ビジネスわかったランド (総務・庶務)

経費節減のアイデア

車両費を削減する20のアイデア

(1)自動車の燃費を向上させる
急発進や急加速、無駄なアイドリングは燃料を余分に消費する。また、重い荷物を積んだままにしておくことも燃費を悪くする。スムーズな運転を心がける。

 

(2)仕業点検を徹底する
車両の使用時には仕業点検を徹底させ、故障を未然に回避する。確実に実施させる方法として、たとえば、営業日報(車両使用日報)に、仕業点検項目の欄を印刷しておき、実際に点検して記入したものに上長のサインをもらってからでないと出発できないというルールをつくっておくことなどが考えられる。

 

(3)営業車の入れ替えまでの年数を伸ばす
たとえば、これまで5年程度で入れ替えていた営業用の乗用車を7年程度使用するようにする。

 

(4)営業車について買取りからリースに切り替える
リース契約の一番のメリットは、固定資産に計上することなく、毎月のリース料を経費化でき、入替時の資金負担も大幅に軽減できることだ。また、自動車税や保険料などもリース代金に含まれるため、保有している営業車の台数が多い場合、自動車管理にかかる事務負担全般について軽減できる。

 

(5)新車時のみ車両保険をかける
車両保険のコストはバカにならないため、購入して3年間のみ車両保険をかけ、初回車検後からは付保しないようにする。

 

(6)6か月点検は自分で行なう
これまで半年ごとに整備工場に依頼していた定期点検を、1年ごとに切り替える。6か月点検は基本的には自前で行なう。

 

(7)使用頻度によってはレンタカーを利用する
自動車の保有にかかるコストは、税金、保険料、駐車場代、メンテナンス費用など多岐にわたる。使用の頻度が低ければ、多少割高に思えてもレンタカーを借りたほうが長期的には経費節減になる。

 

(8)給油と走行距離を記録し、燃費をチェックする
営業スタッフに一台ずつ車を貸与している場合は、各人別に燃費をチェックし、燃費の悪い者については原因を究明する。走行距離や給油記録についても日報に記入することを義務づけ、これを定期的に集計することにより問題点がないか検討することが必要だ。

 

(9)経済速度を守らせる
速度制限違反をしないことはもちろんだが、極力、経済的な同じ速度で運転するよう意識づける。

 

(10)立体駐車場の設置を検討する
自社の駐車場が狭く、他に駐車場を借りなければならないようなケースでは、立体駐車場の設置を考えてみる。ただし、何年間で回収できるか検討することは必要だ。

 

(11)運行ルートを見直す
配送業務などの場合には一般的に運行ルートを決めておくが、これを定期的に見直す。新道の開通などによって状況が変わっていることもある。曜日・時間帯なども勘案し、最も効率的なルートを見つけてみる。

 

(12)タイヤの空気圧は常に適正に保つ
タイヤの空気圧が低下すると、タイヤが偏って摩耗したり、損傷を起こしやすくなる。また、異常発熱を起こし、思わぬ事故の元ともなる。このような安全面のみならず、空気圧不足は乗り心地を悪くし、燃費の面からも不経済をもたらす。ガソリンスタンドで給油する際など、こまめにエア・ゲージで測定してもらうようにしよう。

 

(13)車両入替時には適切な車種を選ぶ
社用車を選ぶ際には、燃費がよく、故障が少なく、安全性が高いことを基準にすべきだが、用途についても考慮する必要がある。これまで営業車は1,500CCのライトバンと決めていたとしても、状況の変化で、たとえば荷物を積む機会がなくなったとしたら、1,000CCの小型車で十分ということになる。コストパフォーマンスを考えて購入したい。

 

(14)営業車購入時のオプションは最小限にとどめる
ラジオやエアコンは必需品であり、また現在では標準装備になっているため問題ないが、その他のオプションについてはほとんどつける必要はない。ただし、積雪・寒冷地の4WD仕様、スノータイヤ、フォグランプなどについては事故防止のためにも備えるべきだ。現在、急速に普及しているカーナビも、ルートセールスに使うだけなら必要ないだろう。

 

(15)車検や定期点検は購入したディーラーにこだわらない
自動車のディーラーは購入した後のメンテナンスも請け負おうとするが、無条件にディーラーに依頼することはない。専業の自動車整備工場でも同様のサービスをむしろ廉価で提供してくれることがある。車検や定期点検時には面倒がらずに見積りをとり、自社に有利な条件を引き出そう。

 

(16)ディーラーの点検整備パックを検討する
最近、自動車ディーラーはメンテナンスについてのパック商品に力を入れている。自社の車に必要な項目が揃っており、割安であれば検討の価値がある。

 

(17)役員専用車を減らす
社長専用車、専務専用車などと役員別に車を確保せず、役員共通の車として利用する。場合によっては、複数の役員に相乗りしてもらい、総台数を減らす。

 

(18)毎日の役員の送迎を廃止する
社長や役員の「通勤」について、原則として社用車の利用はやめるようにする。昨今は、一部上場企業のトップであっても電車で通勤している人もいる。経費節減を訴えるのなら、範を垂れる意味からも、経営トップが率先して社用車利用を返上すべきだ。車両費だけでなく、人件費の削減にもつながるため、その節減効果は非常に大きい。

 

(19)役員専用車を廃止する
状況が許せば、役員車を全廃する。もし、それでは対外的に格好がつかないということであれば、社長車1台とし、他の役員も利用できるように改める。車両費のみならず、運転手の人件費も大幅に削減できる。

 

(20)役員車の運転手は管理会社からの派遣とする
役員車の運転手は社員ではなく、自動車管理会社から派遣してもらう。車の管理も含めて代行させる形になる。人件費が外注費になり、経費節減につながる。派遣されるのはたいていがベテランのプロドライバーであるため、安心できる。

 

月刊誌「企業実務」臨時増刊号より
2009年4月末現在の法令等に基づいています。