ビジネスわかったランド (総務・庶務)
経費節減のアイデア
外注費を節減する20のアイデア
(1)外注するか内製するかを見極める
直接経費だけをみれば外注したほうが安くても、外注管理費などを含めると内製したほうが割安な場合もある。自社の技術的な問題をクリアするために外注する場合もあるが、単純な加工工程などについては改めてコスト比較すべきだろう。
(2)外注加工の複数の工程を統合する
たとえば、これまで2つの外注加工工程があった場合、これを1つに統合し、トータルの外注費を低減させる。A社に1個30円で加工させていたa工程とB社に1個25円で外注していたb工程を合わせて、1つの会社に1個50円で請け負わせるようなケースだ。下請会社の設備状況にもよるが、コストダウンのためには検討したい事柄だ。
(3)外注先の生産工程を把握する
生産・加工を丸投げで外注していると、外注先の生産プロセスを把握していないことが多い。外注費(生産コスト)削減のためには、まず、外注先の工程をチェックし、交渉できるようにしておく。
(4)複数の外注先の候補から見積もりをとる
当たり前のことだが、生産体制などの条件が合致した複数の外注先から見積りをとり、業者選定を行なうことは基本である。これまで付き合いのある外注先であっても、フェアに対応することが必要だ。
(5)加工費が妥当かチェックする
外注先企業の実際の加工費を知ることは難しいが、『中小企業の経営指標』などの資料から、1人当り年間加工高を調べ、その妥当性をチェックすることは可能だ。
(6)納期厳守を徹底させる
外注先の能力や経営姿勢によっては、納期遅れが発生する。コミュニケーションを密にとってそれを防止するとともに、ボーナスやペナルティを契約に織り込むと、より効果が期待できる。納期について慣れ合いは禁物だ。
(7)外注先への技術指導を綿密に行なう
能力の高い外注先であっても、新しい仕事を発注する場合には技術指導をしっかりと行なうこと。当初はそれによりコスト増となるが、以後、安定して納期遅延や製造上のトラブルなく供給されるようになれば、結果的にコストダウンとなる。
(8)納期遅れの原因をつくらない
品質がよく加工費が安くても、納期に遅れてしまったら大きな損害につながる。その納期遅れの原因が発注元である自社にあったら問題だ。無理な納期設定、設計・仕様の変更、図面や技術指導の不備などがないように、発注側の体制を整えておく。
(9)外注先を格付けする
外注先の品質、価格、納期、経営能力などをあらかじめまとめておき、格付け表をつくる。その際、数値化できるものは、極力客観的な数字で評価するようにし、得意分野、特殊事情については特記しておく。新しい仕事を発注するときには、これを参考に最も信頼でき、コストパフォーマンスがよいと思われる業者を選定するようにする。
(10)外注先の立地条件を考慮する
自社の近隣に立地していれば輸送コストも最小限に抑えられるためベストだが、その他の条件で折り合わない場合は、時間とコストを極力抑えることのできる立地に所在する外注先を選択する。
(11)外注加工先を海外に変更する
輸送コストや品質管理の面をクリアすることが必要だが、工賃の高い国内で加工するよりも、賃金の安い東南アジア諸国の労働力を利用することを検討する。
(12)印刷物の外注をやめる
小ロットの簡易な印刷物については、社内のパソコンで作成し、一定枚数以上であれば簡易印刷機を利用して印刷する。外注するのは、カラー印刷の製品カタログなど品質が問われるものと大量(数千枚から数万枚)に配布するチラシなどに限りたい。
(13)名刺も自社で作成する
最近は無料の名刺印刷ソフトも数多く出回っており、パソコンショップや文具店で売っている名刺印刷用紙に合わせて自由にデザインできるようになってきた。名刺の使用頻度にもよるが、あまり大量の名刺を使わない職種の場合は内製したもので十分だ。ただし、対外的な見地から、会社としての統一デザイン(社章や文字の書体と大きさ、レイアウトなど)を定めておき、それに沿った形で作成することが必要だ。このため、作成と管理は総務部門で行なうべきだろう。
(14)広告出稿の際には複数の代理店から見積りをとる
新聞広告などを出す際には、複数の広告代理店にあたって詳細な見積りをとり、検討する必要がある。同じ媒体に同じスペースの広告を出すにしても、代理店による得手・不得手、交渉能力の差、力関係の差があり、それが料金に反映されるからだ。内容をよく研究し、できるだけ自社に有利な条件を引き出したい。
(15)折込み業者と印刷業者は別に取引する
折込みチラシを外注する際に、印刷業者に折込みまでまとめて頼んでしまうケースが多いが、これには印刷会社のマージンが含まれてしまうため、別個に取引したほうが経済的だ。ただし、手間やサービス内容によっては、窓口を一本に絞ったほうが有利な場合もある。
(16)外注している清掃費を見直す
外部業者にオフィスの清掃を委託している場合、現在の委託内容を見直し、削減できるところはないか検討する。また、他社からも見積りをとり、競合させることによって自社により有利な条件を引き出すこと。
(17)自社の従業員にも清掃業務の一部を義務づける
外注する清掃業務の一部を従業員に肩代わりさせ、清掃管理費の削減を図る。たとえば、ゴミ捨てなどはフロアごとに当番制にして従業員が行なえば、その分のコストを削減できる。業者に依頼しなければできないことのみを外注するというスタンスで臨みたい。
(18)敷地内の植栽の手入れや草むしり・清掃はシルバー人材センター等を活用する
園芸業者や清掃業者に委託するよりも、シルバー人材センター等を利用したほうが低廉な価格で済むことが多い。特別な技術水準を求めない場合には、これらの利用を検討する。
(19)警備業務契約を見直す
警備会社に委託している業務の内容を全面的に見直す。ことに、人的警備から機械警備に切り替えられるところはないか重点的に検討し、警備コスト全体の引下げを図る。
(20)退職社員を警備員として雇用する
警備会社から派遣される警備員に代えて、自社を定年退職した社員を再雇用して警備員とする。60歳以上の高齢者でもできる仕事であり、外注するよりも低い賃金で雇用することができる。
月刊誌「企業実務」臨時増刊号より
2009年4月末現在の法令等に基づいています。
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