ビジネスわかったランド (総務・庶務)

危機管理事項

防災マニュアルのつくり方は
 防災マニュアルをつくるためには、まずマニュアルの作成担当者を決めることになる。原則的には全社員に参加してもらうのがよく、実際には、各現場の実務に精通している者、法律に精通している者などの参加も仰ぎながら、総務・庶務の担当者が中心になって作成することになる。  
防災マニュアルの内容としては、本文で説明するように、社内防災委員会等の設置の項目から、自社版防災マニュアルの配付まで、およそ13項目ほどの内容が妥当であろう。
また、インターネットにより、「防災マニュアル」を検索してみると、市区町村などの地方自治体が製作した防災マニュアルがたくさん出てくるので、これらを参考にして作成すれば、自社版のすぐれた防災マニュアルができあがるはずである。

<< マニュアルの作成担当者 >>

原則的に全社員に参加してもらう
防災マニュアルの作成担当は、原則的に「全社員」である。全社員に参加してもらうことによって、「防災対策と事後処理」に対する意識を高めるようにする。

各現場実務に精通している者
各事業所やそれぞれの職場における危険箇所の洗い出し、予測される緊急事態の種類などについては、その現場と実務に精通した者でないとわからないものがある。

法律に精通している者
防災対策や事後処理には、各種法規の規制を受けるものや、損害賠償問題や保険関係など、法律問題に関わるものなどがある。したがって、業務に精通しているだけでなく、このような法律にも詳しい者、法的なものの見方ができる者も、作成の担当に加えることが求められる。

総務・庶務が中心になって作成する
作成目的や基本的な考え方はトップに示してもらい、実務精通者や各職場の声を多く集め、専門家の意見も加えて擦り合わせまとめ上げる。このような防災マニュアル作成の中心になるのは、やはり総務・庶務部門の担当者ということになろう。

<< 防災マニュアルの内容と形式 >>

防災マニュアルの内容
さて、防災マニュアルにはどのような内容を盛り込んだらよいかということだが、それは次に掲げたような内容になる。

この中でも、とくに「負傷者の救護応急治療体制の確立」「重要書類の保管と非常持出し資料の整理」「高度情報機器類のバックアップシステム」「非常時の社内連絡・広報体制の確立」「従業員の帰宅・避難対策の確立」などの項目が重要である。

マニュアルの形式
表記スタイルは、イラスト、図解等を多く取り入れて、活字も大き目にして、とっさのときに見やすくわかりやすいものにする。
マニュアルの外形としては、次のものから自社に最も適した形を選択するとよい。
1.冊子スタイル(製本したもの)
2.カード式
3.バインダー式(紐綴じを含む)

<< すぐれた「防災マニュアル」を参考にする >>

インターネットにより、「防災マニュアル」を検索してみる
地震や火災などの防災対策は、地方自治体が進んでいる。インターネットにより、「防災マニュアル」で検索すると、市区町村などの地方自治体が制作した防災マニュアルがたくさん出てくる。

横浜市が制作した「防災マニュアル」を紹介すると
たとえば、横浜市では、「商業編」と「工業編」の防災マニュアルをつくっている。そのうち「工業編」を見てみると、表紙はイラストが大きく描かれ、そのなかに「大地震から工場を守る防災マニュアル」というタイトルとともに、「人知及ばぬ大地震も、工場の「備え」と「とっさの行動」が工場の操業存続の岐路となります」というキャッチフレーズも書かれている。

「大地震から工場を守る備えの5箇条」とは
また、次のページは、やはりイラスト入りで、「大地震から工場を守る備えの5箇条」というものが掲載されている。次にそれを紹介しておこう。


著者
尾花 栄一(マネジメント・ライン代表)
2007年12月末現在の法令等に基づいています。