ビジネスわかったランド (総務・庶務)

株主・株式・役員事項

招集通知・委任状のつくり方(書式例)は?
招集通知・委任状のつくり方(書式例)は?


●記載必要事項は会社法で定められている
株主総会の招集通知について、会社法は「総会の目的である事項」を記載することを求めている。
総会の目的である事項とは、審議の対象となる議題であり、賛否の対象となる事項すなわち議案の記載までは要求されていない。
また一定の重要事項を審議する場合(定款変更・合併・事業譲渡・新株の有利発行等)には、目的だけなく、議案の概要も記載しなければならない。
会社法の定めはこれだけだが、株主を招集するものである以上、日時と場所の記載は必要である。
またタイトルや作成者名(招集権者である代表取締役)や作成年月日も必要となる。
なお、作成年月日は、招集通知発送日にするのが実務的である。
計算書類の報告・承認および役員改選のための定時株主総会と、定款変更および役員増員のための臨時株主総会の招集通知の書式例は、次のとおり。

●委任状の書式
株主は議決権の行使を代理人に委ねることができるが、代理権を証明する委任状が必要である。
委任状は、委任事項を単に「株主総会で議決権を行使する件」とするだけでも有効だが、それだけでは委任の趣旨が議案に賛成か反対か、それとも受任者の裁量に委ねるのか不明であり、とくに受任者も白紙の場合は代理権行使の適否が問われかねない。
そこで、委任事項を「会社提案に賛成する件」とすれば、受任者が誰であっても支障がない。さらにいえば、総会で動議や修正案が提案された場合にも対応できる内容にしておくと万全である。
総会において意見の対立が予想される場合には、委任状の内容を白紙にしたり、包括的な内容にすることなく、議案に対する賛否が明確になるような書式を心掛けるべきである。
 
 


矢野眞之(弁護士)
2011年4月末現在の法令等に基づいています。