ビジネスわかったランド (総務・庶務)

経費節減のアイデア

設備管理費・賃借料を削減する20のアイデア

(1)設備投資計画については慎重に検討する
新鋭の高性能機を導入して、生産効率を上げたいということは、どの生産現場でも考えることだ。しかし、それが自社の販売力に見合ったものかを十分考慮する必要があり、安易な設備導入は危険であることを認識しておく。

 

(2)中古の設備や機器の利用を検討する
生産用途に応じて、最新鋭機を導入しなくても間に合うケースもある。ただ新しく性能のよい機器を求めるのではなく、生産の目的に応じて設備や機器を選定し、中古品も視野に入れることが必要だ。



(3)同業他社と共同で設備導入することを検討する
新鋭の高性能機は一般に高価だが、これを同業他社と協力して共同で導入することを考えてみる。ただし、同業といっても、直接ライバル関係にあって競合する会社と協力しあうことは難しい。少なくとも双方の利害が一致することが必要だ。また、いくら友好的な関係であっても、生産時期のピークが一致してしまうと機械の取り合いになりかねない。そこで、利用計画、費用負担割合、管理責任などについてきちんと定め、共同利用にあたって信頼関係に基づいた協定を結ぶ必要がある。

 

(4)メンテナンスの容易な機種を採用する
導入する設備が特別仕様だったり新規開発品だと、故障時の修理の際に手間どることが多い。機械の停止が長期にわたると、思わぬ損失に結びついてしまう。動作が安定し、修理も容易な評価の定まった機種を採用することが望ましい。

 

(5)工具や機械設備の点検は毎日行なう
当たり前のことだが、毎日の始業時あるいは終業時に工具や機械の点検・整備を励行すること。これにより未然に故障を防ぎ、能率の向上を図ることができる。

 

(6)工具置場は常に整理整頓しておく
日頃から整理整頓しておくことは当然だが、能率面・安全面の両面で非常に重要だ。単にその重要性を説くだけではなく、整理整頓によってどれだけ作業効率が上がるかを数値化したり、自分の身を守るためにも役立つことを具体例で示し、教育・研修の場でもその大切さを強調しておく。

 

(7)比較的軽い故障は担当者が修理できるようにしておく
故障が発生したら、何もかも保全担当者やメーカーに任せてしまうのではなく、日頃その機械を使っている担当者が直せるよう、ある程度の知識を身につけておく。これにより、機械が停止している時間を最小にすることができ、工場全体のコストダウンにつなげることができる。

 

(8)保全担当者を多くの機種に精通させる
保全担当者は、自分の専門としている種類の機械だけでなく、それ以外の機械設備についても知識を持ち、あらゆる機種に対応できるようにしておく。

 

(9)不要になった機械設備は売却する
生産工程で使わなくなった設備は中古市場に売却する。まだ使えるものであっても、使用するめどが立たなければスペースをとるだけなので、合理的に判断したい。

 

(10)保全部門のアウトソーシングを行なう
設備の保全は必要不可欠な業務とはいえ、そのために多くの人員を抱えることは得策ではない。そこで、保全業務そのものを業務委託することを検討してみる。

 

(11)生産設備やOA機器は購入せずリースにする
リース契約を結べば、取得時に大きな資金を投入しないで設備の導入が可能になるが、中途解約ができないなどのデメリットもある。単に、新しい設備や機械を入れれば増産につながるという発想だけでなく、先々の生産計画や販売数の推移(ニーズ)を予測し、またその分野の技術革新のスピードにも配慮して、その損得を検討したい。

 

(12)設備投資の際には、税制優遇措置を考慮する
導入する設備により、割増償却や特別償却ができるなど、税制上の優遇措置が受けられる場合がある。とくに中小企業向けの税制優遇措置がいろいろと設けられているので、設備導入の際にはよく検討しておきたい。なお税制優遇措置は、多くの場合、時限立法であるため、常に最新の情報を収集しておくとともに、導入時期についても有利なタイミングを選ぶこと。中小企業への優遇措置などについては、中小企業庁のホームページ(http://www.chusho.meti.go.jp/index.html)が参考になるので、一度ご覧いただきたい。

 

(13)オフィス賃貸契約の更新時に家賃引下げ要求をする
都市部を中心に新しいオフィスビルの建設ラッシュとなっており、年数の経過したオフィスビルはだぶつき気味。店子としては強気に出るチャンスだ。

 

(14)事務所・営業所を移転し賃借料を削減する
引越しにかかる手間や経費は発生するが、オフィス環境やランニングコストを勘案して、事務所や営業所を移転するという選択肢も持ちたい。なお、移転に際しては賃借料の額はもちろんのことだが、営業拠点としての利便性、執務環境、従業員の通勤の手間などについても検討する必要がある。

 

(15)家賃引上げ要求には慎重な態度をとる
貸主からの引上げ要求に対しては、原則として拒否したいところだが、それによって関係が悪化してはあとあと悪い影響を残す。このため、慎重に交渉すべきだが、そのためには近隣の相場など客観的な資料を揃えておく必要がある。

 

(16)分散していたオフィスをまとめる
近隣に何か所かタコ足状になっていたオフィスを1か所にまとめ、効率化を図る。賃借料の節約のみならず、コミュニケーションもよくなり、執務環境の面でも効果が期待できる。

 

(17)近隣の営業所を統合する
顧客の分布にもよるが、たとえば同じ県内に複数の営業所がある場合には、統合を検討する。従業員の通勤問題や顧客へのサービス低下という問題も想定されるが、これをクリアできればオフィスの賃借料や管理費のみならず、間接部門にかかる人件費の削減も期待できる。

 

(18)清掃は終業後に社員が行なう
これまで外部業者に委託していた清掃業務を、社員が行なうようにする。ただし、これによって社員から不満が出る恐れがあるため、その経費節減分の一部を手当に反映させるなどのフォローは必要となろう。

 

(19)工場敷地内の草むしりを社員に行なわせる
「ボランティアデー」を設け、これまでシルバー人材センターなどに依頼していた草むしりを、終業後、社員にやってもらう。そのかわりに、年に1回程度、お礼の行事を開き、社員の労をねぎらうようにする。

 

(20)壁の塗装や床の材質を見直し、清掃を容易にする
オフィスや工場のリフォームや増改築の際には、なるべく汚れのつかない材料や塗装方法を選択する。初期費用だけでなくランニングコストを含め、総合的な見地から判断すべきだろう。

 

月刊誌「企業実務」臨時増刊号より
2009年4月末現在の法令等に基づいています。