ビジネスわかったランド (総務・庶務)
経費節減のアイデア
物流・配送費を削減する20のアイデア
(1)同業他社との共同配送を行なう
これまで単独で行なっていた自社製品の問屋や物流センターへの配送を、近隣の同業他社と共同で行なうことにより物流コストを下げる。近隣に直接競合しない同業者があること、負担割合についてしっかりと取り決めること、運送会社と交渉することが必要だが、工業団地などで同様の需要があれば、検討する価値は大きい。
(2)倉庫内のレイアウトを見直す
材料や資材、仕掛品や製品在庫などを保管する倉庫は、管理が杜撰だとすぐにスペースがなくなってしまう。それどころか、どこに何があるかすぐにわからず、探すことに時間を費やす無駄も生じる。そこで、在庫の種類別にレイアウトを決めるとともに、これをパソコン入力して管理する。
(3)倉庫内の整理整頓を欠かさない
当たり前のことだが、倉庫内の整理整頓は常に行なうようにしたい。整理整頓は在庫管理の基本であり、ピッキングの手間が少なくなり、出入庫がスムーズにできるようになる。また、倉庫スペースの有効利用にもつながる。
(4)部品や材料の標準化を進める
部品や材料の標準化を進めることで、その種類を削減し、在庫そのものも削減する。つまり標準化が進めば、その部品や材料は多くの製品に共通のものとなるので管理しやすく、調達コストも安くなる。また、在庫量のコントロールもしやすくなるので、結果的に倉庫の保管スペースにゆとりが生まれることになる。
(5)通い箱の利用を推進する
製品や材料などの梱包材には、極力ダンボール箱を使用せず、再利用可能なプラスチック製の通い箱を利用する。資源節約の面からも有効であり、水濡れなどにも強い。通い箱の規格は統一しておき、重ねても崩れにくい形状のものを採用すること。
(6)包装資材を安価なものに切り替える
包装や梱包に利用する資材のグレードを落とし、中身に影響のないものについては、包装や梱包そのものも簡素化する。
(7)定型の梱包容器を利用する
コンテナやパレットなど定型の梱包容器を利用することにより、容器の再利用はもとより、積込みや整理を容易にすることができる。
(8)古い荷造り用ケースを社内用に再利用する
対外的には使えなくなった荷造り用のケースも、社内流通用に再利用できる場合もある。一律に廃棄処分することはせず、選別して再利用を推進する。荷造りケースに限らず、廃棄する前に「リサイクルできないか」と考えることは、経費節減の第一歩といえるだろう。
(9)荷物は配送順に積み込む
配送ルート順に荷物を積み込むことによって、積み下ろし・配送の効率化を図ることができる。もちろん、最後に配送するものを奥に、最初に配送するものを手前に積み込むことが原則だ。ただし、配送品の大きさや形が不統一な場合は、取り出しやすさを考慮して積み込むことが肝要。これにより、配送先での滞在時間が短縮でき、稼働時間全体も短縮できる。
(10)配送ルートの見直し
あらかじめ配送ルートが定められていても、年月の経過とともに配送先の取引量や頻度は変化している。これを再検討し、最も効率のよい配送ルートに改編する。
(11)地域ごとの指定日配送を行なう
配送の効率化のため、エリアごとに配送日を定めておき、これを厳守する。たとえば、全体の配送範囲を、県北部・中央部・県南部・郡部と4つにエリア分けしている場合、中央部は月曜~金曜の五日間、県北部は月曜と木曜の2日間、県南部も火曜と金曜の2日間、郡部は水曜のみというように配送日を設定する。もちろん、エリアごとの顧客数に応じて決めておくわけだが、こうしておけば配車管理もスムーズに行なえる。配送する品物の性質にもよるが、緊急配送には別枠で対応できれば問題ないだろう。
(12)発送単位の見直しを行なう
配送先との交渉を行ない、1回の配送量について最低単位を定め、なるべくまとめて発送できるようにして効率化を図る。
(13)少量発送は荷受主負担とする
配送先との契約や力関係にもよるが、一定量以下の配送については荷受主負担としてもらうようにする。
(14)押込み的な仕入れには在庫負担料をもらう
これも力関係しだいだが、仕入先の都合でやむなく行なう仕入れについては、在庫負担料をもらえるよう交渉する。
(15)輸送量に応じた配送手段を選択する
輸送量に季節変動や曜日による変動がある場合、トラックの大きさなど、臨機応変に変更できる体制をとっておく。具体的には、事前に委託している運送会社と交渉し、フレキシブルな体制をとってもらえるよう確約をとる。また、自社の望む条件が満たされない場合は、他の運送業者にアプローチして見積りをとることも必要となる。
(16)混載輸送の推進を行なう
種類の異なる荷物であっても、同地域に納入するものは同じ便で輸送する。ただし、納入期日の調整と品質保持に注意する必要があり、パソコン等による管理を行なうことが必要だ。
(17)卸売業では、なるべく直送を増やす
卸売業(中間流通業者)の場合、できる限り仕入先のメーカーから販売先の小売店に商品を直接納入してもらうようにする。運送費のみならず、卸売業者の倉庫管理費用の節減にもつながる。業種の違いや業界ごとの商慣習にもよるが、極力、現物の在庫を持たないようにすべきだろう。
(18)納品に社有車を活用する
納品先が比較的近距離で、小口の荷物の場合には、同方向・同地域のものをまとめて、社有車で納品することを検討する。ただし、人件費を含めて、宅配便を利用する場合とコスト比較を行なう必要がある。
(19)運送業者の再検討
これまで利用していた運送業者にこだわらず、他の業者からも見積りをとってコスト比較を行なう。ただし、安さだけでなくサービスの質を十分に吟味しないと、トラブルが生じた際には思わぬコストアップの原因にもなりかねない。総合的にみてリーズナブルな運送業者を選ぶこと。
(20)自社配送の場合、高速道路はなるべく使わない
配送の時間帯やルートを工夫することにより、できる限り高速道路を使わないようにする。配送先のニーズにより優先順位をつけ、配送の早さのみを絶対視しないこと。要は、全体のコストをどれだけ引き下げられるかを常に念頭に置くことだ。
月刊誌「企業実務」臨時増刊号より
2009年4月末現在の法令等に基づいています。
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