ビジネスわかったランド (総務・庶務)

エチケット・マナー

日本料理で許されること許されないことは
 正式な日本料理には様々な礼儀、タブーがある。食べ方のマナーはもちろん、箸の取り方、扱い方、食器の扱い方にも作法がある。最低限、基本マナーは身につけ、同席者に不快感を与えないようにしたい。

<< 着席に関するマナー >>

部屋に入る時にもマナーがある
料理を食べる部屋までの廊下などでは、上司と一緒なら上司の少し後ろを歩くようにし、入口近くまで来たら、上司の前に出て、上司のために襖を開け、先に上司を中に入れる。
その後、自分が中に入るときには、「失礼します」とひと声かけて入るようにする。

上司やお客は上座に
上司や取引先などと一緒だったら、彼らに上座に座ってもらう。上座は、部屋の構造によって微妙に違うが、基本的には、
1.床の間に近い席
2.出入口から遠い席
3.庭が見えるなどながめのよい席
と考えておけば、だいたい間違いない。

<< 箸の使い方に注意 >>

日本料理では、箸の使い方に様々なルールやタブーがあるので、注意したい。

箸は三手で取る
箸を手に取るときは、必ず両手を使うこと。片手で取るのはマナー違反。
箸は三手で取る。まず、右手で箸の中ほどをつまむ。次に、左手で箸の下側を支え、最後に右手をもつ位置まですべらせてクルッと返して持つのだ。


箸はどこに置くか
箸置きがあれば、当然、そこにかけるようにして置くのが礼儀だ。
箸置きがない場合は、袋に入った箸であれば、箸袋を結ぶようにして箸置きの代わりにする。袋もない場合は、膳の中に箸先を入れ、右縁にかけるようにして置く。あるいは、そのまま膳の中に入れてしまってもよい。箸先はなるべく汚さないように使いたい。


箸使いのタブーは
箸を使う際には、いろいろなタブーがある。ふだん家でやっているからといって、正式な場所でやってしまったら不作法である。無意識のうちにしてしまわないよう注意したい。
代表的な箸使いのタブーには次のようなものがある。


<< 食事中にはその他にもマナーがある >>

蓋つきの食器の扱い方は
蓋つきの食器は、料理が運ばれてきた段階で、すべての蓋を取るようにするのが基本。汁物などで蓋が取れにくいときは、椀の縁を左手の指先で絞るように強く押すと、取れやすくなる。
食事が終わったら、蓋は元どおりにしておく。蓋を裏返しにして重ねると食器をいためることがあるので、やめたほうがよい。とくに漆器類などの場合は注意が必要だ。

食べ方で注意すること
最初は汁物からいただく。次にご飯、おかず、の順で、これを繰り返すようにして食べるとよい。
ご飯をお代わりするときには、ひと口残してお代わりを頼む。お代わりの茶碗をもらうときには両手で受け取り、いったんお膳に置く。そのまま食べ始めてはいけない。
刺身を食べるとき、ワサビを醤油にといて使う人が多いが、刺身の上にワサビを置いてそれを醤油につけて食べるのが本来の食べ方。
焼き魚や煮魚など、骨のついた魚を食べるときには、まず上身を食べたら、骨をはずし、それから下の身を食べるようにする。魚をひっくり返して食べるのはいけない。
食べられないと思ったものには、はじめから手をつけないようにするのがマナー。たとえばウナギが2枚あって、全部食べるのは無理だと思ったら、どっちもちょっとずつ食べるのではなく、1枚食べてもう1枚はそのまま残すといったようにである。

こんな食べ方は不快感を与えてしまう
基本的にマナーというのは、一緒に食事をしている人に不快感を与えないようにするもの。次のような食べ方をしていないか、気をつけておきたい。
・器を持ち上げずに、料理のほうへ顔を持っていく、いわゆる「犬食い」はしない
・口に食べ物を入れたまま話したり、口の中で音を立てる食べ方をしない
・熱いからといってフーフーと吹いてさますようなことはしない
・食事の途中で席を立つのは失礼。雑用やトイレなどは、着席前にすませておくようにする
・爪楊枝は食事中は使わない。食後に使うときも、左手で口をおおって手早くすませるのがエチケット
・食事中は髪をさわらない

著者
土舘 祐子(株式会社マネジメントサービスセンターHRソリューションチーフディレクター)
2007年12月末現在の法令等に基づいています。