講師、同じ業者でやってもらう
講習会の開催には、講師の謝礼や交通費、宿泊費が必要なほか、会場の設営費もかかる。実施が数か所にわたる場合、講師を一人に絞ってスケジュールを効率よく組み、できるだけ集中してやってもらうように交渉する。講師料、交通費が抑えられる。

 

(8)内見会や見本市などのイベント(催事)は、業者が暇なときに安くやらせる
相手から仕事を欲しがっている時期をうまく聞き出して、シーズンの3分の1、半額あたりから値段の交渉をしてみる。イベント会社、看板業者、会場設営業者、ホテル・貸し会場など、話の持ちかけようでは意外な返事が聞ける場合が少なくない。

 

(9)自社ショールームを貸し出す
自社ショルームを平日の午前、あるいは夜間に限って異業種に有料で貸し出す。

 

(10)ショールーム、展示場での各種案内に黒板やホワイトボードを利用する
頻繁に内容が変わっても手軽に変更でき、経費もほとんどかからない。

 

(11)催事業者の見積りは「積み上げ式」と「指し値式」の2つで出させる
業者に催事やキャンペーンなどの見積りを出させるときに、いくつかの項目の合算でいくらという「積み上げ式」と、上限は〇〇万円でどこまでできるかという「指し値式」の二つを考えさせるとよい。両方をつき合わせてみると、なくてもいいもの、安くてもいいもの、やり方を変えても不都合のないものがよくわかる。

 

(12)催事の雑作業は外部に任せる
催事につきものの駐車場整理、会場案内、アンケート回収、放送呼び出しといった作業を、社員にやらせると経費がかかる。休日出勤では特にそのための手当を出す必要がある。作業によっては外部(人材派遣会社など)に任せたほうが安くつき、対応がいいケースもある。

 

(13)看板等はまとめて発注する
日時や場所など、内容の一部を差し替え、貼り替えて使い回せる看板、表示物、POPなどは、その部分の変更した物もいくつか併せて発注すれば、新しくつくり直さずにすむ。

 

(14)印刷物等は業者の閑散期にまとめて発注する
年間を通して使う印刷物、シール、配布物、景品類は、できるだけその業界の閑散期、発注先のヒマな時期を狙って発注する。仕事が少なくて困っているときなら、ある程度値段の交渉もでき、多少無理な注文にも応じてくれることが多い。

 

(15)高額なパンフレットの発注は必ず競合させる
パンフレット類を発注する場合、いつも仕事を出している特定の業者に料金を見直しさせるため、金額の張るものは必ず何社かで競合させる。そのとき、同等または少しだけ高ければ、「あと〇〇値引きするなら」との条件付きで発注する。許容範囲を大きく超えていれば、それをきちんと伝えて安い見積りを提示した業者にやらせる。

 

(16)カタログで変更が予想される箇所は別紙差込式にする
商品パンフレットやカタログで数ページ以上になるタイプで、価格や仕様など変更・訂正の多いものは、本文中にそれらを載せないようにする。替わりに別紙差し込み式にして、大幅なつくり直しを避ける。

 

(17)ハウスオーガンは見た目より実利優先型に
ハウスオーガン(機関誌・PR誌・社外報)は、過度のビジュアル表現をなくし、印刷・紙質に金をかけるのもやめる。ただし、定期的に発行することによる積み重ね効果はあるので、異業種の協賛広告を募ったり、実利優先型のものに移行するなどして、情報発信を継続する。

 

(18)チラシはポピュラーな形式にする
チラシの制作・印刷費用を削るため、1)最もポピュラーなA4サイズで、2)特殊な紙や特殊なインクを使わず、3)フルカラーでなく単色、または2色刷り、という“基本型”に立ち戻る。また、印刷会社によってはストックしたままで使われない紙の処分に困っていることがある。それで支障がなければ利用するのもコストダウンにつながる。

 

(19)インターネットで遠隔地業者を探す
県外の、インターネットで印刷を安く請け負う業者に、できるだけ詳細な内容を伝えて見積りを出させる。ただ、日頃付き合いのある地元業者のほうが何かと安心で便利ではあるので、県外業者の見積りを見せて再考を促す。いたずらに値引きを求めるよりはるかに効果的。

 

(20)チラシ配布はシルバー層を活用する
チラシの配布やポスティングは若者のアルバイトが多いが、なかにはマナー無視の悪例も。そこで、シルバー人材センターのような、元気で体を動かすのが好きというシルバー層に依頼する。ていねいで、コスト面でも融通が利く。

 

(21)ハガキDMは表面も目一杯使用する
小型で訴求力があるハガキDM。実は広告宣伝をはじめ、通信にどこまでスペースを使えるかの間違いが非常に多い。通信面(裏面)全体が使えるのは当然として、宛名面(表面)もほとんど可。郵便法の改正で昭和59年以降、配達業務に支障がなければ全面的に使えるようになった。「半分以下」は誤り。

 

(22)DMにファックスを使う
郵送、宅配以外のDM送付の方法としてファックスが有効。安い電話回線業者を使えば、A4サイズで三枚送っても7円以下ということも可能。また、ファックスには一つの原稿を何百、何千、何万件という相手先に一斉に送信できる「一斉同報」という機能もある。

 

(23)郵便局等の数量サービスを活用してDMを送る
郵便局でも、宅配会社でも、ある程度数量がまとまれば一定の割合で料金を割り引きするサービスが設けられている。集荷無料、時間指定もOKなど、各種のメリットがある。

 

(24)ホームページは業者に外注せず、社内で自前で作成、更新する
見てくれがよくても内容が悪ければアクセスしてもらえなくなるだけでなく、高い制作費、更新するつどかかる費用は負担が大きい。特に専従スタッフを置くのはやめる。

 

(25)ホームページのアクセス数を増やすために専門業者を利用する
せっかくホームページをつくっても、アクセス数が伸びなければ意味がない。最近では大手検索ポータルの検索結果ページ上位への表示を請け負う業者もあるので、利用を検討する。
■検索型広告問合せ先
Yahoo! JAPAN リスティング広告 0120-056-559
http://listing.yahoo.co.jp/service/index.html

 

(26)POPに家庭用ラップフィルムを使う
POP(店頭広告)を長持ちさせるのに、ラミネート加工すると高くつく。もっと安直でそこそこでいいなら、厚紙を添えて家庭用のラップフィルムでくるむ。

 

(27)営業車両のボディを、PRやインフォメーション用スペースに使う
簡単に貼り替えができるタイプのステッカーを用いれば、“宣伝カー”としての役割も果たす。

 

(28)リテールサポート(販売店支援)は、貢献度に応じて段階的に差別化する
宣伝物の提供でいえば、よく売ってくれる店、いい場所に取り付けてくれる店、工夫をしてくれる店を優先する。レベルに応じて有料扱いにし、頑張って成果を出せば見返りがあるというふうにすると、販促費はかなり締まってくる。

 

(29)配布する販促ツールの利用状況をチェックする
キャンペーンやセール用の販促ツールは、費用の中で大きな割合を占める。だが、参加店には漏れなく配られていても店頭に出ていなかったり、目立つところに掲示されていない場合も少なくない。これを防ぐために該当する店にツールの利用を促すほか、利用状況をチェックして、できていない販売店には次回の配布をしないか、有料とする。

 

(30)自社名シールをつくって活用する
メーカーがつくったパンフレットやカタログ、チラシの取扱い店名(または社名)の部分が空欄になっているものは、そのままにしておくとなんの効果もない。業者のヒマなときに安く自社名シールをつくらせ、手が空いたときに貼っておく。スタンプだと押す手間がかかるわりに汚くて貧弱。

 

(31)景品類は発売元に直接発注する
売出しやキャンペーンに使う景品類は、ついいい加減に選びがち。日経流通新聞などの新製品情報欄をこまめにチェックし、よければ発売元に直接連絡して交渉すると、面白いものを安く入手しやすい。

 

(32)ノベルティは百円ショップの納入業者に当たってみる
プレミアムやノベルティの品選びで行き詰ったら、百円ショップに並んでいる商品の製造・販売元を直接あたってみるのも一策。数量や状況次第で安く分けてくれる業者もある。

 

(33)キャンペーンの説明はCD-ROMを使う
販売キャンペーンや新商品セールの実施に際して、ページ数の多い案内・説明文書が必要になることがある。また、イラストや写真などの図版、動きや流れがわかる簡単な動画も入れたいという場合、パソコンで情報をまとめ、CD-ROMに焼き付ける方法をとる。パソコンを使える店主には、印刷したものを読まされるより手軽だし、理解もしやすい。何より制作コストが小さくてすむ。

 

(34)顧客情報管理のあり方を定期的に見直す。
顧客情報は手入れを怠るとデータ量がどんどん増えていき、ハードディスクの負担が大きくなったり、データの保守管理に費用がかさむ。購買履歴や利用頻度、貢献の度合いなどいくつかの項目で取捨選択を判断し、常にシンプルでスリムになるよう心がける。

 

月刊誌「企業実務」臨時増刊号より
2009年4月末現在の法令等に基づいています。