ビジネスわかったランド (総務・庶務)

危機管理事項

地震に備えての日頃からの対策は
 一般家庭に比べ、製造業などにおいては、原料や燃料等として使用するガス・電気や、爆発物、薬品など危険物等の貯蔵や取扱いも多いことから、地震発生時に大災害や二次災害を引き起こしてしまったりする危険性が、より高い。
そこで、企業の地震対策としては、地震からさらに災害が拡大することを防ぐため、設置する火気設備等や防災体制をより充実させることはもとより、それぞれの立場で出火防止や二次災害防止等のために最大の防災努力を払い、企業災害を最小限に抑える必要がある。
またとくに地域社会に密着し、市民生活に必要な物資を供給するなどの関連業種の企業では、社会生活に重要な役割を果たしているという認識をもち、日頃から地震対策を整え、災害に備える使命がある。

<< 地震対策のポイント >>

地震対策の項目
まず、地震に対してどのような対策を講じておかなければならないか、東京消防庁の「職場の地震対策」より見ておこう。次に掲げた図表がその要約である。
これを見ていただくとわかるように、地震対策の項目は、「震災に備えての事前計画」「震災時の活動計画」「施設再開までの復旧計画」の3段階に分かれる。


地震に備えての事前計画と対策
地震に備えての事前計画と対策は、各企業でも普段から実施したり年間行事として組み込んで、できることがたくさんある。そのうち、建物・工作物等の点検と補強、消火器等の準備と管理、避難ルートの確保と障害物の除去、防災訓練・教育などについては、企業の総務担当の責任者が仕事のスケジュールのなかに組み込んで実施することが必要である。

<< 地震が起きたときの注意点 >>

社内のガラス製品は飛散し、大けがの原因になる
社内を見回すと、ガラス製品が氾濫していることがわかる。窓ガラスだけでなく、蛍光灯や照明器具、ガラス戸棚、OA機器、花瓶、鏡、その他ガラスを用いた備品などが数多くある。これらガラス類は、激震によって割れ、飛散することを想定しておかなければならない。

ガラスの飛散を防止するためには
ガラスの飛散による危険に対しては、次のような対策がよく知られている。
1.強化ガラスの使用
2.網入りガラスの使用
3.飛散防止フィルムを貼る

防災フィルムの使用を検討したい
とくに防災フィルムは、現在使用しているガラスの補強ができるということで、防災の対策コスト的にも有利である。
最近では、透明のものから様々のカラー・フィルムや紫外線をシャットアウトするものまで、美観のうえでも防災性能のうえでも、次々に強度の強いものが開発され発売されている。

転倒・落下事故の防止対策を考えよう
地震の場合、転倒・落下事故も恐ろしいことである。転倒・落下の防止対策として、次のような点に留意したい。


まず必要なのは消火活動
地震で最も恐いものは、火災である。地震の揺れを感じたら「地震、火を消せ!」である。地震時の、消火のチャンスは3度ある。
1.揺れを感じたとき
2.大揺れがおさまったとき
3.出火したとき
揺れの規模やその場の状況に応じて、消火活動することである。

地震が起きたとき、身を守るための行動を徹底させよう
地震発生時には、次のような保身行動をとるように、全社員に徹底させておきたい。


著者
尾花 栄一(マネジメント・ライン代表)
2007年12月末現在の法令等に基づいています。